【事例】奈良県天理市の部活動地域展開 ─ 「学校3部制」で部活動を2部に位置付け・教育委員会が学校施設管理を一括化
・2024年度から全校区で「学校3部制」を全面導入し時間帯を3層に分けた
・部活動地域移行を独立制度ではなく放課後「2部」に統合し一体運営する
・学校施設の管理責任を教育委員会に移管し教員の付帯業務を構造的に削減
| 自治体名 | 奈良県天理市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約6.2万人(2025年時点) |
| 中学校数 | 市内中学校全校区が対象(小学校含めて全校区で「学校3部制」導入) |
| 運営形態 | 「学校3部制」による行政(教育委員会)一元管理型/2部に部活動地域移行を位置付け |
| 対象競技 | 奈良県の地域移行方針に従い、休日部活動を全種目対象に段階移行 |
| 保護者負担額 | 「学校3部制」の各部の活動内容により個別設定(現時点で統一料金体系は未公表) |
取り組みの概要
天理市は、公共施設の老朽化と少子化という同時進行する課題に対し、学校を統廃合せずに「地域の宝」として残しながら、学校に公民館・公共施設機能を複合化する「みんなの学校プロジェクト」を始動。2024年度(令和6年度)から全校区で「学校3部制」を全面導入しました。学校の時間帯を「1部=学校教育」「2部=放課後(学童保育・アフタースクール・地域クラブ)」「3部=地域の多様な活動の場(夜間)」の3層に分け、教員は1部に専念、2部・3部は市教育委員会が責任窓口を担う構造です。奈良県は令和8年度(2026年度)から休日における教員指導の学校部活動を廃止し休日部活動を地域クラブへ移行する方針を打ち出しており、天理市の部活動地域移行は「学校3部制」の「2部」に組み込まれる形で進められます。
特徴的な取り組み
- 「学校3部制」の全校区導入: 2024年度から全校区で全面導入。学校の時間帯を3層に分け、教員の業務範囲を「1部」の課業時間に限定。教育の質と教員の働き方改革を同時に成立させる構造を実装。
- 部活動地域移行を「2部」に統合: 部活動の地域移行を独立した制度ではなく、放課後の「2部」全体の中の一機能として位置付け。学童保育・アフタースクール・地域クラブ活動を一体的に運営できる体制。
- 学校施設管理責任の教育委員会への移管: 「2部」「3部」を学校内で実施するため、学校施設の管理責任を学校現場から外し、教育委員会が一括して負担する規定改正を実施。教員の付帯業務を構造的に削減。
- 「みんなの学校プロジェクト」との一体化: 公共施設の複合化と部活動地域移行を別々の事業として扱わず、「学校=地域コミュニティの核」という一つのビジョンの下に統合。少子化・人口減少時代の自治体運営モデル。
- 奈良県の方針と連動: 奈良県が令和7年度に24市町村で実証事業を実施、令和8年度から休日地域移行という方針を打ち出しており、天理市はその先進実装地として位置付けられている。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 少子化で学校統廃合が議論されるが、地域コミュニティ機能を維持したい | 統廃合を選ばず学校を公共施設複合化し「みんなの学校プロジェクト」として地域の核に |
| 部活動地域移行で教員負担を本当に減らすには、施設管理など付帯業務も含めた整理が必要 | 「学校3部制」で時間帯を分け、2部・3部の施設管理責任を教育委員会に一元化 |
| 放課後の学童保育・部活動・地域活動が制度的にバラバラだと整合性が取れない | 「2部」に放課後活動を統合し、部活動地域移行も同じ枠組みに位置付け |
| 「2部」「3部」運営の責任主体が学校では教員負担が再発する | 教育委員会が責任窓口を担い、外部団体・地域人材が運営する体制を構築 |
成果・効果
2024年度に全校区で「学校3部制」を導入したことで、教員は「1部」の課業時間に専念できる構造的な働き方改革が実現しました。学校施設の管理責任を教育委員会に集中させたことで、放課後・夜間の地域利用が学校現場の負担にならず、市民・地域団体が学校施設を使った活動を展開しやすい環境が整っています。奈良県の令和8年度休日地域移行方針との整合性も高く、天理市は県全体の先進モデルとして位置付けられています。学校統廃合を回避しながら部活動改革を進める手法として、全国的にも注目されています。
出典
→ 原文1: 奈良県天理市、公共施設と校舎を統合「学校3部制」導入(教育業界ニュース ReseEd / 株式会社イード)
→ 原文2: 天理市「みんなの学校プロジェクト」 学校を残し地域をつなぐ(奈良テレビ放送)
→ 原文3: 部活動地域移行(地域展開)(奈良県公式ホームページ)
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