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【事例】大分県由布市の部活動地域展開 ─ ニーズ調査134名の声を起点に総合型クラブHASAMAから3校区拡大計画

公開:2026.05.10 更新:2026.05.10
この記事でわかること

・由布市が小学生134名のニーズ調査を起点にした地域移行の組み立て
・総合型クラブHASAMAから3校区段階拡大への現実的なロードマップ
・総括+地域コーディネーター2層体制と合同研修会による指導者確保

自治体名 大分県由布市
人口規模 約3.4万人(33,565人)
中学校数 3校(挾間中、庄内中、湯布院中/生徒858人)
運営形態 地域スポーツ団体等運営型(総合型地域スポーツクラブ運営型)/総合型スポーツクラブHASAMA
対象競技 令和6年度はバドミントン部から先行(拠点:挾間中)/文化部は令和6年度から協議
保護者負担額 年額29,600円(令和6年度予定/別途スポーツ安全保険:生徒800円・指導者1,850円)

取り組みの概要

大分県由布市は人口約3.4万人、中学校3校(挾間・庄内・湯布院)の自治体です。市は令和3年度設置の検討委員会を経て、令和5年度に「由布市学校部活動の地域移行へ向けた連携協議会」を年3回(8/30、12/18、2/28)開催し、市基本方針を策定しました。令和6年度からは挾間中学校区において総合型スポーツクラブHASAMAが受け皿となり、バドミントン部から地域クラブ活動を先行スタート。令和8年度からの休日における全市地域移行に向け、3校区へ段階的に拡大する計画です。総括コーディネーター(元教師・令和5年4月委嘱)が学校・スポーツクラブ・指導者間の調整役を担います。

特徴的な取り組み

  • 小学生アンケートで「校区外でも入りたい部活がある」134名を可視化: 小学校4〜6年生アンケートで「入りたい部活動がない」と235名が回答。さらに「校区外の中学校に希望する種目の部活動があったら入りたいか」の問いには134名が「入りたい」と答え、地域クラブのニーズを定量的に提示。中学1・2年生アンケートでも93名が校区外参加を希望し、地域移行の必要性を関係者で共有。
  • 総括コーディネーター+地域コーディネーター2層体制: 令和5年度は元教師1名を総括コーディネーターとして配置。指導者への複数回訪問で地域移行の土台となる関係性を構築。令和6年度からは地域コーディネーターを追加配置し、各中学校区ごとに連絡体制を構築する2層体制へ進化。
  • 「由布市部活動指導員・外部指導者合同研修会」を年2回実施: 令和5年5月1日と令和6年3月9日の2回開催。部活動指導員・外部指導者の在り方、熱中症対策、心肺蘇生法等の研修を実施。研修受講を地域クラブ認定の前提にすることで、指導者の質を担保。
  • 挾間モデルから3校区へ段階拡大: 庄内町・湯布院町は受け皿未定の状態だが、令和6年度のHASAMAの取組を参考に「指導者の確保」「指導者派遣・管理」「活動場所の確保・支払い」のシステムを構築し、令和7年度以降に庄内・湯布院へ拡大する流れを設計。

課題と解決策

課題 解決策
校区外の中学校に希望部活がない児童・生徒が多数(小学生134名・中学生93名) 連携協議会で「校区を越えた地域クラブ参加」を方針化。挾間中拠点で先行開始
庄内町・湯布院町は受け皿となる総合型クラブが未整備 HASAMAの令和6年度実績を参考に令和7年度以降へ段階拡大。総括+地域コーディネーターで連絡体制構築
地域移行した際の月謝(年29,600円)と送迎の保護者負担 家庭の経済状況に応じた予算措置の必要性を協議会で議論。令和6年度以降に検討継続
指導者の質保証と継続的な確保 合同研修会を年2回義務化(熱中症・心肺蘇生・指導者の在り方)。指導継続意向は「可能」4名・「条件次第」5名と確認

成果・効果

令和5年度の連携協議会3回開催で由布市基本方針を策定し、令和6年4月からのバドミントン部地域クラブ移行が確定しました。当初見込みより移行クラブ数は減少したものの、総合型スポーツクラブHASAMAという受け皿が確定したことで、令和8年度からの全市地域移行へのロードマップが明確化。指導者アンケートでは現指導者9名のうち4名が「地域移行後も継続指導が可能」、5名が「条件次第で可能」と回答し、人材確保の継続性に一定の見通しを得ました。

出典

→ 原文: 大分県・令和5年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 成果報告書(スポーツ庁)

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

由布市の事例で参考になるのは、「ニーズ調査の数値」を地域移行の起点にしている点です。多くの自治体は「教員の負担軽減」を地域移行の説明軸に置きがちですが、それは大人側の論理であり、生徒・保護者からは「自分たちの部活を奪われる」という被害感情を招きやすい構造があります。由布市は逆に、小学生に「入りたい部活がない(235名)」「校区外でも入りたい(134名)」というニーズを問い、生徒側の不満を可視化することで、「地域クラブは選択肢を増やす取組」というポジティブな位置づけを成立させています。

もう一つ重要なのが、「1校区先行・3校区段階拡大」という現実的な設計です。中学校3校という小規模自治体でも、3校同時の地域移行は受け皿団体の負担が重すぎます。挾間町(HASAMAあり)から先行し、庄内・湯布院は1〜2年遅れで追従という時間差設計は、人口3〜5万人規模の自治体が無理なく地域移行を進めるテンプレートとして応用可能です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

由布市の年会費29,600円は、月額に換算すると約2,500円で全国平均と同水準ですが、保険料を含めると年30,000円超の保護者負担となります。連携協議会でも「家庭の経済状況に応じた予算措置の必要性」が議題に上がっています。導入を検討する自治体は、就学援助受給世帯への補助制度(例:生駒市の年25,500円助成、新居浜市の段階的減免)を最初から制度設計に組み込むことで、参加格差を防ぐことを推奨します。また、由布市のように受け皿が1町に集中し他町未整備の状況では、「拠点校への移動手段」が次の課題になります。湯布院・庄内の生徒が挾間まで通うには車で20〜30分かかるため、保護者送迎前提の運用は持続性に課題が出ます。先行町モデルの拡大過程で、JR・路線バス活用や送迎補助制度を併せて整備しておくことが重要です。

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