【事例】福岡県糸島市の部活動地域展開 ─ 公募型プロポーザルによる民間委託と「土日祝→平日→完全移行」の段階方針
・糸島市が公募型プロポーザルでリーフラス株式会社を選定した民間委託方式の全体像
・「土日祝→平日→完全移行」と到達点を明言した段階的移行方針
・志摩中モデル校の指導員配置と、継続希望教員も活かす立ち上げ期の指導力確保策
| 自治体名 | 福岡県糸島市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約10.4万人(令和8年6月30日現在・市公式) |
| 中学校数 | 6校(前原中・前原東中・前原西中・二丈中・福吉中・志摩中) |
| 運営形態 | 民間委託方式。公募型プロポーザルで運営業務の受託候補者にリーフラス株式会社を選定(糸島市教育委員会が公表) |
| 対象競技 | 公式に未公表(志摩中モデル校は運動部11名+吹奏楽部1名の指導員を配置) |
| 保護者負担額 | 調査時点で未公表 |
取り組みの概要
糸島市は、国の部活動地域展開方針を受け、令和7年度に「中学校部活動地域展開」を本格的に推進しています。市が平成30年に策定した部活動ガイドラインでは、土日休みなしの部活動が約3割、部活動未経験の顧問が5割超、顧問の負担感を感じる教員が約7割という現状課題が示されており、これらの解消が移行の動機となっています。市は令和7年9月頃に運営業務委託の公募型プロポーザルを公示し、令和8年6月5日に受託候補者としてリーフラス株式会社を公表しました。方針としては、まず土・日・祝日の部活動を地域展開し、可能であれば平日も検討、最終的には部活動から教員を外して地域に完全移行することを目指しています。休日はスポーツクラブの指導員が指導を担い、平日の顧問教員と連携する体制が想定されています。
特徴的な取り組み
- 公募型プロポーザルによる民間委託方式: 運営業務委託の受託候補者を公募型プロポーザルで選定し、リーフラス株式会社を選びました。運営ノウハウを持つ事業者に委託することで、6校の地域展開を一体的に進める体制を採っています。
- 「土日祝→平日→完全移行」の段階的方針: 全校一律ではなく、まず休日の部活動を地域展開し、可能であれば平日にも広げ、最終的に教員を部活動から外して地域へ完全移行するという段階を、教育委員会会議録で明確に示しています。
- 志摩中学校のモデル校方式: 志摩中学校をモデル校として運動部11名・吹奏楽部1名の計12名の部活動指導員を配置し、市内6中学校には計18名の指導員を配置して他校展開の足がかりとしています。
- 継続を希望する教員も指導者として活用: 地域人材だけに頼らず、市内スポーツ団体(スポーツ協会・スポーツ少年団・スポーツ推進委員)との連携に加え、継続指導を希望する現職教員も指導者として位置付ける設計です。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 指導員の確保(地域に十分な人材がいるかという実情) | 市内スポーツ団体との連携強化と、継続指導を希望する現職教員の活用を組み合わせる |
| 保護者の不安(大会引率が指導員のみになるのか等) | 平日の顧問教員と休日の地域指導員が連携する体制を重視 |
| 顧問の負担(未経験顧問5割超・負担感7割という現状) | 運営を民間委託し、休日はスポーツクラブ指導員が指導を担う体制へ移行 |
成果・効果
糸島市の地域展開は受託候補者の選定を終え、令和8年度から運営委託による本格実施に入る初期段階です。そのため対象競技・参加者数・保護者負担額・移行後の成果数値はまだ公表されていません。確認できる定量データは移行前の現状値(部活動数100・複数顧問配置71・部活動指導員18名など)にとどまります。人口10万人規模・中学校6校というコンパクトな市が、民間委託と段階的移行を組み合わせてどのように教員負担の軽減と生徒の活動機会の確保を両立させるか、令和8年度以降の運営実績が注目されます。
出典
→ 原文: 糸島市中学校部活動地域展開等運営業務委託に係る公募型プロポーザルの審査結果について(糸島市公式)
→ 原文: 糸島市教育委員会 定例会 会議録(糸島市公式)
→ 原文: 糸島市 部活動の在り方に関するガイドライン(PDF・糸島市教育委員会)
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