【事例】石川県珠洲市の部活動地域展開 ─ 4中学校146人「珠洲ベースボールクラブ」R6.8設立・能登半島地震復興下の3校統合野球アカデミー・参加費0円
・「野球アカデミー」で3校生徒を集約し、令和6年8月に市野球協会主体のクラブを設立
・単一競技団体を実施団体とすることで新団体設立コストを抑制し市教委が認定
・参加費0円を維持し震災復興下の家計事情に配慮、市営球場を活動拠点に確保
| 自治体名 | 石川県珠洲市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約1.2万人 |
| 中学校数 | 公立4校(宝立小中学校・三崎中学校・緑丘中学校等)・全生徒数146人・14部活動 |
| 運営形態 | 競技団体連携型(珠洲市野球協会) |
| 対象競技 | 軟式野球(珠洲ベースボールクラブ) |
| 保護者負担額 | 参加費0円 |
取り組みの概要
石川県珠洲市は、少子化に加え令和6年能登半島地震による人口流出に伴って部員数が不足し、単独校での大会参加などが困難となっています。学校グラウンドでの仮設住宅建設により活動が大きく制限される中、令和6年度以前から指導者確保の目処がついていた軟式野球競技において、先行的に地域クラブへの移行を実施しました。
同市の取組は、市野球協会指導員による「野球アカデミー」という形で3校の生徒を集約し、クラブチーム化に向けた実証事業を開始した点に特徴があります。「野球アカデミー」の成果もあり、緑丘中学校が石川県大会を制覇。3年生引退後、3校とも単独校での試合出場が困難となったため、市野球協会を実施団体とする「珠洲ベースボールクラブ」を令和6年8月に設立し、教育委員会から地域クラブとして認定されました。
特徴的な取組
- 能登半島地震復興下の地域移行モデル: 令和6年能登半島地震による人口流出と学校グラウンドの仮設住宅建設という極めて困難な状況下で、軟式野球の地域クラブ化を実現した稀有な事例。
- 「野球アカデミー」3校統合の集約モデル: 市野球協会指導員による「野球アカデミー」として宝立小中学校・三崎中学校・緑丘中学校の3校生徒を集約。震災で減少した競技人口を再結集する設計。
- 緑丘中学校の石川県大会制覇: 「野球アカデミー」の集約成果として緑丘中学校が石川県大会を制覇。地域クラブ移行が競技成果を生み出す好例。
- 令和6年8月「珠洲ベースボールクラブ」設立: 3年生引退後の単独校試合出場困難を受け、市野球協会を実施団体とする地域クラブを設立。市教育委員会から地域クラブとして認定。
- 参加費0円: 震災復興下の家計事情に配慮し、参加費0円を維持。経済負担なしでの参加機会を保障。
- 市営球場の活用: 学校グラウンドが仮設住宅により制限されるなか、珠洲市営野球場を主な活動場所として確保。
- 令和7年度県中体連登録準備: 令和7年度の県中体連登録に向けた体制構築・準備を進行中。地域クラブとしての大会参加資格を順次整備。
- 地域クラブ化への共通認識醸成: 行政・教職員・保護者・児童が地域クラブ化の趣旨を理解し共通認識を持つ取組を継続。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 少子化に加え、能登半島地震による人口流出で部員数が不足し単独校大会参加困難 | 3校(宝立小中・三崎中・緑丘中)を「野球アカデミー」で集約し、競技人口を確保。8月に「珠洲ベースボールクラブ」として正式に地域クラブ化 |
| 学校グラウンドが仮設住宅建設により活動制限 | 珠洲市営野球場を主な活動場所として確保し、震災影響下でも継続的な活動環境を整備 |
| 地域クラブ化への市内関係者の理解 | 地域クラブ化の趣旨を行政・教職員・保護者・児童が理解し共通認識を持つ取組を継続。部活動における生徒・保護者の不安払拭を実現 |
| 市内野球部員集約による人間関係の構築 | 市野球協会指導員による「野球アカデミー」を経由して段階的に3校生徒を統合。集約過程で関係性を醸成 |
| 家計の経済負担(震災復興期) | 参加費0円を維持し、震災復興下の家計に配慮した経済負担なしの活動機会を保障 |
| 大会参加資格の整備 | 令和7年度の県中体連登録に向け、地域クラブとしての体制構築・準備を進行 |
成果・効果
令和6年6月から「野球アカデミー」を実証事業として開始し、3校統合の集約モデルを構築。緑丘中学校が石川県大会を制覇する競技成果も得られました。令和6年8月には市野球協会を実施団体とする「珠洲ベースボールクラブ」を正式に設立し、教育委員会から地域クラブとして認定。指導者8名・運営スタッフ12名で月平均4回の活動を実施し、各学年クラブ平均3〜9名の参加を確保しています。参加費0円という設定により、震災復興下の家計に配慮しながら、令和7年度の県中体連登録に向けた準備を着実に進めています。
出典
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