トップ 事例を探す 山梨県 【事例】山梨県甲府市の部活動地域展開 ─ 3年で15種目を段階展開・令和8年度実施分は市負担無料のポータル一元管理モデル
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 山梨県

【事例】山梨県甲府市の部活動地域展開 ─ 3年で15種目を段階展開・令和8年度実施分は市負担無料のポータル一元管理モデル

公開:2026.04.28 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・令和6〜8年度の3年計画で3種目から15種目へ段階拡大し、年次ごとにノウハウを積み上げる「フェーズ制」を採用
・令和8年度実施の7種目は市費負担で参加費ゼロとし、経済的背景に関わらず参加できる環境を整備
・参加申込・指導者登録・お知らせをポータルサイトで一元化し、デジタル化による運営効率化を実現

自治体名 山梨県甲府市
人口規模 約18万5千人(令和5年国勢調査)
中学校数 16校(市立)
運営形態 地域クラブ活動(1クラブ最大40人・指導者2名)・市内4地区分割方式
対象競技 令和6年度:剣道・バレーボール・バスケットボール(3種目)/令和7年度:+サッカー・テニス・ソフトテニス・柔道・野球(計8種目)/令和8年度予定:+陸上・卓球・ハンドボール・ソフトボール・バドミントン・ラグビー・吹奏楽(計15種目)
保護者負担額 令和8年度実施種目は市費負担(無料)。令和6〜7年度の負担額は調査時点で未公表。

取り組みの概要

甲府市は少子化による生徒数の減少と教員の過重負担に対応するため、令和6年度から「地域クラブ活動」への段階的な展開を開始しました。3年計画で令和6年度3種目、令和7年度8種目、令和8年度15種目と年次を重ねるごとに種目を拡大していく「フェーズ制」を採用しています。1クラブあたり最大40人・指導者2名を基本とし、参加人数に応じて市内を1〜4地区に分けて活動します。令和8年度から実施する7種目については費用を市が負担し生徒の参加を無料とする方針を打ち出しており、費用面での参加障壁を排除する姿勢を示しています。

特徴的な取り組み

  • 3年・15種目フェーズ制展開: 令和6〜8年度の3年間で剣道・バスケット・サッカーなど運動部15種目と吹奏楽をカバーする計画。種目ごとに成熟したタイミングで展開するため移行品質を確保。
  • 市費負担(令和8年度種目は無料): 令和8年度に新規実施する7種目については保護者の費用負担をゼロにする方針。経済的に多様な家庭でも安心して参加できる環境を設計。
  • 地域展開ポータル一元管理: 「甲府市地域クラブ活動ポータル」を設け、参加申込・指導者登録・お知らせをオンラインで一元化。保護者・生徒・指導者の利便性を向上し、運営の効率化を実現。

課題と解決策

課題 解決策
種目数の急増に伴う指導者確保 ポータルサイトで指導者登録を常時受け付け、種目ごとの需給バランスを可視化して計画的に確保
市内複数地区への均等展開(地域格差) 参加人数に応じて1〜4地区に分割し、地区ごとの参加者数を40人以内に収めることでクラブの均質化を維持
保護者負担への懸念 令和8年度実施種目は市費負担(無料)として参加障壁を撤廃。段階的に無料化の対象を拡大する方針を検討中

成果・効果

令和6年度から剣道・バレーボール・バスケットボールの3種目で地域クラブ活動を開始し、翌令和7年度にはサッカー・テニス・ソフトテニス・柔道・野球を追加。2年間で8種目の地域クラブ活動体制を整備しています。令和8年度にはラグビー・吹奏楽を含む7種目を追加し、計15種目をカバーする計画です。ポータルサイトを通じた一元管理により参加申込のデジタル化が進み、運営コストの削減と利便性向上の両立が図られています。

出典

→ 原文: 甲府市地域クラブ活動ポータルサイト(甲府市)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

甲府市の取り組みは、令和6年度3種目・令和7年度8種目・令和8年度15種目という「フェーズ制」を中心とした設計が特徴です。1年目に剣道・バレーボール・バスケットボールの3種目で運営ノウハウを蓄積し、翌年度に5種目を追加する積み上げ方式により、各年度の課題を次の展開に反映する構造が組み込まれています。クラブ規模は1クラブ最大40人・指導者2名を基本とし、参加人数に応じて市内を最大4地区に分割することで、地域ごとのクラブを均質に維持する体制をとっています。令和8年度から新規実施する7種目については費用を市が負担し保護者の参加費をゼロとする方針を掲げており、経済的な参加障壁を排除する設計としています。さらに「甲府市地域クラブ活動ポータル」を設け、参加申込・指導者登録・お知らせをデジタルで一元管理することで、保護者・生徒・指導者の利便性向上と運営効率化を同時に図っています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

保護者負担の無料化方針は、費用面での参加促進策として際立った特徴を持つ。磐田市が月2,000円、橿原市が月1,000円の参加費を設定しているのと対照的に、甲府市は令和8年度実施種目について費用を市が全額負担する方針を打ち出している。ポータルサイトによる一元管理については、枚方市がICTを活用した運営を展開しているが、甲府市は参加申込・指導者登録・お知らせを一つのポータルに集約する形で独自の仕組みを設計している。3年間で15種目に段階展開するフェーズ制は、全種目を一括移行せず年次ごとに検証・改善を繰り返す点で、規模の異なる自治体が計画設計の参考にしやすいモデルとなっている。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

この取り組みを他地域が参照する際は、「3年・15種目」という規模そのものより「年次ごとに種目数を絞り、翌年度に拡大する」という設計思想に着目することが重要です。人口や学校数、既存スポーツ団体の状況に合わせて種目数や期間は調整できます。ポータルサイトの構築も既存の申込管理ツールで代替できるため、大規模なシステム投資は必須ではありません。市費負担による無料化は財源確保が前提となるため、補助制度や協賛収入との組み合わせを視野に入れた財政設計が求められます。

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