トップ 事例を探す 愛知県 【事例】愛知県豊山町の部活動地域展開 ─ 教委直営で陸上クラブを新設・愛知駅伝参加を目標に未就学児から60歳超が多世代で参加
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【事例】愛知県豊山町の部活動地域展開 ─ 教委直営で陸上クラブを新設・愛知駅伝参加を目標に未就学児から60歳超が多世代で参加

公開:2026.05.03 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・「愛知駅伝」参加目標の設定が未就学児〜60歳超の多世代参加を実現
・町内ランニングチームを活用し、外部招聘コストなしで指導者4名体制を確保
・生涯学習課が兼務でコーディネートし、専任担当不要の小規模自治体モデルを構築

自治体名 愛知県豊山町
人口規模 約15,979人
中学校数 1校(生徒数490名)
運営形態 豊山町教育委員会事務局生涯学習課(地方自治体直営)
対象競技 陸上(長距離走)
保護者負担額 無料(スポーツ安全保険料も自己負担なし)

取り組みの概要

豊山町は愛知県北部に位置する人口約15,979人の小さな町です。公立中学校1校に490名の生徒が在籍し、部活動はサッカー・野球・女子バスケットボール・ソフトボール・男女バレーボール・軟式テニス・男女卓球の7種目9クラブが活動しています。少子化による部員減少と指導者不足が課題となっている中、スポーツ庁の実証事業として令和6年度から地域クラブ活動の整備に取り組みました。

豊山町が新設した地域クラブ活動は「愛知駅伝に向けた練習会」と名付けられた陸上(長距離走)クラブです。運営主体は豊山町教育委員会事務局生涯学習課で、町内で活動するランニングチームの指導者を活用し、監督1名・コーチ1名・サブコーチ2名の計4名体制を整備しました。参加費は無料で、スポーツ安全保険料も参加者自己負担なしという設定です。

このクラブの最大の特徴は参加対象の広さです。中学生だけでなく、未就学児から60歳以上まで多世代が参加できる設計になっており、「愛知駅伝」という地域に根ざした目標を掲げることで、世代を超えた参加動機づけを実現しています。令和7年4月にはプロジェクトチームを始動させ、中学校を含む地域移行全体の方針策定に着手する予定です。

特徴的な取り組み

  • 「愛知駅伝」参加を目標にした多世代型地域クラブの設立:愛知駅伝という具体的な目標を掲げた陸上クラブを新設。未就学児から60歳以上まで参加でき、中学生の部活動地域移行の枠を超えた地域スポーツ活動として機能しています。目標が明確なことで継続的な参加動機を生み出しています。
  • 町内ランニングチームを指導者として活用した低コスト体制:既存の地域資源である町内のランニングチーム(指導者保持者)を活用し、外部からの指導者招聘コストなしで4名体制を整備。地域に根差した指導者が参加することで、継続性の高い体制が構築されています。
  • 生涯学習課コーディネート・学校教育課連携の庁内2課体制:教育委員会内の生涯学習課が地域クラブ全体のコーディネートを担い、学校教育課が部活動指導員の派遣・指導を担う2課連携体制を構築。学校と地域クラブの橋渡し役として機能しています。
  • 多世代参加によるスポーツ少年団との連携モデル:野球部に関しては令和6年度以前から、豊山町スポーツ少年団が中等部として野球部員のみを対象に活動を実施し、部活動の顧問との連携も実現。この少年団連携が豊山町における地域移行のモデルケースとなっています。

課題と解決策

課題 解決策
受け皿として同じ種目の団体がない競技(サッカー・バレー等)の存続 令和7年4月のプロジェクトチーム始動後に種目別の受け皿整備を検討。総合型地域スポーツ・文化クラブ「わくわくくらぶ」との連携も候補の一つとして協議中
「わくわくくらぶ」との種目のミスマッチ(中学部活動と異なる種目中心) 生涯学習推進審議会での検討を継続し、種目拡充や協力体制の整備について生涯学習課が働きかけ
中学校全体の地域移行方針が未策定 令和7年4月に学校関係者を含むプロジェクトチームを発足し、中学校側も含めた方針決定プロセスを整備予定
指導者不足(特に部活動に対応できる専門指導者の確保) 既存の地域ランニングチームを活用し、まず1クラブを軌道に乗せた実績を基に他種目の指導者確保を検討

成果・効果

令和6年度から「愛知駅伝に向けた練習会」として陸上(長距離走)クラブを設立・運営。活動場所は豊山グランドで、令和6年5月から翌3月まで、6〜8月・12〜翌3月は週1回(19:00〜21:00)、9〜11月は週2回という体制で実施しました。未就学児から60歳以上まで幅広い世代が参加し、指導者4名・運営スタッフ4名という最小限の体制で地域クラブ活動を軌道に乗せました。

また、令和6年9月の第1回生涯学習推進審議会、令和7年2月の第2回審議会を経て地域クラブのあり方に関する議論を深め、令和7年4月のプロジェクトチーム始動につなげています。野球ではスポーツ少年団による既存連携モデルを参考に、他種目への地域移行拡大に向けた体制整備を進めています。

出典

→ 原文: 令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 実証事業報告書(愛知県豊山町)|スポーツ庁

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

豊山町は人口約15,979人・中学校1校(生徒490名)の小規模町で、令和6年度から陸上(長距離走)の地域クラブ活動「愛知駅伝に向けた練習会」を教育委員会事務局生涯学習課の直営で開設した。指導者には町内のランニングチームの指導者を活用し、監督・コーチ・サブコーチ計4名体制を整備。参加費・スポーツ安全保険料はともに参加者負担なしとした。活動は豊山グランドで令和6年5月から翌3月まで実施し、未就学児から60歳以上が参加できる多世代型設計を採用。「愛知駅伝」出場という明確な目標を掲げることで、世代を超えた継続的な参加動機を生み出している。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

春日井市が採った全種目一斉移行のアプローチとは対照的に、豊山町は「まず1種目で実績をつくり段階的に拡大する」方針を選んだ。専任担当者を置かず教育委員会の生涯学習課がコーディネートを兼務する体制は、財政規模が小さく人員に余裕のない自治体でも再現しやすいモデルだ。野球ではスポーツ少年団が令和6年度以前から部活動の補完的役割を担っており、その既存連携実績を地域移行の出発点に位置づけている点も特徴的である。令和7年4月のプロジェクトチーム始動後、学校関係者を含む方針策定プロセスを整備し、他種目への展開を本格検討する予定だ。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

サッカー・バレーボール等、同種目の受け皿団体が存在しない競技の扱いが最大の課題となっている。総合型地域スポーツ・文化クラブ「わくわくくらぶ」との種目ミスマッチも指摘されており、生涯学習推進審議会での検討を継続しながら、令和7年4月に発足するプロジェクトチームで種目別の受け皿整備方針を決定する計画となっている。

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