トップ 事例を探す 福岡県 【事例】福岡県飯塚市の部活動地域移行 ─ 中学校10校・運動12種目+文化9種目・調査研究段階・できるところからモデル
全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 福岡県

【事例】福岡県飯塚市の部活動地域移行 ─ 中学校10校・運動12種目+文化9種目・調査研究段階・できるところからモデル

公開:2026.05.11 更新:2026.05.20
この記事でわかること

・運動12種目・文化9種目を対象に明示し、パソコンや英会話など現代的種目まで含めた幅広い設計
・「できるところから・できるタイミングで」と時期を明示せず、受け皿調整を最優先する現実路線
・「子どもたちファースト」原則を市公式HPで明文化し、教員働き方改革のみが目的でないと明示

自治体名 福岡県飯塚市
人口規模 約12万人(筑豊地域の中心都市)
中学校数 市立中学校10校(令和6年5月現在)
運営形態 飯塚市中学校部活動地域移行検討委員会主導/受け皿地域団体との調整段階
対象競技 運動部12種目(陸上・サッカー・卓球・剣道・柔道・バレーボール・バスケットボール・軟式野球・ソフトテニス・ソフトボール・水泳・駅伝)/文化部9種目(吹奏楽・美術工芸・パソコン・茶道・書道・放送・英会話・ペッパー・家庭科)
保護者負担額 検討委員会で運営団体・受け皿団体との調整を継続中

取り組みの概要

福岡県飯塚市は人口約12万人、筑豊地域の中心都市で、市立中学校10校を擁します。市教育委員会は令和4年度に国が示した部活動改革の方針に従い、「飯塚市中学校部活動地域移行検討委員会」を設置して地域連携・地域クラブ活動への移行に向けた調査研究を進めています。市内の中学校では運動部12種目(陸上・サッカー・卓球・剣道・柔道・バレーボール・バスケットボール・軟式野球・ソフトテニス・ソフトボール・水泳・駅伝)と文化部9種目(吹奏楽・美術工芸・パソコン・茶道・書道・放送・英会話・ペッパー・家庭科)が活動しており、これらを順次地域移行する方針です。現時点では具体的な移行時期は未確定で、「受け皿となり得る地域団体との調整等が整い次第、できるところから『できるタイミングで』実施」という慎重段階のアプローチを取っています。

特徴的な取り組み

  • 運動12種目+文化9種目の幅広い対象設定: 移行対象を運動部だけでなく、吹奏楽・美術工芸・パソコン・茶道・書道・放送・英会話・ペッパー・家庭科という多様な文化部9種目まで明示。文化部活動を含む地域移行を視野に入れた設計。
  • 「できるところから・できるタイミングで」という現実主義路線: 一斉移行や年度限定スケジュールを明示せず、受け皿地域団体との調整が整った種目・地域から順次実装する柔軟設計。性急な完全移行で運営破綻するリスクを回避。
  • 子どもファースト原則を明文化: 「子どもたちファーストであることを念頭におき、将来にわたり生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保する」という原則を市公式ホームページで明示。教員の働き方改革のみを目的としない包括的設計。
  • 受け皿団体との調整を移行前提条件に明示: 「受け皿となり得る地域団体との調整等が整い次第」という条件を明示することで、無理な移行スケジュールを避け、地域団体との合意形成を最優先する設計を実装。
  • パソコン・英会話・ペッパー(プログラミング)等の現代的文化部も対象: 茶道・書道・放送など伝統的文化部に加え、パソコン・英会話・ペッパー(ロボット)・家庭科といった現代的種目も地域移行対象に含めることで、生徒の多様な興味に対応する設計。

課題と解決策

課題 解決策
少子化で部活動加入生徒数が減少し従来体制での運営困難 検討委員会で地域連携・地域クラブ移行のあり方を継続調査研究
運動12種目・文化9種目という幅広い種目の受け皿確保 「できるところから・できるタイミングで」段階移行とし、地域団体との調整が整った種目から順次実装
移行時期の早期明示で性急な制度設計に陥るリスク 具体的時期を明示せず、「現時点で時期を明確にお示しできません」と公式に明言。慎重なロードマップ運用
文化部(パソコン・英会話・ペッパー等)の地域受け皿確保 運動部と文化部を等しく対象にし、地域の文化団体・専門業者・学習塾等との連携を視野に検討
「働き方改革優先」「生徒利益軽視」批判への対応 「子どもたちファースト」原則を明文化し、教員負担軽減のみを目的としない包括的設計を明示

成果・効果

飯塚市は令和4年度に検討委員会を設置し、運動12種目+文化9種目という幅広い対象を明示。現時点では具体的な移行時期は未確定ですが、「子どもたちファースト」「できるところから・できるタイミングで」という慎重原則を公式に明文化し、無理な移行スケジュールで現場・地域団体・保護者を疲弊させない設計を実装しています。中核市規模10校での地域移行準備は、受け皿団体との調整を最優先する現実主義路線として、性急な制度導入で運営破綻した自治体への警鐘でもあります。

出典

→ 原文: 中学校部活動の地域移行について(飯塚市公式)
→ 関連: 中学校部活動の地域移行について(飯塚市学校教育課)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

飯塚市は人口約12万人、市立中学校10校を擁する筑豊地域の中心都市です。令和4年度に「飯塚市中学校部活動地域移行検討委員会」を設置し、運動部12種目と文化部9種目を地域移行の対象として明示しました。この取り組みでは移行時期を明示せず、「受け皿となり得る地域団体との調整等が整い次第、できるところから『できるタイミングで』実施」という段階的アプローチが採用されています。文化部にはパソコン・英会話・ペッパー・家庭科といった現代的種目も含まれており、生徒の多様な興味に対応する幅広い設計が組まれています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

飯塚市が直面する課題は、少子化による部活動加入生徒数の減少と、運動12種目・文化9種目という幅広い種目の受け皿確保です。この取り組みでは「子どもたちファーストであることを念頭におき、将来にわたり生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保する」という原則を市公式ホームページで明文化しています。教員の働き方改革のみを目的とせず、地域団体との合意形成を最優先する設計を採ることで、性急な完全移行で運営破綻するリスクを回避しています。文化部を運動部と等しく対象に含めることで、「文化部は後回し」という構造的バイアスを防ぐ設計です。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

飯塚市の「できるところから・できるタイミングで」モデルは、改革推進期間内に無理な完全移行を強いる方針を取らず、種目別・地域別に受け皿団体との合意形成を優先する設計です。同じ福岡県内の大野城市春日市でも地域団体との連携が進められており、慎重に段階移行を進める自治体にとって参考になる事例です。

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