【事例】大阪府和泉市の部活動地域展開 ─ 部活動指導員30人30部活の配置目標と桃山学院大学連携で受け皿不足に挑む
・和泉市は総合型クラブが市内1つしかない現状を直視し、移行パターンを実現可能性で格付け
・部活動指導員30人30部活の配置目標と桃山学院大学との指導者養成連携が施策の柱
・「和泉市部活動地域展開推進計画案」を令和7年12月の策定委員会で審議中
| 自治体名 | 大阪府和泉市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約18.1万人(令和8年7月末時点) |
| 中学校数 | 市立中学校9校・義務教育学校1校(生徒5,082人・令和6年5月1日時点) |
| 運営形態 | 行政直営(和泉市部活動地域移行計画策定委員会で推進計画を策定中) |
| 対象競技 | 全部活動(運動部17種目100部・文化部15種目42部) |
| 保護者負担額 | 未定(有償化による負担差を課題として整理) |
取り組みの概要
和泉市は令和5年度から部活動指導員の配置を始め、令和6年3月に「和泉市部活動地域移行計画策定委員会規則」を制定しました。令和7年2月19日に第1回策定委員会を開き、教育委員会が計画の策定を諮問。同年12月17日の第2回委員会では、名称を「地域展開」に改めた「和泉市部活動地域展開推進計画案」を審議しています。市内には総合型地域スポーツクラブが光倶楽部(ショートテニス・リズム体操・マット運動・ミニバスケットを実施)の1つしかなく、委員会資料は「部活動を移行させるような総合型スポーツクラブが存在せず、地域移行を行う資源が乏しい」という現状認識から出発しています。素案では実施パターンを比較し、総合型地域スポーツクラブ型は実現可能性「低」、拠点校型は「中」、単一スポーツクラブ型は「高」と率直に評価しました。
特徴的な取り組み
- 部活動指導員30人30部活の配置目標: 教員アンケートで約3割の教員が「顧問をやりたくない」と回答し、該当教員の担当が30部活だったことから逆算した目標。「部活動指導員を導入し、令和7年度には30人30部活への配置を目標」としています。
- 桃山学院大学との指導者養成連携: 桃山学院大学と桃山学院教育大学が令和7年4月に統合し、市内キャンパスに人間教育学部が設置されることに伴い、希望する学生を指導者として養成し人材確保を図る方向性を示しています。
- 単一スポーツクラブ型の活用: 「水泳部の生徒がスイミングスクールをメインとして学校で活動せず、試合は学校から出場しているようなイメージ」と例示される方式を、実現可能性「高」の柱として位置付けています。
- 合同部活動・拠点校部活動の検討: 部員不足で単独チームが組めない場合の合同部活動、在籍校にない部活動へ近隣校で参加できる拠点校部活動を検討しています。
- 委員会の全文公開: 会議録・会議資料を市公式サイトで全文公表し、傍聴も受け入れる公開型の合意形成を採っています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 部活動の地域展開に対応できる地域資源がほとんどない(総合型クラブは市内1つのみ) | 部活動指導員の拡充・桃山学院大学との連携・単一スポーツクラブ型の活用 |
| 休日に活動している部活動の顧問教員の約30%が「休日は指導にかかわりたくない」と回答。専門的指導ができない顧問は全体の58%(令和5年度) | 令和7年度に部活動指導員30人30部活の配置を目標に増員(登録者23人・令和6年8月末時点) |
| 地域クラブ有償化と指導員派遣(月謝なし)の負担差により、世帯によっては参加できない可能性 | 計画策定の中で継続検討(未解決の論点として明示) |
成果・効果
部活動指導員は令和5年10月の5人(運動部4・文化部1)から令和6年5月には10人(運動部8・文化部2)へ倍増しました。部活動参加率は69.1%(令和6年度)で、うち運動部参加率は50.5%と全国値(58.1%・令和3年度)を下回っており、受け皿づくりと並行して参加のあり方自体も検討課題となっています。地域クラブへの移行実績はまだなく、現在は計画策定と指導員拡充の段階です。
出典
→ 原文: 第1回和泉市部活動地域移行計画策定委員会(和泉市公式サイト・会議録/資料公開)
→ 参考: 第1回策定委員会 会議資料(現状データ・素案) / 第2回和泉市部活動地域移行計画策定委員会
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