【事例】茨城県守谷市の部活動地域展開 ─ クラウドファンディング×合同会社による新しい地域クラブ運営モデル
この記事でわかること
・ガバメントクラウドファンディングで90日・237名・569万円を調達し、資金と市民支持を同時に可視化した。
・スポーツ協会と民間事業者の合同会社形態が、行政依存リスクと収益偏重リスクを相互に補完する体制を構築した。
・初年度に参加会費を徴収せず、移行期の参加ハードルを下げて4校・7種目のクラブ活動を立ち上げた。
| 自治体名 | 茨城県守谷市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約6万9千人(2023年時点) |
| 中学校数 | 4校 |
| 運営形態 | 合同会社MSCC(市スポーツ協会+複数民間事業者による合同会社) |
| 対象競技 | 柔道・バドミントン・ソフトテニス・卓球・ハンドボール・サッカー・バスケットボール(7種目) |
| 保護者負担額 | 参加会費:徴収なし(令和5年度) |
取り組みの概要
茨城県守谷市(人口約7万人)は、令和5年7月から地域クラブ活動「MSCC(Moriya Sports & Culture Club)」を立ち上げ、中学生の部活動地域移行を開始しました。MSCCは守谷市スポーツ協会が中心となり、複数の民間スポーツ事業者と共同で設立した合同会社です。特筆すべきは、初期資金調達にガバメントクラウドファンディング(ふるさと納税型)を活用したこと。90日間の募集で237名から約569万円を調達し、地域の関心と支援を可視化しながら事業をスタートさせました。
特徴的な取り組み
- ガバメントクラウドファンディングによる資金調達:ふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディングで90日間に237人から5,691,000円を調達。資金確保と同時に「地域で子どもの活動を支える」という市民の意識醸成にも寄与しました。
- スポーツ協会×民間事業者の合同会社モデル:行政直営でも純民間委託でもなく、市スポーツ協会と民間事業者が共同出資する合同会社という第三の形態を選択。協会の地域ネットワークと民間の経営ノウハウを組み合わせた持続可能な運営体制を目指しています。
- 7種目からのスタートと段階的拡充:柔道・バドミントン・ソフトテニス・卓球・ハンドボール・サッカー・バスケットボールの7種目でスタート。需要と指導者確保の状況を見ながら種目を順次追加していく方針です。
- 会費徴収なしの初年度設計:令和5年度は参加会費を徴収せず、クラウドファンディングと市補助金で運営。参加ハードルを下げて移行期の生徒定着を図りました。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 地域クラブ活動の初期資金と市民認知の獲得 | ガバメントクラウドファンディングで569万円調達。支援者数も可視化されて市民の関心を喚起。 |
| 運営組織の持続可能性と専門性の確保 | スポーツ協会×民間事業者の合同会社形態を採用。行政依存リスクと民間の収益偏重リスクを相互に補完。 |
| 移行初年度の生徒・保護者の不安軽減 | 会費徴収なしとし、参加しやすい環境を整備。既存部活動との並行期間を設けて段階的に移行。 |
成果・効果
令和5年7月の開始以降、4校の中学生が7種目の地域クラブ活動に参加しています。ガバメントクラウドファンディングでは237名という個人寄付者を集め、市民の支持基盤を可視化することができました。スポーツ協会と民間事業者の協働体制により、種目ごとの専門指導者確保が進んでおり、段階的な種目拡充に向けた基盤が整いつつあります。
出典
→ 原文: スポーツ庁「令和5年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 運動部活動の地域移行等に向けた実証事業事例集」(2024年)
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