トップ 事例を探す 埼玉県 【事例】埼玉県白岡市の部活動地域展開 ─ 国モデル事業先行採択・スポーツデータバンク委託と官民連携資金調達
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 埼玉県

【事例】埼玉県白岡市の部活動地域展開 ─ 国モデル事業先行採択・スポーツデータバンク委託と官民連携資金調達

公開:2026.05.03 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・2021年度の国モデル事業に先行採択し、民間委託と校区横断型クラブを体系的に整備
・クラウドファンディングと企業版ふるさと納税を組み合わせ、財源の多元化を実現
・専門企業への運営委託で指導者確保の「人脈頼み」を脱却し、活動の質と安定を両立

自治体名 埼玉県白岡市
人口規模 約5万3,000人(2024年時点)
中学校数 4校(市立中学校)
運営形態 スポーツデータバンク株式会社(民間委託)
対象競技 複数種目(全4校・13部対象)
保護者負担額 不明(調査時点未公表)

取り組みの概要

埼玉県白岡市は2021年度に国の地域移行モデル事業(スポーツ庁採択事業)に先行採択された自治体のひとつで、全国でも早い段階から体系的な部活動地域展開を進めてきた。当初は市立全4校の7部活動を試行的に地域移行し、その後、校区を超えた合同部活動を含む計13部に対象を拡大した。2022年度からは民間のスポーツ運営専門企業であるスポーツデータバンク株式会社に運営を委託し、プロフェッショナルな体制による安定した地域クラブ活動の運営を実現している。財源確保では、クラウドファンディングや企業版ふるさと納税を活用して民間資金を積極的に調達するモデルを採用している。

特徴的な取り組み

  • 民間専門企業への運営委託: 「保護者の人脈に頼るだけでは指導者確保に限界がある」との判断から、2022年度よりスポーツデータバンク株式会社に運営を委託した。同社は全国複数の自治体で地域クラブ活動の受託実績を持ち、指導者確保・プログラム設計・保険手続きなどを一括して担うことで、市の負担軽減と活動の質確保を両立している。
  • クラウドファンディング・企業版ふるさと納税の活用: 地域クラブ活動の財源確保に、行政予算だけでなくクラウドファンディング(CF)や企業版ふるさと納税を積極的に導入した。市民・企業が広く事業を支える仕組みを構築し、財政的な持続可能性を高めている。
  • 校区を超えた合同部活動の実現: 単校ではなく複数校にまたがる「合同部活動」として地域クラブを設置することで、少子化により1校だけでは成立しにくい種目でも活動継続を可能にした。特定の学区に生徒を縛ることなく、市全域から参加できる仕組みは白岡市ならではの工夫である。

課題と解決策

課題 解決策
地域の「人脈頼み」による指導者確保の限界と偏り スポーツデータバンクへの運営委託により、指導者の系統的な確保・育成・管理を専門家に委ねた
行政予算のみでの財源確保の困難さ クラウドファンディングと企業版ふるさと納税を導入し、民間資金を地域クラブ活動の財源に組み込んだ
少子化による単校での部活動維持困難 4校合同・校区横断型の地域クラブを設置し、合同練習・合同大会参加を可能にした

成果・効果

白岡市は2021年度の国モデル事業採択から現在(令和6年度)まで継続的に地域クラブ活動を展開し、4校・13部を対象とした安定した運営体制を確立している。スポーツデータバンクへの委託により指導者の確保・育成体制が整い、行政職員や保護者が個別に指導者を探す負担が大幅に軽減された。また、クラウドファンディングや企業版ふるさと納税の活用は、市民・企業の事業への関与を生み、地域ぐるみで子どもたちのスポーツ活動を支える意識の醸成にも寄与している。さらに埼玉県の令和5年度実証事業参加自治体(戸田市等との連携)としても実績を積んでいる。

出典

→ 原文: スポーツ庁 事例集・全国の取組紹介(白岡市を経費財源確保の事例として掲載)

→ 参考: 教育新聞「2024年版 部活動地域移行の事例」(白岡市のスポーツデータバンク委託経緯を紹介)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

白岡市は2021年度にスポーツ庁の地域移行モデル事業に先行採択され、全国的にも早い段階から体系的な取り組みを開始した。当初は市立全4校の7部活動を試行的に地域移行し、その後、校区を超えた合同部活動を含む計13部へと対象を拡大した。2022年度からはスポーツデータバンク株式会社に運営を委託し、指導者確保・プログラム設計・保険手続きを一括して担う専門体制を整えた。この委託により、行政職員や保護者が個別に指導者を探す負担が大幅に軽減され、令和6年度まで継続的な運営が実現している。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

白岡市の取り組みで特筆されるのは、財源確保における多元的なアプローチである。行政予算のみに依存せず、クラウドファンディングと企業版ふるさと納税を積極的に導入することで、市民・企業が広く事業を支える仕組みを構築した。この仕組みは財政的な持続可能性を高めるとともに、地域全体が子どもたちのスポーツ活動に関与する意識の醸成にも寄与している。また、4校合同・校区横断型の地域クラブを設置することで、少子化により1校では成立しにくい種目でも活動の継続が可能になった。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

白岡市の事例が示す要点は、指導者確保の問題を「仕組みとして解決する」組織的アプローチにある。クラウドファンディングと企業版ふるさと納税を組み合わせた多元的な財源設計は、行政予算の制約を抱える自治体が参考にできるモデルである。校区を横断する合同クラブの設置は、少子化が進む地域での部活動維持における有効な選択肢として機能している。

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