トップ 事例を探す 滋賀県 【事例】滋賀県米原市の部活動地域展開 ─ 公益財団法人への業務委託で卓球・ホッケー4部活を拠点校方式で地域移行
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【事例】滋賀県米原市の部活動地域展開 ─ 公益財団法人への業務委託で卓球・ホッケー4部活を拠点校方式で地域移行

公開:2026.07.28 更新:2026.07.28
この記事でわかること

・米原市が公益財団法人に運営を業務委託し卓球・ホッケー4部活を地域移行した仕組み
・謝金支払い・保険・会場確保を財団が一括処理する分業体制の利点
・地域特色競技ホッケーを競技団体と連携して支える方法

自治体名 滋賀県米原市
人口規模 約3.8万人(2020年国勢調査)
中学校数 6校(全生徒数1,025人)
運営形態 公益財団法人伊吹山麓まいばらスポーツ文化振興事業団への業務委託(市教委が申請・調整、部活動地域移行検討委員会・コーディネーター配置)
対象競技 男子卓球・女子卓球・男子ホッケー・女子ホッケー
保護者負担額 参加会費1,000円/年(令和6年度実証事業時点)

取り組みの概要

米原市は、少子化に伴い将来的に子どもたちのスポーツ・文化芸術活動に親しむための環境が損なわれる可能性が高いという課題認識のもと、公益財団法人伊吹山麓まいばらスポーツ文化振興事業団を運営主体とする地域部活動を実施しています。市教育委員会が実証事業の申請・取りまとめや国・県との連絡調整を担い、事業団に運営を業務委託する分業体制で、拠点中学校1校(伊吹山中学校など)の4部活動──男子卓球・女子卓球・男子ホッケー・女子ホッケー──を地域移行しました。

推進体制としては、部活動地域コーディネーターを中心に、部活動地域移行検討委員会で活動体制の整備や地域指導者の確保のための方策の検討を進めています。

特徴的な取り組み

  • 公益財団法人への業務委託: 事業団が学校・地域指導者・保護者・生徒との連絡調整、地域指導者の確保、指導料の支払い、練習会場の確保、事業費の管理、保険加入の手続きまで運営実務を一括して担います。
  • ホッケーという地域特色競技の地域展開: 全国的にも実施自治体が限られるホッケー(男女)を、卓球(男女)とともに地域部活動として実施。ホッケー・卓球の競技団体と連携・調整しながら指導者を派遣しています。
  • 広域参加体制の検討: 広域での活動体制の整備に向けて、子どもたちの活動ニーズの把握や、学校・地域団体との調整を進めています。
  • 「地域連携」の並行推進: 柏原中学校にダンス部を創設し、地域展開と並行して「地域連携」の取組も進めています。

課題と解決策

課題 解決策
地域展開の受け皿となる団体・指導者の確保 公益財団法人を運営主体に位置付け、競技団体(ホッケー・卓球)と連携して指導者を確保・派遣
運営実務(謝金支払い・保険・会場確保)の負担 事業団が指導料の支払い・保険加入手続き・練習会場確保・事業費管理を一括して担う
生徒・学校・地域への理解促進 部活動地域移行検討委員会とコーディネーターを中心に、気運醸成へ向けた方策を検討

成果・効果

令和6年度実証事業では、地域部活動の活動回数は月3回、参加会費は年1,000円で、年間平均参加生徒実数はクラブ当たり3年生27人・2年生25人・1年生28人と、全学年でバランスよく参加が確保されています。全体の指導者数は11人。運営面では、教育委員会(申請・調整)と公益財団法人(運営実務)の役割分担が明確な点が特色で、スポーツ庁の成果報告書には柏原中学校ダンス部創設による「地域連携」の取組も成果として記載されています。

出典

→ 原文: 令和6年度 地域スポーツクラブ活動体制整備事業(地域スポーツクラブ活動への移行に向けた実証事業)成果報告書 概要・滋賀県(スポーツ庁)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

米原市の事例の要は、指導料の支払い・保険手続き・会場確保といった「運営のバックオフィス業務」を公益財団法人に丸ごと委託した点です。地域移行が停滞する自治体の多くは、指導者は見つかっても謝金や保険の事務を誰が担うかで行き詰まります。既存の公益財団という会計・雇用の実務基盤を持つ組織に委ねたことで、教育委員会は申請・調整に専念でき、指導者は指導に専念できる分業が成立しています。年間参加実数が3学年とも25人前後と偏りなく確保されている点は、この体制が生徒・保護者に受け入れられていることの表れといえます。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

最大のハードルは、委託先となり得る財団・事業団が地域に存在するかどうかです。スポーツ振興財団や文化振興事業団、指定管理者を持つ自治体であれば、米原市方式はそのまま応用できます。該当組織がない場合は、近隣市町の財団への広域委託や、スポーツ協会の法人化を先行させる選択肢があります。また、ホッケーのような地域特色競技は競技団体との連携が生命線になるため、委託契約の中に競技団体との調整業務を明記しておくことが重要です。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

公益財団法人は情報公開・会計監査の規律が働く組織形態であり、公金を扱う地域クラブ運営の受け皿としてガバナンス面の信頼性が高い選択です。検討委員会とコーディネーターによる体制検討も継続しており、推進構造は安定しています。一方、年1,000円という低廉な会費は公費・委託費への依存度が高いことを意味し、実証事業終了後の財源構成が持続可能性の焦点となります。広域参加体制の構築が進めば、参加者増による会費収入の安定化も期待できます。

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