トップ 事例を探す 宮城県 【事例】宮城県角田市の部活動地域展開 ─ 指定管理者を核とした「かくだスポーツビレッジ」共同事業体
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 宮城県

【事例】宮城県角田市の部活動地域展開 ─ 指定管理者を核とした「かくだスポーツビレッジ」共同事業体

公開:2026.04.29 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・指定管理者を核に施設管理と地域クラブ運営を一体化し、既存資源で移行コストを抑制
・活動開始1年前から配布した「部活だより」が保護者の理解醸成に貢献
・参加費・保険料無料を実現し、令和6年度は16部活動の移行を目標に段階展開

自治体名 宮城県角田市
人口規模 約2.7万人(令和5年度時点)
中学校数 2校
運営形態 指定管理者を核とした共同事業体(かくだスポーツビレッジ運営共同企業体)
対象競技 水泳、陸上等10種目
保護者負担額 参加費・保険料ともに無料

取り組みの概要

宮城県角田市では、市のスポーツ施設を指定管理している「かくだスポーツビレッジ運営共同企業体」を核として地域クラブ活動を運営しています。令和3・4年度の「スポーツネットワークかくだ 部活動チーム」発足・アンケート調査を経て、令和5年3月に「角田市における部活動の地域移行推進基本計画」を策定。令和5年10月から地域移行実証事業をスタートし、角田中学校7種目・北角田中学校3種目で活動を実施しています。指導者謝金は1,600円/時間、参加費・保険料ともに無料です。

特徴的な取り組み

  • 指定管理者を核とした共同事業体:市のスポーツ施設の指定管理者が地域クラブの全体統括と種目ごとの専門コーチを派遣。施設管理と地域クラブ運営を一体化することで効率的な運営を実現。
  • 各事業者の得意分野活用:共同企業体を構成する各団体(フクシ・エンタープライズ、地域振興公社、スポーツコミュニケーションかくだ)がそれぞれの強みを発揮。
  • 「中学校の部活だより」による情報共有:活動開始の1年前から小中学生・保護者・学校関係者に部活だよりを配布し、地域移行への理解・信頼を醸成。

課題と解決策

課題 解決策
地域移行への認知度が低く、保護者の理解が得られにくい 活動開始1年前から「中学校の部活だより」を配布し、継続的な情報発信で認知度向上
小規模市で多様な種目の指導者を確保 共同企業体の各構成団体がそれぞれの専門分野の指導者を分担して確保

成果・効果

令和5年10月の実証事業スタート以降、角田中学校7種目・北角田中学校3種目で活動が進み、参加費・保険料ともに無料という条件で中学生703人が活動できる環境が整備されました。令和6年度は24種目のうち16部活動の移行を目標に掲げており、段階的な全市展開を進めています。

出典

→ 原文: スポーツ庁「運動部活動の地域移行に関する実証事業事例集」(令和5年度)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

角田市の取り組みでは、市のスポーツ施設の指定管理者である「かくだスポーツビレッジ運営共同企業体」が地域クラブ活動の全体統括と各種目の専門コーチ派遣を担う体制を採用している。施設管理と地域クラブ運営を同一組織が一体的に担うことで、施設へのアクセス・スタッフ・運営ノウハウを新たに調達することなく移行を実現できる構造が特徴的だ。共同企業体を構成するフクシ・エンタープライズ、地域振興公社、スポーツコミュニケーションかくだの各団体がそれぞれの専門分野で指導者確保を分担し、人口約2.7万人の小規模市でも10種目への対応を可能にしている。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

活動開始の1年前から「中学校の部活だより」を小中学生・保護者・学校関係者に継続配布したことで、地域移行への認知度と理解を段階的に高めた。突然の発表が保護者の不安や反発を招くリスクを、長期的な情報共有によって低減した点は注目に値する。同じ宮城県内では大崎市も地域移行に取り組んでいるが、角田市は指定管理者という既存の行政契約関係を軸に置き、参加費・保険料ともに無料という条件で703人が活動できる環境を整備した点に独自性がある。令和6年度は24種目のうち16部活動の移行を目標に、段階的な全市展開を進めている。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

この取り組みが機能する前提は、市のスポーツ施設に指定管理者が存在し、その管理者に地域クラブ運営への参画意欲と能力があることだ。移行を検討する自治体はまず指定管理者との対話から着手し、参画意欲を確認することが第一歩となる。共同企業体を組成する場合は法的整備と行政による後方支援も必要であり、指定管理者が存在しない自治体には別のモデルの選択が求められる。

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