【事例】岐阜県羽島市の部活動地域展開 ─ 3総合型クラブ連携で「スポーツクラブ840」を設立
・3クラブが独自ブランドを保ちながら上位法人に統合し、運営・経理ルールを一元化する「緩やかな統合」を採用した。
・ワールド・カフェ形式の意見交換会に自治会等も参加させ、改革を地域全体の課題として議論する場を設けた。
・合同チームが県大会上位に進出し、地域移行後も競技力を維持・向上できることを具体的な実績で示した。
| 自治体名 | 岐阜県羽島市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約66,200人(令和7年7月時点) |
| 中学校数 | 5校 |
| 運営形態 | 一般財団法人スポーツクラブ840(3総合型地域スポーツクラブの上位組織) |
| 対象競技 | 全種目(市内全ての地域クラブ活動を包括的に運営) |
| 保護者負担額 | 不明(調査時点で未公表) |
取り組みの概要
岐阜県羽島市では、少子化が進む中でも市内全ての子供たちに十分な選択肢を用意するため、3つの総合型地域スポーツクラブが連携強化を推進してきました。「はしまモアスポーツクラブ」「はしまなごみスポーツクラブ」「はしま南部スポーツ村」の3クラブが各中学校ごとに地域クラブ活動の運営を担っていましたが、少子化の影響で生徒数が少ない学校では選択肢の充実が困難でした。令和元年度から部活動改革の検討を開始し、令和3年4月に「はしまなごみスポーツクラブ」が先行して地域クラブ活動を開始。令和6年10月、3団体が連携した上位組織「一般財団法人スポーツクラブ840」を設立し、令和7年4月から市内全ての休日部活動を地域クラブ活動へ移行しました。
特徴的な取り組み
- 3総合型クラブ連携による上位組織の設立: 各クラブの役員が中心メンバーとなり、一般財団法人スポーツクラブ840を設立。単なる団体間の連携ではなく、新法人を立ち上げることで運営業務や経理業務のルール・マニュアルを一元化し、スムーズな運営を実現した。
- 意見交換会による合意形成: 1回60〜70名が参加するワールド・カフェ形式の意見交換会を開催。指導者だけでなく、自治会等にも参加を呼びかけ、クラブの垣根を越えた連携の場として機能させた。
- 中学校区を越えた選択肢の提供: スポーツクラブ840の設立により、中学校区にかかわらず市内の中学生が全ての地域クラブ活動に参加できる体制を実現。単独でサッカー部のチーム編成ができない学校の生徒を統合し、市内合同チームを結成して県大会上位の成績を収めるなどの成果を生んだ。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 少子化により生徒数が少ない学校では、単独でチームを編成できず選択肢が限られた | 3クラブの上位組織が市全体を管轄することで、学校区を越えた合同チーム編成が可能に |
| 各クラブが独立して運営しており、調整・連携を推進・統括する新たな組織が必要だった | 外部コンサルタントの意見も取り入れ第三者視点・客観的データを提示しながら3団体の合意を形成。一般財団法人を設立して業務ルールを一元化 |
| 指導者の発掘と育成が継続課題であり、新たな指導者のさらなる育成が必要 | クラブを卒業した生徒が指導者として戻ってくる循環が生まれており、人材育成の仕組みとして期待 |
成果・効果
令和7年4月から市内全中学校の休日部活動を地域クラブ活動へ移行し、中学校区にかかわらず市内の中学生が全ての地域クラブ活動に参加できる体制が実現しました。少子化が進む学校においても子供たちの選択肢を広げることができ、陸上競技部がない学校の生徒が市内の陸上競技クラブで取り組み、駅伝の県大会に出場するなどの成果も生まれています。また、スポーツクラブ840の設立により、部活動改革を含めた地域全体のスポーツ環境について、市民が自分事として考えられる新たなコミュニティが形成されました。
出典
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