トップ 事例を探す 福島県 【事例】福島県喜多方市の部活動地域展開 ─ 7中学校1,036人・4地域クラブ運営・統括+地域コーディネーター3名・陸上クラブに年間340人派遣
全種目 👥 1~5万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 福島県

【事例】福島県喜多方市の部活動地域展開 ─ 7中学校1,036人・4地域クラブ運営・統括+地域コーディネーター3名・陸上クラブに年間340人派遣

公開:2026.05.16 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・福島県喜多方市の地域移行で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 福島県喜多方市
人口規模 約4.2万人(42,000人)
中学校数 公立7校(第一・第二・第三・会北・塩川・山都・高郷)・生徒数1,036人(R15予測807人)・45部活動
運営形態 市町村運営型(喜多方市教育委員会+競技団体/部活動の地域移行に関する協議会設置)
対象競技 野球・剣道・陸上競技・バスケットボール(4クラブ)+部活動指導員派遣による合同活動
保護者負担額 月会費2,000〜3,000円+入会金1,000〜5,000円(クラブ別)

取り組みの概要

福島県喜多方市は、面積約555 km²の広域自治体で、7つの公立中学校(第一・第二・第三・会北・塩川・山都・高郷)に1,036人の生徒が在籍しています。少子化により令和15年度には807人(△229人)への減少が予測されるため、「喜多方市部活動の地域移行に関する協議会」を設置し、競技団体や各中学校から推薦いただいた「部活動指導員(市任用)」の協力を得ながら、「持続可能な地域運動部活動の存続」に向けた取組を進めています。

同市の特徴は、統括コーディネーター(常勤1名)・地域コーディネーター(非常勤2名)の3名体制を採用し、4つの地域クラブ(喜多方中学軟式野球クラブ・福島県剣道連盟喜多方支部・喜多方陸上クラブ・喜多方バスケットボールクラブ)を展開していること。陸上クラブは1校に年間340人の指導員派遣、バスケは1校に4〜6月で16名派遣、野球は合同チームに2回5名派遣、卓球は3校に年間80名派遣など、種目別の派遣計画も明確化されています。

特徴的な取組

  • 統括コーディネーター+地域コーディネーター3名体制: 統括コーディネーター(常勤1名)+地域コーディネーター(非常勤2名)の3名で7中学校の地域移行を支える広域自治体型コーディネート体制。
  • 4つの地域クラブ多様な活動頻度: 喜多方陸上クラブ(月20回/週5回)・喜多方中学軟式野球クラブ(月8回/週2回)・福島県剣道連盟喜多方支部(月4回/週1回)・喜多方バスケットボールクラブ(月4回/週1回)と種目に応じた頻度設計。
  • 陸上クラブに年間340人の指導員派遣: 地域クラブから1校に年間340人の指導員を派遣する極めて手厚い指導体制。継続的な技術指導を担保。
  • 合同練習会の継続実施: 地域クラブと学校部活動との合同練習会を野球16回・剣道24回開催し、地域クラブ未参加生徒との接点を維持。
  • R6.4から段階的に4中学校で派遣開始: 令和6年4月に第一・会北・高郷中学校で部活動指導員派遣開始、5月に塩川中学校、12月に第二中学校、令和7年1月に第三中学校と段階的に拡大。
  • 部活動指導員(市任用)制度: 競技団体や各中学校から推薦された候補者を市任用の部活動指導員として配置。地域指導者の質の担保と地域連携の両立。
  • 新規種目の創設: 4クラブのうち3クラブ(野球・剣道・バスケ)は部活動地域移行型、1クラブ(他、卓球)は新たな種目のクラブを新規に創設する形で運営。
  • 市総合計画第7期実施計画(R5-7)との連動: 首長部局(企画調整課)が喜多方総合計画第7期実施計画(R5〜7)の見直しや点検・評価を実施し、市政方針と地域移行を整合。

課題と解決策

課題 解決策
少子化進行(R6:1,036人→R15予測:807人で△229人)による学校小規模化 「喜多方市部活動の地域移行に関する協議会」を設置し、市・競技団体(スポーツクラブ)・中学校(PTA含む)と目標値や課題を共有
スポーツ少年団指導者の担い手不足・高齢化 競技団体や各中学校から推薦された候補者を「部活動指導員(市任用)」として配置し、新たな指導者層を確保
7中学校・45部活動という広域・多部活への対応 統括コーディネーター1名+地域コーディネーター2名の3名体制で、複数校の連絡調整を一元化
家計の経済負担 月会費2,000〜3,000円+入会金1,000〜5,000円という比較的低廉な料金設定で参加機会を保障
段階的移行のスケジュール管理 R6.4から第一・会北・高郷・第三中学校で派遣開始、5月塩川、12月第二、R7.1第三バドミントンと段階展開
地域クラブと学校部活動の関係性 合同練習会(野球16回・剣道24回)を継続開催し、地域クラブと学校部活動の接点を維持

成果・効果

令和6年度には4つの地域クラブが本格稼働し、指導者17名・運営スタッフ18名で運営。各クラブの月活動回数は週1回(剣道・バスケ)から週5回(陸上)まで種目特性に応じて設計され、参加生徒は各学年クラブ1〜6名と着実に確保されています。地域クラブ・団体から学校部活動への部活動指導員派遣は陸上競技1校に年間340人、バスケットボール1校に4〜6月に16名、野球合同チームに2回5名、卓球3校に年間80名と種目別の手厚い体制を構築。地域クラブと学校部活動との合同練習会も野球16回・剣道24回開催し、技術的・意欲的な向上が報告されています。

出典

→ 原文: スポーツ庁「令和6年度 地域スポーツクラブ活動への移行に向けた実証事業 福島県喜多方市」

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

喜多方市の事例で最も注目すべきは、「統括コーディネーター(常勤1名)+地域コーディネーター(非常勤2名)」という3名体制です。多くの自治体では1名のコーディネーターに業務が集中して負担過大になりますが、喜多方市は常勤・非常勤を組み合わせた3名体制で7校・45部活動の調整を可能にしています。広域(555 km²)・多校(7校)の自治体ではこのようなコーディネーター複数体制が現実的選択となります。

もう一つの特徴は、地域クラブから学校部活動への部活動指導員派遣の手厚さです。陸上競技に年間340人、卓球3校に80名という派遣規模は、地域クラブの指導者が学校部活動の現場にも入り込む「双方向型」運営の好例。地域クラブと学校部活動の合同練習会(野球16回・剣道24回)も継続的に開催されており、生徒側の選択肢を狭めない設計です。月会費2,000〜3,000円という比較的低廉な料金設定も、東北地方の中規模都市における持続可能なモデルとして注目に値します。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

「統括+地域コーディネーター複数名体制」を採用する場合、人件費の確保が最大のハードルです。喜多方市は常勤1名・非常勤2名と常勤・非常勤を組み合わせて費用を抑えていますが、各コーディネーターの役割分担(統括は全体調整・地域コーディネーターは各校との実務調整など)を文書化することが運営トラブル回避の鍵となります。広域自治体(555 km²)での運営は、移動コストと時間が大きな制約になるため、コーディネーターの担当エリア区分を明確にすることが必要です。地域クラブから学校部活動への指導員派遣を年間340人規模で行う場合、保険・契約形態・賃金単価を予め整理し、定型化した派遣業務フォーマットを準備しておくと運営がスムーズになります。

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