トップ 事例を探す 埼玉県 【事例】埼玉県上尾市の部活動地域展開 ─ 教職員用リーフレット発行・地元ラグビー&バレーボールプロ団体(埼玉パナ・上尾メディックス)と連携した県実証事業
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【事例】埼玉県上尾市の部活動地域展開 ─ 教職員用リーフレット発行・地元ラグビー&バレーボールプロ団体(埼玉パナ・上尾メディックス)と連携した県実証事業

公開:2026.05.17 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・埼玉県上尾市の部活動地域展開の地域展開で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 埼玉県上尾市
人口規模 約22.6万人
中学校数 市立中学校(令和4年生徒数5,614人)
運営形態 市教育委員会主導/検討報告書R5.3+教職員用リーフレットR6.2/埼玉県実証事業で地元プロ団体が受け皿
対象競技 ラグビー(埼玉パナ)/バレーボール(上尾メディックス)/その他種目で実証
推進体制 令和4年度検討→令和5年3月報告書→令和6年2月リーフレット発行

取り組みの概要

上尾市は、スポーツ庁「運動部活動の地域移行に関する検討会議提言(令和4年6月)」および文化庁「文化部活動の地域移行に関する検討会議提言(令和4年8月)」を受け、市内中学校の休日の学校部活動を地域クラブ活動に移行する最適な方策について検討を進めている。令和4年度の検討内容は「上尾市立中学校における部活動地域移行検討報告書」として令和5年3月にまとめられた。

令和6年2月には「夢を育み 未来を創る 上尾の部活動改革」リーフレット(教職員用)を発行し、教職員に対して地域移行の方針・進め方を周知する設計が採られている。市の課題として、上尾市立中学校の生徒数が昭和61年をピークに減少し、令和4年では5,614人となっていること、現職教員の86.2%が部活動に課題ありと回答し、そのうち66.1%が「専門的な指導ができない」を課題に挙げていることが報告書に記載されている。

埼玉県の実証事業では、ラグビーの埼玉パナソニックワイルドナイツが既存のジュニアユースで熊谷市・伊奈町を中心に全県の希望者を受け入れる枠組みで参加し、バレーボールの埼玉上尾メディックスなどが地域の受け皿として活動している。地元プロチームを軸にした連携モデルが特徴である。

特徴的な取り組み

  • 令和5年3月の検討報告書策定: 令和4年度の検討内容を「上尾市立中学校における部活動地域移行検討報告書」として体系化。
  • 令和6年2月のリーフレット発行(教職員用): 「夢を育み 未来を創る 上尾の部活動改革」リーフレットを教職員向けに発行し、現場周知を進めるツール整備。
  • 地元プロチームとの連携(埼玉パナ・上尾メディックス): ラグビーの埼玉パナソニックワイルドナイツ、バレーボールの埼玉上尾メディックスなど地元プロ団体を地域の受け皿として活用。
  • 定量データに基づく課題分析: 生徒数(昭和61年ピーク→令和4年5,614人)と現職教員アンケート(86.2%が課題あり、66.1%が「専門的指導不可」)を報告書に記載。
  • 埼玉県実証事業の枠組みを活用: 「埼玉パナ、埼玉上尾も…部活動の地域移行で9団体を採択」した県主導の実証事業に参加。

課題と解決策

課題 解決策
生徒数減少(昭和61年ピーク→令和4年5,614人) 地元プロチームを受け皿に活用し、市域・近隣自治体を含む広域での活動継続を確保
現職教員の86.2%が部活動に課題、66.1%が専門指導不可 地域クラブで競技経験者・専門指導者を活用し、教員の専門外指導の負担を軽減
教職員への地域移行の周知 令和6年2月に教職員用リーフレット「夢を育み 未来を創る 上尾の部活動改革」を発行
受け皿団体の信頼性確保 埼玉パナ・上尾メディックスという地元プロチームを軸にすることで、競技指導の質を担保

成果・効果

上尾市の取り組みは、人口22.6万人の中規模都市が「検討報告書(R5.3)→教職員用リーフレット(R6.2)→県実証事業参加」という段階的な実装プロセスを進めている点で参照価値が高い。特に、地元プロチーム(埼玉パナソニックワイルドナイツ・埼玉上尾メディックス)を地域の受け皿として活用する設計は、地元にプロチームを抱える自治体の優位性を最大限に活かす実装モデルとして注目できる。

令和6年2月の「夢を育み 未来を創る 上尾の部活動改革」リーフレットを教職員用に発行する設計は、現場周知の実務的な工夫である。地域移行の方針は教育委員会・協議会で議論されることが多いが、最終的に学校現場で運用するのは教員であり、教職員向けの分かりやすい資料を整備することは、現場の理解と協力を得る上で重要である。検討報告書(R5.3)に生徒数推移・教員アンケート結果という定量データを記載している点も、計画策定の根拠を可視化する実務的な姿勢として参考になる。

出典

→ 原文: 夢を育み 未来を創る 上尾の「部活動改革」リーフレット【教職員用】(令和6年2月発行/上尾市教育委員会)

→ 原文: 上尾市立中学校における部活動地域移行検討報告書(令和5年3月/上尾市教育委員会)

→ 原文: 学校部活動の地域移行及び地域連携に向けた取組 – 埼玉県

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

上尾市の事例で最も参照価値が高いのは、地元プロチーム(埼玉パナソニックワイルドナイツ・埼玉上尾メディックス)を地域の受け皿として活用する設計である。プロチームを抱える地域は、競技指導の質・知名度・運営ノウハウの3点で大きなアセットを持っており、これを地域移行の受け皿として活用することで、他地域では難しい高水準の活動環境を実現できる。同様にプロチームを地元に持つ自治体は、この優位性を意識的に活用する設計を採る価値がある。

教職員用リーフレット(令和6年2月発行)は、現場周知の実務的な工夫として参考になる。地域移行の方針は協議会・教育委員会レベルで議論されることが多いが、最終的に学校現場で運用するのは教員であり、教職員向けの分かりやすい資料を整備しないと現場の理解が追いつかない。リーフレットを発行する自治体はまだ少なく、上尾市の事例は教職員啓発の好例である。

検討報告書(令和5年3月)に生徒数推移・教員アンケート結果を定量データとして記載している点も実務的である。「部活動改革が必要」とだけ書く自治体が多い中で、上尾市は「生徒数が昭和61年5,614人→令和4年5,614人」「教員86.2%が課題あり、66.1%が専門指導不可」という具体的な数値で課題を可視化しており、計画策定の根拠が明確である。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

①地元プロチームを受け皿に活用する設計は、市内・近隣にプロチームがある自治体に限られる。プロチームがない自治体では、代替となる強力な受け皿(大学運動部・社会人クラブ・競技団体)を地域内で見つける必要がある。導入時は地域のスポーツアセットを棚卸しし、最も強力な受け皿候補を特定する手順が必要である。

②教職員用リーフレットは、現場周知ツールとして優れているが、教員の意見を反映せずに作ると「上から押し付けられた感」が強くなる。導入時は教員代表者を作成プロセスに巻き込み、教員の疑問・懸念に答える内容にすることが重要である。

③埼玉パナ・上尾メディックスのような地元プロチームとの連携は、ジュニアユースなどプロ側の既存事業の枠組みを活用する形になる。市が独自にプロチームに依頼するのではなく、プロ側の事業設計と整合させる必要があり、導入時はプロチーム側の事業範囲・受け入れ条件・財源を最初に確認する手順が必要である。

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