トップ 事例を探す 新潟県 【事例】新潟県上越市の部活動地域展開 ─ 受益者負担を基本とした16競技41団体による段階的移行
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【事例】新潟県上越市の部活動地域展開 ─ 受益者負担を基本とした16競技41団体による段階的移行

📅 公開:2026.04.11 🔄 更新:2026.04.11
この事例のポイント

新潟県上越市は22校・126部活・16種目を対象に、受益者負担を基本とした地域クラブ活動への段階的移行を推進。令和6年2月時点で16競技41団体が登録し、地域クラブフェアや丁寧なニーズ調査を通じて生徒・保護者の参加意欲を高めている。

自治体名 新潟県上越市
人口規模 約18.3万人(令和5年度時点)
中学校数 22校
運営形態 市区町村運営型(地域団体・人材活用型)/上越市教育委員会が運営事務局
対象競技 16種目(運動部・文化部126部活)
保護者負担額 参加会費:月額1,000円、保険料:年800円(生徒負担)

取り組みの概要

新潟県上越市では、市内22校・126部活・16種目を対象に地域クラブ活動への移行を進めています。市区町村運営型(地域団体・人材活用型)として、上越市教育委員会が運営事務局を担い、地域の競技団体・スポーツ団体と連携しながら受益者負担を基本とした持続可能なクラブ運営モデルの構築に取り組んでいます。令和5年8月には生徒・保護者・教員を対象としたニーズ調査を実施し、その結果を踏まえた活動内容の設計を行いました。令和6年2月時点で16競技41団体が登録し、段階的に地域クラブ活動の実施体制を整備しています。

特徴的な取り組み

  • 受益者負担を基本としたクラブ運営:参加会費を月額1,000円・保険料を年800円(生徒負担)と設定し、受益者負担の考え方を基本に置いた持続可能な財政モデルを採用。指導者への謝金は1,500円/時間(上越市陸上競技協会はね馬クラブの例)で支給しています。
  • 休日部活動の段階的削減:令和5年度から休日部活動を年間20日以内に制限し、段階的に地域クラブへの移行を促進。「一気に全面移行」ではなく段階的アプローチを取ることで、学校・保護者・生徒への負担を軽減しています。
  • 地域クラブフェアの開催:春秋2回、地域クラブフェアを開催。生徒・保護者が各クラブの活動内容や指導方針を直接確認できる場を設け、クラブ選択の透明性を高めています。
  • ニーズ調査に基づく活動設計:令和5年8月に実施したニーズ調査では、「気軽に参加できる・楽しむことを中心とした活動」を希望する声が全体の約4割を占めた。この結果を踏まえ、勝利至上主義ではなく楽しさ・参加しやすさを重視した活動設計を推進しています。
  • 部活動改革の2軸整理:部活動改革を「学校における部活動改革」と「地域における子どもたちのスポーツ・文化活動の環境整備」の2つとして整理し、学校・地域双方の関係者が共通認識を持って取り組める体制を構築しました。

課題と解決策

課題 解決策
多数の学校・部活動を対象とした地域団体との連携体制の整備 市教育委員会が運営事務局として一元的に調整。16競技41団体(令和6年2月時点)と個別に連携協定を締結し、種目ごとに適切な運営団体を確保
生徒・保護者の地域クラブへの理解促進と参加意欲の醸成 令和5年8月のニーズ調査と春秋2回の地域クラブフェアを通じて、生徒・保護者がクラブの実態を把握できる機会を提供
持続可能な財政モデルの構築 受益者負担(月額1,000円)を基本としつつ、市としての支援との組み合わせで運営コストを確保。指導者謝金も市が支払いを担う体制を整備

成果・効果

令和6年2月時点で16競技41団体が地域クラブとして登録し、市内22校・126部活を対象とした地域移行の基盤が整備されました。休日部活動を令和5年度より年間20日以内に制限することで学校教員の負担軽減が図られ、地域団体との役割分担が明確化されました。ニーズ調査の結果を活動設計に反映したことで、「気軽に参加できる・楽しめる」活動環境の整備が進んでいます。受益者負担を基本とした財政モデルは、長期的に持続可能な地域クラブ運営の土台となっており、全国的な参考事例として注目されています。

出典

→ 原文: スポーツ庁「令和5年度 運動部活動の地域移行等に向けた実証事業 事例集」(令和6年8月)p.29-30