【事例】兵庫県伊丹市の部活動地域展開 ─ ITAMI CLUBブランド・学校施設無償開放・専任移行チーム設置で8校令和8年度全面移行
・兵庫県伊丹市が専任「部活動地域移行チーム」を設置し推進体制を整備した経緯
・ITAMI CLUBブランドと月会費5,000円上限・学校施設無償開放の組み合わせによる参入促進設計
・中体連認可クラブとして大会出場を可能にした制度設計のポイント
| 自治体名 | 兵庫県伊丹市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約20万人(2024年時点) |
| 中学校数 | 8校(市立中学校) |
| 運営形態 | スポーツ・文化芸術団体・大学・民間企業・NPO等が実施主体(保護者・OBによる立ち上げも可) |
| 対象競技 | 複数種目(兵庫県中学校体育連盟認可クラブとして大会出場可) |
| 保護者負担額 | 月会費最大5,000円(活動回数・人数・指導者数に応じて各クラブが設定)/施設使用料は無料 |
取り組みの概要
兵庫県伊丹市は人口約20万人・市立中学校8校を擁する阪神地域の中核都市で、令和8年度(2026年度)を目指して中学校部活動の全面地域移行を進めている。市は「部活動地域移行チーム」という専任担当チームを教育委員会内に設置し、地域クラブの認定・管理・情報発信を一元的に担う体制を構築した。地域クラブは「ITAMI CLUB」のブランド名で運営され、専用ポータルサイト(itami-club.jp)から情報発信・クラブ検索・申し込みが可能となっている。実施主体はスポーツ・文化芸術団体・大学・民間企業・NPOなど多様な主体が対応し、保護者やOBによる立ち上げも認めることで、地域の人材と意欲を最大限に活用する仕組みとなっている。
特徴的な取り組み
- ITAMI CLUBブランドと専用ポータルサイトによる情報整備: 「ITAMI CLUB」という統一ブランドと専用ポータルサイト(itami-club.jp)を整備し、市内全クラブの情報・申し込み・FAQ を一元管理している。保護者・生徒が希望するスポーツや文化芸術のクラブを検索・比較できる利便性の高いシステムで、地域クラブへの参加ハードルを下げる工夫がされている。
- 学校施設の無償開放と活動時間の明確化: 市立中学校の体育館・グラウンドを地域クラブ活動に無償で開放している(活動参加者の半数以上が中学生であることが条件)。活動時間は平日が完全下校時刻〜19時、休日が9〜17時のうち3時間程度と明確に設定しており、施設利用の予測可能性が高い。
- 中学校体育連盟認可クラブとしての大会出場制度: ITAMI CLUBとして登録した地域クラブは兵庫県中学校体育連盟の認可を受けることで、中体連主催の各種大会に出場できる仕組みを整備している。地域クラブに移行した後も生徒が「大会に出られない」という懸念を解消し、競技志向の生徒も地域クラブへ移行しやすい環境を作っている。
- 多様な実施主体の参入と「届出」クラブ制度: 認定地域クラブ(市の認定・市のポータル掲載)だけでなく「届出」クラブとして自由に活動できる仕組みも設け、団体の形態や規模に応じた柔軟な参入を可能にしている。スポーツ・文化芸術問わず多様な団体が地域クラブ活動に参画できる開放的な制度設計となっている。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 地域クラブの実施主体の発掘・確保 | スポーツ・文化団体・大学・企業・NPOに加え保護者・OBによる立ち上げも認め、多様な担い手が参入しやすい制度設計を採用 |
| 地域移行後の大会出場機会の確保 | 兵庫県中体連の認可クラブ制度と連携し、地域クラブの生徒が中体連大会に出場できる仕組みを整備 |
| 施設確保と活動場所の不足 | 市立中学校の体育館・グラウンドを地域クラブに無償開放することで安定した活動場所を確保 |
| 保護者への情報周知と参加促進 | 全中学校での保護者説明会実施・ITAMI CLUBポータルサイト・専任移行チームによる問い合わせ対応で情報提供を充実 |
成果・効果
令和8年度の全面移行に向け、伊丹市では地域クラブの認定・登録作業が進んでおり、各中学校での保護者説明会を通じてITAMI CLUBへの認知が広がっている。専任の「部活動地域移行チーム」が設置されたことで、クラブ立ち上げ希望者へのサポート・届出手続きの支援・情報発信が組織的に機能するようになった。学校施設の無償開放と月会費5,000円上限という費用設計は、地域クラブ活動の立ち上げ初期コストを低く抑え、多様な主体が参入しやすい環境を生み出している。
出典
→ 原文: 伊丹市 部活動地域移行チーム(公式ページ)
→ 参考: ITAMI CLUB(伊丹市地域クラブ公式サイト)
💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント
伊丹市の「部活動地域移行チーム」という専任組織の設置は、地域移行の推進において非常に重要な要素です。多くの自治体では既存の教育委員会担当者が他業務と並行して地域移行を担うため、対応が遅くなりがちです。専任チームを設置することで、クラブ立ち上げ希望者への個別サポート・届出手続きの迅速化・情報発信の継続的な更新が可能になります。「誰に聞けばいいかわからない」という状況を解消するだけで、参入障壁が大幅に下がります。
また、月会費5,000円上限という明確な上限設定と学校施設無償開放の組み合わせは、地域クラブ運営を「始めやすく続けやすい」仕組みとして機能します。施設費用が無料であれば、月会費の大半を指導者謝礼や消耗品に充てることができ、少ない参加者数でも運営が成立しやすくなります。地域クラブ活動の「採算ライン」を下げるこの設計は、特に文化系・マイナースポーツクラブの立ち上げに有効です。
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