トップ 事例を探す 山形県 【事例】山形県新庄市の部活動地域展開 ─ 16種目25団体併存登録制で選択肢豊富・令和6年度から休日部活動完全停止
全種目 👥 1~5万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 山形県

【事例】山形県新庄市の部活動地域展開 ─ 16種目25団体併存登録制で選択肢豊富・令和6年度から休日部活動完全停止

公開:2026.05.10 更新:2026.05.10
この記事でわかること

・新庄市が既存団体を「地域クラブ」として登録認定する制度設計
・16種目25団体超の選択肢を1年で整備した既存団体活用モデル
・1種目複数団体併存による生徒主導の選択制と低月謝オプションの設計

自治体名 山形県新庄市
人口規模 約3.3万人(2020年国勢調査時33,002人)
中学校数 5校(義務教育学校1校含む/新庄中・日新中・八向中・明倫学園・萩野学園)
運営形態 市町村運営型(地域団体・人材活用型)/既存スポーツクラブ・少年団・企業・社会教育団体を「地域クラブ」として登録認定
対象競技 運動部13種目+文化部3種類(硬式野球・軟式野球・ソフトボール・サッカー・バドミントン・バレーボール・卓球・ソフトテニス・バスケットボール・柔道・剣道・合気道・弓道・水泳・ダンス・吹奏楽・総合文化)
保護者負担額 月額500円~11,000円(団体・種目により大幅に異なる/例:バスケ500円~5,000円、バドミントン1,000円~2,000円、硬式野球11,000円)

取り組みの概要

山形県新庄市は人口約3.3万人、市内に5校(義務教育学校1校含む)の中学校がある最上地方の中心都市です。市は令和6年4月から、市内中学校での休日部活動を原則実施せず、生徒が興味・専門性に応じて市が認定した「地域クラブ」を選択して参加する仕組みへ全面転換しました。地域クラブは16種目・約25団体に及び、1種目に複数団体が併存する選択肢豊富な制度です。バスケットボールでは6団体、バドミントン3団体、バレーボール3団体、卓球2団体、サッカー2団体、柔道2団体、剣道2団体が登録されており、生徒は月謝・活動日・活動場所・指導内容を比較して選べます。令和7年3月にも保護者向け説明会を実施し、市の方向性と今後のスケジュールを共有しました。

特徴的な取り組み

  • 既存団体を「地域クラブ」として認定する登録制: 新規にクラブを立ち上げるのではなく、市内で既に活動するスポーツ少年団・スポーツクラブ・企業運営フィットネス・社会教育団体(吹奏楽団、文化サロン等)を「地域クラブ」として登録認定。新庄リトルシニア(硬式野球)、Weスポーツクラブ新庄(水泳・ダンス)、フィエスタ総合文化部(カフェ会場)など、多様な形態の既存団体を活用。
  • 1種目複数団体の併存で多様な月謝・活動日を提供: バスケットボールはSHINJO NORTHSIDE Blitz・TN RABBITS・Rizin Arrows・萩野Hornets・明倫学園バスケットボールクラブ・BLAZE KNIGHTS U15の6団体が併存。月謝500円~5,000円、活動場所も萩野学園・明倫学園・新庄中・八向中と分散しており、生徒の通学範囲・経済状況・競技志向に応じて選択可能。
  • 学区限定団体と広域団体の併設: 「新庄中学区のみ」(新庄バレーボールクラブ)、「明倫・萩野学区のみ」(明倫萩野VBC)、「日新学区内」(日新バドミントンクラブ)など学区限定団体を配置することで、徒歩・自転車での通学を可能に。一方、軟式野球(アジサイクラブ)・剣道連盟・神室柔道は最上郡内全域対応の広域団体として併設。
  • 異なるカテゴリーの活動を選択肢化: 弓道(年7,000円)、合気道(月500円)、水泳(月7,909円~)、ダンス、総合文化(カフェ会場)など、従来の中学校部活動にない種目も地域クラブに含めることで、運動が苦手な生徒や芸術志向の生徒も参加できる多様性を確保。
  • 休日部活動完全停止と地域クラブ参加の二本立て: 多くの自治体が「学校部活動と地域クラブの二重構造」を温存する中、新庄市は令和6年度から休日の中学校部活動を実施しないと明確化。生徒が部活動で活動したい場合は地域クラブへの参加を選ぶ仕組みに整理。

