トップ 事例を探す 岡山県 【事例】岡山県玉野市の部活動地域移行 ─ 玉野スポーツネットワークJV事務局×検討委員会×人材バンクの三層構造で文化部・運動部を一体展開
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 岡山県

【事例】岡山県玉野市の部活動地域移行 ─ 玉野スポーツネットワークJV事務局×検討委員会×人材バンクの三層構造で文化部・運動部を一体展開

公開:2026.05.21 更新:2026.05.21
この記事でわかること

・玉野市が令和8年度本格運用に向けて構築する「玉野スポーツネットワークJV」事務局方式の3年制度設計プロセス
・令和5年度6種目(運動部3+文化部3)→令和7年度4種目の段階的絞り込みと運動部・文化部一体の地域展開
・検討委員会×JV事務局×人材バンクの三層構造による責任明確化と複数団体協働ガバナンス

自治体名 岡山県玉野市
人口規模 約5.7万人(2024年時点)
中学校数 5校
運営形態 玉野スポーツネットワークJV(共同企業体)が事務局運営・市社会教育課所管・玉野市部活動地域移行検討委員会主導
対象競技 サッカー・ソフトテニス・卓球・吹奏楽(R7年度実証4種目)/陸上・バスケ・軟式野球・書道・茶道・吹奏楽(R5年度実証6種目)
保護者負担額 令和8年度本格運用時に決定(実証期間中の参加費は公表なし)

取り組みの概要

岡山県玉野市は、令和5年4月に「玉野市部活動地域移行検討委員会」を設置し、学識者・中学校長・PTA・スポーツ少年団・スポーツ協会など多様なステークホルダーによる協議体制を構築。令和5年11月〜1月の実証事業(陸上・バスケットボール・軟式野球・書道・茶道・吹奏楽の6種目、各1〜5回)を経て、令和7年度はサッカー・ソフトテニス・卓球・吹奏楽の4種目を「玉野地域クラブ活動」として実証展開している。令和8年度からの本格運用に向けて、玉野スポーツネットワークJV(共同企業体)に事務局を委託し、休日活動を中心とした地域クラブを運営する。サッカーは一部平日活動も含めた先行モデルとして位置付けられている。

特徴的な取り組み

  • 玉野スポーツネットワークJV事務局方式: 玉野市総合スポーツクラブを含む地域スポーツ団体が共同企業体(JV)を組成し、市から事務局運営を受託。単独団体に依存しない複数団体協働モデルで、リスク分散と専門性確保を両立。
  • 「玉野地域クラブ活動指導者人材バンク」設置: 市が指導者人材バンクを直営し、地域クラブの指導者を登録・派遣する仕組みを構築。複数の地域サッカークラブ(玉野築港FC・玉野JSC・ポルターレ玉野など)が既存リソースとして活用される基盤がある。
  • 運動部・文化部の一体展開: 令和5年度実証で陸上・バスケ・軟式野球(運動部3種目)と書道・茶道・吹奏楽(文化部3種目)を並行実施。スポーツ偏重ではなく、文化活動も地域クラブの対象に含める方針を初年度から明示。
  • 令和7年度段階展開(4種目): 実証6種目から、地域指導者・受け皿団体の確保状況を踏まえてサッカー・ソフトテニス・卓球・吹奏楽の4種目に絞り込んで本格運用準備。実証で得た知見をもとに種目選定を見直す柔軟性を確保。
  • 検討委員会×事務局JV×人材バンクの三層構造: 政策決定(検討委員会)・運営事務局(スポーツネットワークJV)・指導者管理(人材バンク)の機能を分離。それぞれの責任範囲を明確化した持続可能なガバナンス。

課題と解決策

課題 解決策
地域クラブ運営に必要な事務局機能を単独団体で持てない 玉野スポーツネットワークJV(共同企業体)を組成し、複数団体の専門性とリソースを統合
多様な競技・文化活動の指導者確保 玉野地域クラブ活動指導者人材バンクを市直営で設置。既存の地域サッカークラブ等のリソースを活用
実証期間中の種目選定と本格運用への絞り込み R5実証6種目→R7実証4種目に絞り込み、受け皿が固まった種目から本格展開
運動部偏重と文化部の機会不足 初年度から書道・茶道・吹奏楽を実証対象に含め、運動部・文化部一体の地域展開を制度化

成果・効果

令和5年度実証では6種目で延べ14回の活動を実施(陸上5回・バスケ5回・他種目各1回)。令和7年度はサッカー・ソフトテニス・卓球・吹奏楽の4種目に集約し、玉野スポーツネットワークJVへの事務局委託で運営体制を本格化。指導者人材バンクの設置(令和8年5月最終更新)により、令和8年度の本格運用に向けた指導者プール確保も進めている。検討委員会から始まり、JV事務局・人材バンク・段階的種目絞り込みという3年がかりの制度設計プロセスは、人口5万人規模の中堅自治体が持続可能な地域クラブ活動を構築するモデルケースとなりつつある。

出典

→ 原文: 玉野市公式サイト「令和5年度玉野市部活動地域移行の取組について」

→ 関連ページ: 玉野市公式サイト「玉野地域クラブ活動(令和8年度)」

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

玉野市の特徴は「JV(共同企業体)方式」での事務局運営。地域に単独で運営事務局機能を持てる総合型クラブが存在しない場合でも、複数の地域団体が共同で受託することで運営体制を立ち上げる発想は、同規模の自治体に再現性がある。さらに運動部と文化部を初年度から一体的に実証対象に含めた点は、運動部偏重の地域展開に陥らないための重要な政策設計。書道・茶道などの伝統文化系活動の地域移行は全国的に事例が少なく、玉野市の取り組みは文化部地域移行のモデルとして注目される。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

JV方式は構成団体間の役割分担とリスク配分の合意形成が前提となる。玉野市は玉野市総合スポーツクラブをはじめとする既存組織群が母体となっているため成立しているが、地域団体間の関係性が希薄な自治体では立ち上げに時間がかかる可能性がある。また実証6種目→本格運用4種目への絞り込みは合理的だが、書道・茶道・軟式野球が本格運用対象から外れた点は、文化部・少人数競技の受け皿確保の難しさを示している。種目を絞り込むかどうかは、受け皿団体の合意と指導者プール充足の両面から判断すべき。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

検討委員会×JV事務局×人材バンクの三層構造は、責任所在の明確化と専門性確保の両立に成功している設計。検討委員会には学識者・校長・PTA・スポーツ少年団・スポーツ協会が参画し、多角的な視点からの政策合意形成が担保されている。JV事務局は複数団体の協働運営なので、単独団体撤退時のリスクも分散される。一方で受益者負担額が現時点で未公表であり、令和8年度の本格運用に向けた財源スキーム(市費・国費・受益者負担の比率)の早期確定が課題。

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