トップ 事例を探す 長野県 【事例】長野県佐久市の部活動地域展開 ─ 7中学校で令和8年度末完全移行・指導者人材バンク新設・令和8年7月協議会改名で運動・文化部統合議論
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 長野県

【事例】長野県佐久市の部活動地域展開 ─ 7中学校で令和8年度末完全移行・指導者人材バンク新設・令和8年7月協議会改名で運動・文化部統合議論

公開:2026.05.17 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・長野県佐久市の部活動地域展開の地域展開で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 長野県佐久市
人口規模 約9.7万人
中学校数 市立中学校7校
運営形態 市教育委員会主導/部活動指導員人材バンクで指導者マッチング/令和8年7月協議会改名で運動・文化部の議論統合
対象競技 準備の整った種目から段階移行/令和7年度から本格実施
移行スケジュール 令和5年度開始→令和7年度本格実施→令和8年度末(2027年3月)完全移行

取り組みの概要

佐久市は、市立中学校7校の休日(土日祝)の運動部活動を、令和5年度から開始し令和8年度末(2027年3月)までに地域移行完了を目標として掲げている。すべての部活動を一斉に移行するのではなく、準備の整った運動部・文化部から段階的に移行する設計で、令和7年度から本格実施に入っている。

佐久市は2026年1月12日から2月9日にかけて、小学校5・6年生、中学校1・2年生、その保護者、中学校教員を対象としたアンケートを実施し、部活動地域移行に関する現状・課題を把握している。2026年7月には協議会名称を「佐久市立中学校運動部活動地域移行協議会」から「佐久市地域スポーツ・文化芸術活動推進連絡協議会」に変更し、運動部活動だけでなく文化部活動も議論対象に含める設計に拡張した。

支援策として「部活動指導員人材バンク」を新設し、指導者と部活動をマッチングする仕組みを整備。令和7年度(2025年度)から休日の地域移行が本格実施段階に入っている。

特徴的な取り組み

  • 令和8年度末(2027年3月)完全移行目標: 7中学校の休日運動部活動の地域移行を令和8年度末までに完了する明確な目標年度を明示。
  • 令和7年度本格実施: 令和5年度から準備→令和7年度から本格実施という段階拡大計画で、計画から実装へ確実に移行。
  • 部活動指導員人材バンクの新設: 指導者と部活動をマッチングする市レベルの人材データベースを整備。
  • 令和8年7月協議会改名で文化部統合: 「運動部活動地域移行協議会」→「地域スポーツ・文化芸術活動推進連絡協議会」に名称変更し、運動・文化の議論を統合。
  • 2026年1月〜2月の大規模アンケート: 小5〜中2生徒、保護者、中学校教員を対象に現状・課題を把握。実装段階での意見集約。

課題と解決策

課題 解決策
7中学校の段階移行スケジュール管理 令和5年度開始→令和7年度本格実施→令和8年度末完全移行という3段階のロードマップで進行管理
指導者と部活動のマッチング 「部活動指導員人材バンク」を新設し、人材データベースで指導者と部活動を体系的にマッチング
文化部活動の議論遅延 令和8年7月に協議会を改名し、「運動部活動」から「地域スポーツ・文化芸術活動」に対象拡大
移行に対する保護者・生徒・教員のニーズ把握 2026年1〜2月に小5〜中2生徒、保護者、中学校教員を対象とした大規模アンケートを実施

成果・効果

佐久市の取り組みは、人口9.7万人・中学校7校の自治体が「3段階ロードマップ+人材バンク+協議会改名+大規模アンケート」を体系的に組み合わせた実装プロセスを示している点で参照価値が高い。とくに、令和5年度開始→令和7年度本格実施→令和8年度末完全移行という3段階のロードマップは、改革推進期間(令和5〜7年度)と改革実行期間(令和8年度〜)の境目を意識した計画的な設計となっている。

2026年7月の協議会改名は実務的に重要な動きである。「運動部活動地域移行協議会」という名称では文化部活動が議論の対象外と捉えられる構造があり、文化部の遅延を制度的に生み出していた。「地域スポーツ・文化芸術活動推進連絡協議会」への名称変更は、運動・文化の議論を一体化する明確な意思表示であり、文化部所属生徒への配慮として参考になる。部活動指導員人材バンクの新設も、指導者と部活動の体系的マッチングを可能にする実務的な仕組みとして実装価値が高い。

出典

→ 原文: 部活動の地域展開(地域移行)について | 佐久市ホームページ

→ 原文: 佐久市立中学校運動部活動の地域移行協議会 | 佐久市ホームページ

→ 原文: 部活動の地域移行 | 佐久市ホームページ

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

佐久市の事例で参照価値が高いのは、3段階ロードマップ(令和5年度開始→令和7年度本格実施→令和8年度末完全移行)を明示している点である。改革推進期間と改革実行期間の境目に合わせた計画設計で、国の方針改定との整合も取りやすい。「いつまでに何が完了するか」が市民に伝わる構造で、関係者の準備の見通しが立てやすい。

令和8年7月の協議会名称変更は、運動部偏重から文化部統合への明確な意思表示として注目できる。多くの自治体は「運動部活動地域移行協議会」のまま運営を続け、文化部の議論を別途立ち上げる必要があるが、佐久市は協議会を改名することで運動・文化の議論を一体化している。文化部の遅延を構造的に防ぐ実務的な工夫である。

部活動指導員人材バンクの新設は、指導者と部活動の体系的マッチングを可能にする実装ツールである。指導者バンクを整備する自治体は多いが、佐久市は「マッチング機能」までセットで設計しており、データベースを使った効率的な人材配置が可能となる。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

①3段階ロードマップは、各段階で「次の段階に進む判断基準」を明文化しないと、停滞しても気づかない構造になる。導入時は「令和7年度本格実施に進む判断基準」「令和8年度末完全移行に至る判断基準」を協議会で事前に決めておき、達成状況を定期的に確認する仕組みが必要である。

②協議会の改名は、関係者(既存協議会委員・地域団体)への事前説明が必要である。改名によって議論対象が拡大すると、新たに文化団体の委員を加える必要が出てくる。導入時は委員構成の見直しを協議会改名と同時に行い、運動・文化の両領域の代表が委員に揃う構成にする必要がある。

③部活動指導員人材バンクは、登録者数だけでなく稼働率が成否を左右する。登録だけで稼働していない人材が多いと、データベースとして機能しない。導入時は「年間最低稼働日数」「マッチング成立件数」などの指標を設定し、稼働率を継続モニタリングする仕組みが必要である。

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