トップ 事例を探す 福岡県 【事例】福岡県久留米市の部活動地域展開 ─ 5年計画でモデル部活動を4ステージ拡大・隣接校合同部活動から「くるめ地域部活動」へ段階移行する筑後の中核市モデル
全種目 👥 30万人以上 🏫 大規模校(300人以上) 📍 福岡県

【事例】福岡県久留米市の部活動地域展開 ─ 5年計画でモデル部活動を4ステージ拡大・隣接校合同部活動から「くるめ地域部活動」へ段階移行する筑後の中核市モデル

公開:2026.05.10 更新:2026.05.10
この記事でわかること

・令和6〜10年度の5年計画。国の3年間より2年長い独自設定
・4ステージ段階拡大で「合同部活動→地域クラブ」へ移行
・生徒満足度86%・教員負担感75%の両立を長期で解決

自治体名 福岡県久留米市
人口規模 約30万人(中核市)
中学校数 市立中学校(14歳人口は2016年→2028年で約700人減=30%減の予測)
運営形態 久留米市教育委員会主導/第1段階「隣接校合同部活動」→第2段階「くるめ地域部活動(学校以外の団体運営)」へ段階移行
対象競技 令和6年度モデル:サッカー・ソフトボール・バレーボール(男女)/令和7年度モデル:軟式野球・バスケットボール(男女)/令和11年度から全部活動
保護者負担額 くるめ地域部活動移行後は保護者負担(会費等)。リーフレット段階では金額は明示せず、移行に合わせて設定

取り組みの概要

福岡県久留米市は、人口約30万人の中核市として、休日の部活動地域移行を令和6年度〜令和10年度の5年間を「改革推進期間」として設定し、段階的に進めている。国の改革推進期間は令和5年度〜令和7年度の3年間(令和8年度以降は「改革実行期間」に切り替わる)だが、久留米市は独自に令和10年度までを推進期間とし、より長い時間軸で着実な移行を目指す方針を明確化している。

移行プロセスは2段階で設計されている。第1段階は「隣接校合同部活動」で、休日の学校部活動を複数校合同で実施し、教職員が交代制で指導する移行準備期間。第2段階は「くるめ地域部活動」で、学校以外の団体が運営する地域クラブ活動として再構築する。これにより、学校部活動が大切にしてきた教育的意義を継承・発展しつつ、円滑な地域展開を実現する設計となっている。

特徴的な取り組み

  • 5年計画+4ステージのモデル部活動拡大: 令和6年度モデル(サッカー・ソフトボール・バレーボール男女)から始まり、令和7年度モデル(軟式野球・バスケットボール男女)、令和8年度以降に第3・第4ステージ(各4部活動程度)と段階拡大する明確なロードマップ。
  • 「合同部活動→地域クラブ活動」の2段階移行: 第1段階は教員交代制での休日合同部活動(移行準備期間)、第2段階で学校以外の団体運営による地域クラブ活動へ。各ステージで合同部活動期間を1.5年〜2年程度確保し、引継ぎを丁寧に実施。
  • 「くるめ地域部活動」というブランド名: 単なる「地域クラブ活動」ではなく「くるめ地域部活動」という独自ブランドで展開し、市民・保護者への訴求力を高める設計。
  • 大規模アンケートで現状把握: 令和6年1月12日〜22日に実施したアンケートで、生徒満足度86%(福岡県平均72%)・保護者満足度70%(同66%)・教員75%が休日部活動に負担感(同50%)と、満足と負担の両極を可視化。
  • 令和11年度に全部活動の休日地域展開を目標: 地域クラブの整備や十分な引継ぎができた部活動から地域クラブも選択できる期間とし、令和11年度から全部活動での休日地域展開を実現する明確なゴール設定。

課題と解決策

課題 解決策
14歳人口の30%減(2016年→2028年で約700人減)に伴う部員不足・部活動存続困難 隣接校合同部活動で複数校の生徒を合流させ、競技人数を確保。休日合同活動から段階的に地域クラブへ移行
休日部活動に負担感を感じる教員が75%(福岡県平均50%より高い) 合同部活動での教員交代制を導入し、負担を分散。地域クラブ活動への完全移行に向けた段階整備
運営団体・指導者の確保(リーフレットで主な課題として明示) 総合型地域スポーツクラブ・スポーツ少年団・体育協会競技団体・民間事業者・文化芸術団体・地域学校協働本部など多様な実施主体を想定し、種目ごとに適切な団体と協議
会費等の保護者負担への懸念 令和6〜7年度のモデル部活動段階で実態を踏まえつつ、令和8年度以降の地域クラブ活動への移行時に費用設定を整備
移動手段の確保・活動場所の確保 地域施設・学校施設の双方を活動場所として活用。隣接校合同という設計により移動距離を抑制
継続指導したい教員(約20%)の活動機会確保 「休日に指導を希望する教師が指導を行うことができる仕組みの構築」を明確に位置付け、教員兼職兼務の道を確保

成果・効果

令和6年度モデル部活動(サッカー・ソフトボール・バレーボール男女)は、令和6年7月から合同部活動として開始され、令和8年3月以降に「くるめ地域部活動」へ移行する2段階スケジュールで進行。令和7年度モデル(軟式野球・バスケットボール男女)は令和7年7月から合同部活動を開始し、令和9年3月以降に地域クラブ活動へ移行する。

令和6年1月のアンケート結果では、生徒の86%・保護者の70%が現在の部活動に満足している一方、教員の75%が休日部活動に負担感を感じており、満足度を維持しつつ教員負担を軽減する両立が課題として明確化された。久留米市はこの「満足と負担の両立」という難題に対し、5年×4ステージという長期段階展開で解こうとしている。

出典

→ 原文: 久留米市の休日の部活動地域移行の取組(久留米市公式)

→ 原文: 久留米市立中学校における休日の部活動地域移行リーフレット(久留米市教育委員会)

→ 原文: 久留米市教育部学校教育課 お知らせ(久留米市公式)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

久留米市は人口約30万人の中核市として、休日の部活動地域移行を令和6年度〜令和10年度の5年間を「改革推進期間」と位置付けて段階的に進めている。国の改革推進期間(令和5年度〜令和7年度の3年間)よりも2年長い独自スケジュールを設定し、引継ぎ期間を充実させて円滑な地域展開を実現する設計とした点が特徴である。移行プロセスは2段階構成で、第1段階「隣接校合同部活動」では複数校合同で休日部活動を実施し教職員が交代制で指導、第2段階「くるめ地域部活動」では学校以外の団体運営による地域クラブ活動へ再構築する。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

4ステージ拡大方式が導入されている点も注目される。令和6年度モデルとしてサッカー・ソフトボール・バレーボール男女の3種目から開始し、令和7年度モデルで軟式野球・バスケットボール男女を追加、令和8年度以降に第3・第4ステージへと段階的に拡大する明確なロードマップが描かれている。各ステージは「合同部活動1.5〜2年→地域クラブ活動移行」という共通フォーマットで運用されるため、後続ステージは先行ステージの知見を踏まえて進められる。豊中市の「拠点校方式部活動」と同様、独自ブランド名「くるめ地域部活動」で訴求力を高めている。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

令和6年1月のアンケートでは、生徒満足度86%(県平均72%)・保護者満足度70%(同66%)と高い水準を示す一方、教員の75%が休日部活動に負担感を抱えており(同50%)、満足と負担の両極が可視化された。久留米市はこの両立という難題に対し、5年×4ステージという長期段階展開で応えようとしている。

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