課題と解決策

課題 解決策
市内に新規クラブを立ち上げる人材・運営力不足 既存のスポーツ少年団・スポーツクラブ・企業・社会教育団体を「地域クラブ」として登録認定する制度に切り替え
1種目1団体だと選択肢が不足し参加意欲低下 バスケ6団体・バドミントン3団体など同一種目で複数団体併存。月謝・活動日・場所を多様化
家庭の経済状況による参加格差 月謝500円~の低価格団体(合気道500円、TN RABBITS500円、剣楽館1,000円)を併設。学区限定団体は移動費も最小化
従来部活動にない種目(ダンス・水泳・総合文化)を希望する生徒のニーズ Weスポーツクラブ新庄(民間フィットネス)・フィエスタ総合文化部(地域カフェ)・新庄弓道連盟など多様な団体を登録に組み込み
休日部活動と地域クラブの二重構造による曖昧さ 令和6年4月から休日部活動を原則実施せず、地域クラブへの一本化を明確化

成果・効果

令和6年4月時点で運動部13種目・文化部3種類、合計16種目25団体超の地域クラブ登録制度を稼働。1種目に複数団体が併存する設計により、生徒は月謝500円~11,000円の幅広い選択肢から興味・経済状況・通学範囲に応じて選べる体制が整いました。学区限定団体と広域団体の併設により、徒歩・自転車での通学から最上郡広域までの参加範囲を柔軟に設計。令和7年3月の説明会で市の方向性と実施スケジュールを保護者へ共有し、地域移行の取組を本格軌道に乗せました。

出典

→ 原文: 中学校の部活動の地域移行(新庄市公式)
→ 関連: 地域クラブ登録一覧(新庄市公式)
→ 関連: 中学校の休日の部活動の地域展開に関する説明会を実施しました(新庄市公式)

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

新庄市の事例で最も注目すべきは、「新規団体を作らず既存団体を認定する」というアプローチの徹底です。多くの自治体は「総合型地域スポーツクラブを新設」「NPO法人を立ち上げる」といった重厚な制度設計を選びますが、これは設立準備に1〜2年、運営軌道化に更に数年かかります。新庄市は逆に、市内で既に活動する硬式野球シニア・スポ少・剣道連盟・弓道連盟・民間フィットネス・吹奏楽団・地域カフェなどを「地域クラブ」として認定する登録制を採用することで、1年で16種目25団体超の体制を整えました。

もう一つ注目すべきが、「1種目複数団体併存」という消費者選択型の設計です。バスケットボール6団体・バドミントン3団体・バレーボール3団体が同一市内で併存することは、行政効率の観点では非効率に見えますが、月謝500円~5,000円・活動場所4ヵ所・活動日もそれぞれ異なるという多様性が生徒の参加意欲を高めます。「行政が選んだ1団体に強制参加」ではなく「生徒が選ぶ」という主導権の転換は、地域移行を「奪われるもの」から「選べるもの」へと変える鍵となる思想です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

登録制を機能させるには、市内に既存スポーツ団体が一定数存在することが前提条件です。新庄市は最上地方の中心都市として、硬式野球シニア・剣道連盟・弓道連盟・吹奏楽団など長年活動する団体が多数存在していました。これがない地方の小規模町村が同じモデルを単純コピーすると、登録対象団体が見つからず制度が空回りする恐れがあります。導入を検討する自治体は、まず市内既存団体の棚卸し(実態調査)を行い、登録要件を「既存実績○年以上」「指導者○名以上」「活動回数○回/月以上」など現実的な水準で設定することが重要です。また、月謝が500円~11,000円まで幅広く存在することは選択肢の豊富さですが、家庭間で参加費格差が顕在化するリスクも併せ持ちます。就学援助受給世帯への一律補助制度(生駒市の年25,500円助成等)を併設して、経済状況による選択制限を防ぐ設計を最初から組み込むことを推奨します。

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