トップ 事例を探す 佐賀県 【事例】佐賀県唐津市の部活動地域展開 ─ 3種目拠点校方式と認定地域クラブの二段構え
全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 佐賀県

【事例】佐賀県唐津市の部活動地域展開 ─ 3種目拠点校方式と認定地域クラブの二段構え

公開:2026.06.14 更新:2026.06.14
この記事でわかること

・唐津市が採用する拠点校方式(軟式野球・剣道・バスケットボール3種目)の運用概要
・2026年4月から始まった国ガイドライン準拠の認定地域クラブ制度との二段構え
・合併市域・広域分散型の自治体が地域展開を進める際の初期設計の参考

自治体名 佐賀県唐津市
人口規模 約11.2万人(2026年6月時点・111,728人)
中学校数 市立19校
運営形態 行政(教育委員会)主導の拠点校方式+国ガイドラインに沿った地域クラブ認定
対象競技 軟式野球、剣道、バスケットボール(拠点校方式の3種目)
保護者負担額 市の正式な負担額は公表なし(市は交通費補助等の支援措置を検討中)

取り組みの概要

唐津市は市立中学校19校を擁する佐賀県北西部の中核市で、合併によって市域が広く中学校が点在する地理特性を抱えます。市教育委員会は、部活動の地域展開について「拠点校を指定し近隣の学校と連携して活動する方式」を導入し、2026年(令和8年)4月からは国のガイドラインに沿って「地域クラブ活動の認定」を開始しました。市政提案箱への回答(2026年4月22日付)で、現時点では軟式野球・剣道・バスケットボールの3競技で地域展開を実施していること、今後は学校の状況や生徒のニーズに合わせて拠点校・認定地域クラブを順次拡大していく方針を公表しています。

特徴的な取り組み

  • 拠点校方式の3種目先行: 軟式野球・剣道・バスケットボールの3競技で、特定の中学校を「拠点校」に指定し、近隣中学校の生徒が拠点校に集まって合同で活動する方式を採用しています。学校単独では成立しにくい部活動を、地理的に近い学校同士で束ねることで部員数を確保します。
  • 認定地域クラブ制度の導入: 2026年4月から、国のガイドライン(スポーツ庁・文化庁の地域クラブ活動ガイドライン)に沿った地域クラブ認定を開始しました。学校の事情と生徒ニーズに応じて、認定クラブと拠点校を組み合わせて受け皿を拡張する二段構えです。
  • 校長承認制と通学交通費の検討: 校長が認めた地域スポーツ団体に通う生徒に対して、地域公共交通の利用料補助も含めた支援策の検討を進める方針を、市政提案箱回答で表明しています(2026年4月時点)。

課題と解決策

課題 解決策
合併市域で中学校が広範囲に分散し、単独校では部員数が確保しにくい 軟式野球・剣道・バスケットボールの3種目で拠点校を指定し、近隣校の生徒が集まる合同活動方式を導入
3種目以外の競技や校外クラブを希望する生徒の受け皿が不足 2026年4月から国ガイドラインに沿った地域クラブ認定制度を開始し、拠点校と認定クラブの二段構えで段階拡大
校外クラブへの通学に高額な定期券が必要で家計負担が重い 校長承認を前提に、地域公共交通の利用料補助を含めた支援策を市が検討中

成果・効果

2026年4月時点で、拠点校方式の3種目(軟式野球・剣道・バスケットボール)は既に運用中であり、認定地域クラブ制度の運用も同年4月から始まっています。市政提案箱回答では、今後の方針として「学校の状況や生徒のニーズに合わせて、拠点校や認定クラブを増やして地域クラブ活動を拡大していく」と明記されており、当面は実施種目数の段階的拡大と、通学支援の制度設計が焦点となります。一方で、参加生徒数や1人あたり費用、認定クラブ数といった定量データは現時点で公表されておらず、運用実績の可視化は今後の課題です。

出典

→ 原文: 唐津市ホームページ「地域部活移行について(令和8年4月22日回答)」(広聴広報課)

→ 補足: 唐津市立中学校一覧(教育総務課) / 唐津市の人口(令和8年6月1日現在)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

唐津市モデルの核心は「拠点校方式」と「認定地域クラブ」を排他ではなく並列の二段構えで運用している点です。市域が広く中学校が19校に分散する自治体では、いきなり全種目を地域クラブへ移行する設計は受け皿の整備が追いつきません。まず単独校で成立しにくい3種目(軟式野球・剣道・バスケットボール)を拠点校で束ね、その上に国ガイドライン準拠の認定クラブを順次積み上げることで、移行期間中の活動空白を回避しています。同様に合併で広域化した自治体にとって、最初の現実解として参照価値が高い構成です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

最大のハードルは「移動費負担」と「拠点校選定の合意形成」の2点です。唐津市自身も、市政提案箱回答で交通費補助制度の必要性を明確に認識しており、地域公共交通の利用料補助を含めた支援策を検討中と表明しています。同様のモデルを導入する自治体では、(1)校長承認を前提とした通学費補助のルール化、(2)拠点校・近隣校間で指導者と施設利用枠を共有する協定書の整備、(3)認定地域クラブの認定基準(指導者資格・保険・運営体制)を明文化し条例または要綱で公表する、の3点を初期段階で押さえると後発の混乱を避けやすくなります。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

市政提案箱で正式回答する形で方針を公表しており、市民への説明責任の取り方は健全です。一方で、参加生徒数・拠点校別の運用実績・認定クラブ数・1人あたり費用といった定量データは現時点で未公表で、運用の透明性と継続的検証の仕組み構築は今後の課題と言えます。財源面では、国・県の地域クラブ活動推進補助の活用余地と、通学交通費補助の財源確保(一般財源か特定財源か)の整理が次の論点です。

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