トップ 事例を探す 愛媛県 【事例】愛媛県大洲市の部活動地域展開 ─ 総合型地域スポーツクラブを運営団体とした2類型の認定地域クラブ制度・令和10年夏に休日部活動全廃、令和12年夏に平日含む全廃ロードマップ
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 愛媛県

【事例】愛媛県大洲市の部活動地域展開 ─ 総合型地域スポーツクラブを運営団体とした2類型の認定地域クラブ制度・令和10年夏に休日部活動全廃、令和12年夏に平日含む全廃ロードマップ

公開:2026.05.04 更新:2026.05.04
この記事でわかること

・愛媛県大洲市の地域展開で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 愛媛県大洲市
人口規模 約4.1万人(2020年国勢調査)
中学校数 市内複数校(令和7年度生徒数1,023名、10年後に約600名見込み)
運営形態 市教育委員会が主体的に関与し、①総合型地域スポーツクラブを運営団体とした「学校部活動移行型地域クラブ」と、②地域が自主的に立ち上げ市が認定する「地域立ち上げ型地域クラブ」の2類型で整備。令和5年から「大洲市地域部活動推進協議会」で協議し令和8年3月に推進計画を策定
対象競技 サッカー・軟式野球・バスケットボール・バレーボール・ソフトテニス・卓球・吹奏楽(学校部活動移行型で選定)。地域立ち上げ型は既存活動実績のある団体や新設クラブも対象
保護者負担額 地域クラブの会費・実費、スポーツ安全保険(保護者負担への支援策は引き続き検討中)

取り組みの概要

愛媛県大洲市教育委員会は、令和5年から「大洲市地域部活動推進協議会」を設置し、学識経験者・地域スポーツ団体・学校・保護者代表で協議を重ねてきました。令和8年3月に「大洲市部活動地域展開推進計画」を策定し、令和10年の夏に休日の部活動を全て終了し、令和12年の夏を目標として平日の部活動も終了するロードマップを示しています。

市内中学校生徒数は令和7年度の1,023名から10年後に約600名に減少する見込みで、部員数の減少による学校単独での部活動維持困難、子どもたちの活動選択肢の縮小、教員の大きな負担という4つの課題を「地域全体で支える仕組み」で解決しようとしています。

特徴的な取り組み

  • 2類型の認定地域クラブ制度: 受け皿を「学校部活動移行型地域クラブ」と「地域立ち上げ型地域クラブ」の2種類に整理。前者は市が主体的に関与して総合型地域スポーツクラブを運営団体とし、サッカー・軟式野球・バスケットボール・バレーボール・ソフトテニス・卓球・吹奏楽の7種目を選定して設立を進めます。後者は地域が自主的に立ち上げ市の認定を受ける形式で、既に活動実績のある団体や新設クラブも含まれます。
  • 総合型地域スポーツクラブを運営団体とした体制: 学校部活動移行型では、市教育委員会が総合型地域スポーツクラブを運営団体として設立を進め、委託関係を構築します。総合型地域スポーツクラブが学校との連携・指導者派遣・指導者謝金の支払い・保険の加入支払いなどを担当します。
  • 令和10年夏に休日部活動全廃・令和12年夏に平日含む全廃: 令和8年度を起点に学年別の段階廃止ロードマップを設定。改革実行前期(令和8〜10年度)では令和10年度末に全ての部活動で休日の地域展開を実現し、後期(令和11〜13年度)では平日を含む地域クラブ活動の拡充・持続化を進めます。
  • 人材バンクの創設: 地域の指導者を募集し、登録・育成・マッチングを行う人材バンクの創設を目指します。指導者確保を地域クラブ運営の最重要課題と位置づけ、地域の指導者や関係団体との連携を進めます。
  • 保護者負担への支援策の検討: 大会等への派遣費用の助成・施設使用料の減免など、地域立ち上げ型地域クラブへの必要な支援策を検討するとともに、地域クラブ参加にあたっての保護者負担への支援策も引き続き検討します。

