トップ 事例を探す 山梨県 【事例】山梨県南アルプス市の部活動地域展開 ─ 推進協議会条例化×公開協議会×文化部代表を含む18人協議会モデル
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 山梨県

【事例】山梨県南アルプス市の部活動地域展開 ─ 推進協議会条例化×公開協議会×文化部代表を含む18人協議会モデル

公開:2026.05.21 更新:2026.05.21
この記事でわかること

・条例による推進協議会の制度化(要綱方式との違い)
・文化協会・文化部顧問代表を含む18人協議会構成
・公開協議会×甲西中学校アンケートの2層コミュニケーション設計

自治体名 山梨県南アルプス市
人口規模 約6.5万人(2024年時点)
中学校数 5校(甲西中学校ほか)
運営形態 条例に基づく推進協議会主導型(18人以内・運動部文化部両領域並行)
対象競技 運動部・文化部両方の地域クラブ活動(種目はR6事業実施報告書で開示)
保護者負担額 非公開(R6アンケート調査で意向把握中)

取り組みの概要

山梨県南アルプス市は、令和5年9月29日に「南アルプス市部活動地域移行推進協議会条例」を公布・施行し、休日部活動の段階的な地域移行に向けた検討体制を制度化しました。教職員の負担軽減と生徒にとって望ましい部活動環境の構築を両軸に据え、令和6年度から実証事業を本格運用しています。令和7年3月13日には公開形式で第2回推進協議会を開催し、R6年度事業実施報告・アンケート調査結果・R7年度の取組について議論しました。市立甲西中学校では1年生保護者を対象に「休日部活動の地域移行に係るアンケート調査」を実施するなど、学校レベルでも実態把握を並行しています。

特徴的な取り組み

  • 条例による協議会の制度化: 「南アルプス市部活動地域移行推進協議会条例」を令和5年9月施行。協議会の所掌事務(仕組みづくり・運営方法・調査・教職員負担軽減)と18人以内の委員構成(識見者・中学校長・スポーツ協会・文化協会・保護者会・運動部文化部顧問・スポーツ推進委員会・地域スポーツクラブ)を条例で明文化しています。
  • 運動部・文化部両領域の同時並行検討: 委員に「運動部活動顧問代表」と「文化部活動顧問代表」の双方を含めることで、文化部の地域移行を後回しにしない設計です。
  • 協議会の公開原則: 第2回協議会は「公開」で傍聴可能(定員10名程度)。市民の透明性確保と理解促進を制度的に保証しています。
  • 学校単位の保護者アンケート: 甲西中学校1年生保護者を対象に独自アンケートを実施。市協議会の全体調査と並行して、学校単位での実態把握も進めています。

課題と解決策

課題 解決策
5中学校・人口6.5万人規模での意思決定の調整 条例に基づく18人協議会を設置し、関係者全主体を一堂に会した審議体制を構築
文化部の地域移行が運動部に比べ進みづらい 協議会委員に文化協会・文化部顧問代表を含め、両領域並行検討を制度化
保護者の理解と費用負担の合意形成 協議会の公開傍聴・市公式サイトでの議事公開・甲西中学校1年生保護者アンケートで段階的にコミュニケーション

成果・効果

令和6年度の事業実施報告書(運動部・文化部両方)が作成され、R7年3月の協議会で関係者へ共有されました。アンケート調査結果も同時に報告され、R7年度の取組方針につながっています。条例設置・公開協議会・学校単位アンケートの3層構造で、6万人規模の地方都市に必要な「合意形成のスピードと透明性」を両立した進め方が確立されつつあります。

出典

→ 原文: 南アルプス市 令和6年度 第2回南アルプス市部活動地域移行推進協議会の開催について

→ 関連: 南アルプス市部活動地域移行推進協議会条例

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

南アルプス市の最大の特徴は「協議会を条例で制度化した」点です。要綱や設置要領レベルではなく条例化することで、議会の関与と市民への説明責任が明示的に組み込まれます。18人の委員構成に文化協会・文化部顧問代表を含めた点も先進的で、運動部偏重の議論を制度的に防ぐ仕掛けです。「公開傍聴可」を明記した協議会運営は、保護者の不信感を防ぐ実効性のある工夫です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

条例化はハードルが高い手法です。議会との調整・条例案作成・例規システム登録などに半年〜1年の準備期間が必要となります。要綱方式と比べた利点は「議決を経た意思決定の重さ」と「条例改正手続きを通じた継続性」ですが、小規模自治体では要綱方式から始め、運用が定着した段階で条例化する2段階アプローチも現実的です。文化部代表の協議会参画は、規模を問わず最初から組み込むべき要素です。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

条例設置・公開協議会・年次事業報告のガバナンス構造は良好です。一方で運営主体(受け皿団体)の具体的な選定はR7年度以降の検討事項であり、認定制度・指導者バンク・受益者負担などの具体化は今後の焦点です。協議会の議事録や成果報告書をどこまで一般公開するかが、市民理解の深さを決めることになります。

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