課題と解決策

課題 解決策
令和7年度1,023名の生徒数が10年後に約600名へ減少見込み・部活動の持続困難 令和10年夏に休日部活動廃止、令和12年夏に平日部活動廃止の段階的ロードマップを策定し、早期から地域クラブへの移行準備を開始
既存の総合型地域スポーツクラブの活用と新規クラブ立ち上げの並立が必要 「学校部活動移行型地域クラブ(総合型クラブが運営)」と「地域立ち上げ型地域クラブ」の2類型を設けて柔軟に対応
地域クラブ指導者の確保・育成が困難 市が人材バンクを創設し、地域指導者の募集・登録・育成・学校とのマッチングを担う仕組みを整備
地域クラブ活動参加時の費用負担と経済的格差 大会派遣費用助成・施設使用料減免など支援策を検討し、スポーツ安全保険への加入で事故・怪我への備えを整備

成果・効果

令和5年から設置した「大洲市地域部活動推進協議会」において、学識経験者・地域スポーツ団体・学校・保護者代表が協議を重ね、令和7年度第2回協議会(令和8年2月)では「大洲市の地域展開の方向性」が提言書として取りまとめられ、協議会長が市教育委員会に提出しました。この提言を受けて令和8年3月に「大洲市部活動地域展開推進計画」が策定され、学校部活動移行型地域クラブで扱う7種目(サッカー・軟式野球・バスケットボール・バレーボール・ソフトテニス・卓球・吹奏楽)が特定されるなど、具体的な準備が進んでいます。

出典

→ 原文: 大洲市公式ホームページ スポーツ振興課「中学校部活動の地域展開への取組み」(大洲市教育委員会 令和8年3月)

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

大洲市の最大の特徴は「2類型の認定地域クラブ制度」という設計の明確さです。「学校部活動移行型」(市が主体となり総合型地域スポーツクラブを運営団体として設立)と「地域立ち上げ型」(地域が自主的に立ち上げ市が認定)という2つの経路を設けることで、行政がゼロから全て整備するコストと、既存の地域スポーツ資源を活かすメリットを両立させています。特に「学校部活動移行型」でサッカー・軟式野球・バスケットボール・バレーボール・ソフトテニス・卓球・吹奏楽の7種目を選定した点は、生徒数1,023名の市規模でどの種目を優先すべきかを明示した現実的な判断といえます。

令和10年夏の休日廃止・令和12年夏の平日廃止というロードマップを学年別に示した設計も注目です。「令和8年度に入学した中学1年生が中3の夏に引退する令和10年夏で休日部活動が終了」という学年の推移に沿った説明は、保護者・生徒が「自分はどの世代で影響を受けるか」を直感的に理解しやすい伝え方です。抽象的な「段階的移行」ではなく、現在の小学生が中学校入学時点でどの状況になるかを示したことで、早期からの心理的な準備も促せます。

人口4万人規模の中規模都市で、令和5年から3年間かけて推進協議会を設置・運営し、令和8年3月に具体的な種目・2類型・廃止スケジュールを盛り込んだ計画を策定できたことは、「十分な準備期間があれば中規模都市でもここまで詳細な設計ができる」という点で他自治体への示唆となります。総合型地域スポーツクラブが既に活動している自治体では、大洲市の「学校部活動移行型」として総合型クラブを運営団体化するモデルは特に参考になります。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

大洲市モデルで最も応用しやすいのは「2類型の併用」です。全種目を市主導の新設クラブで賄おうとすると資金・人材・調整コストが膨大になりますが、「行政主導で設立する種目を7種目に絞り込み、残りは地域の自主設立を支援する」という設計は、行政負担を現実的なレベルに収める有効な方法です。総合型地域スポーツクラブを既に持つ自治体であれば、その組織を「運営団体」として指定・委託することで新規法人設立のコストを省くことができます。指導者確保の「人材バンク」も、スポーツ協会や体育協会が既に保有するデータベースと連携すれば立ち上げコストを大幅に抑えられます。

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