トップ 事例を探す 長野県 【事例】長野県松本市の部活動地域展開 ─ ポータルサイト「まつチャレサポートデスク」と補助金・人材バンクで47クラブの創設を支援する中間支援モデル
全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 長野県

【事例】長野県松本市の部活動地域展開 ─ ポータルサイト「まつチャレサポートデスク」と補助金・人材バンクで47クラブの創設を支援する中間支援モデル

公開:2026.05.03 更新:2026.05.10
この記事でわかること

・行政が直接クラブを作らず市民団体の参入を支援する中間支援モデルにより、令和7年3月時点で47件創設・41件が活動開始
・創設補助金を1年目10万円・2年目5万円の段階設計とし、受益者負担による自立運営を前提に立ち上げコストのみを補助
・指導者資格取得補助と人材バンクを組み合わせ、令和7年3月時点でバドミントン・卓球・サッカーを中心に計10名が資格取得

自治体名 長野県松本市
人口規模 約23.5万人(234,740人)
中学校数 19校(生徒数5,645人)
運営形態 市民団体(保護者会・スポーツ団体等)が主体、松本市教育委員会が中間支援(まつチャレサポートデスク)
対象競技・活動 複数種目(市民団体が主体的に選択)
保護者負担額 クラブにより異なる(受益者負担での自立的運営を促進)

取り組みの概要

長野県松本市は人口約23.5万人、公立中学校19校に5,645名の生徒が在籍し、124部活が活動しています(令和6年度)。地域クラブ活動を「市が直接企画・運営する」のではなく、市民団体などが主体となる「まつもと子どもチャレンジクラブ(まつチャレ)」の創設・運営を行政が支援する中間支援モデルを採用しています。

令和4年度に小・中学生の児童・生徒、保護者、中学校教員を対象としたアンケート調査を実施し、生徒のニーズが「楽しむこと」「自分に合った指導」「参加する活動を主体的に選択できること」であることを確認。令和5年度は民間スポーツ教室・部活動指導員・スポーツ少年団・合同部活動という4つの異なる運営主体によるモデル事業を実施しました。1会場1種目の小規模な活動でも適切な支援があれば各団体の創意工夫を活かした活動が可能であることが明らかになりました。

令和6年度からポータルサイト「まつチャレサポートデスク」を設置し、クラブ創設支援・補助金申請受付・人材バンク・情報一元管理・コーディネーターによる活動状況の把握と指導を実施。令和7年3月時点で47件のまつチャレ創設を支援し、そのうち41件が実際に活動を開始しています。

特徴的な取り組み

  • 「まつチャレサポートデスク」による創設から運営まで一貫した中間支援:市民団体が地域クラブを創設する際の届出・補助金申請の受付から、各種問い合わせ・相談対応・支援制度の申請サポート・生徒が参加できる地域クラブ活動の紹介まで一元対応。毎月発行の「まつチャレ通信」とYouTube動画、年2回の住民説明会を組み合わせて地域への継続的な情報発信も行っています。
  • 地域クラブ創設補助金(1年目10万円・2年目5万円)で立ち上げコストを軽減:一定の条件(市内在住中学生5人以上・週1回以上活動・市内での活動・大会等の機会提供・年1回の指導者研修受講)を満たしたまつチャレに対し、初期費用等を1年目10万円・2年目5万円を上限に補助。受益者負担等での自立的な運営を促進しつつ、立ち上げコストという最初のハードルを下げています。令和6年度は13件が補助を受けました。
  • 指導者資格取得補助金と人材バンクで指導者の量・質を同時強化:日本スポーツ協会の公認スポーツ指導者資格等の取得に対して受講料(2分の1以内・上限2万円)と登録料(8分の1以内・上限2,500円)を補助。人材バンクの登録フォームも設置し、バドミントン1名・卓球2名・サッカー3名の計10名が補助制度を活用して資格を取得しました(令和7年3月時点)。
  • 4つの異なる運営主体によるモデル事業での多様性の実証:令和5年度に民間スポーツ教室・部活動指導員・スポーツ少年団・合同部活動という4タイプの運営主体でモデル事業を実施。「1会場1種目の小規模でも、適切な支援と創意工夫で充分な活動が可能」という知見を得て、多様な主体が参入しやすい設計に反映しました。

課題と解決策

課題 解決策
多くの地域クラブの運営団体が保護者会や有志による任意団体で、運営ノウハウが不足 まつチャレサポートデスクが電話・オンラインでの対応に加えて対面での運営団体関係者とのやりとりを実施。信頼関係を築きながら伴走支援を行う。運営・税務処理・会費徴収等に関する運営団体代表向け研修会も検討
サポートデスクへの問い合わせ対応職員が不足 オンライン対応を強化しアプリを活用した連絡・相談体制の整備を推進。FAQ記録を蓄積・公開して繰り返し発生する問い合わせの自己解決を促進
全てのまつチャレに対するきめ細かなサポートのためのコーディネーター不足 令和7年度に向けてコーディネーターの追加配置を検討。まずは休日の地域クラブ活動を中心にコーディネーターが巡回して確認する体制を維持
種目によって参加人数にばらつきがあり参加者拡大が課題 より多くの生徒が参加できるよう環境を整備するとともに、多様な地域クラブ活動の機会をさらに拡充。広報活動の充実により地域クラブの認知を高める

成果・効果

令和7年3月時点で47件のまつチャレ創設を支援し、そのうち41件が実際に活動を開始しました。まつチャレサポートデスクを通じた人材バンクへの登録者数・指導者資格取得者が増加し、バドミントン・卓球・サッカーを中心に計10名の指導者が補助制度を活用して資格を取得しています。

令和6年度は相談件数が1日10件程度に達し、サポートデスクへの問い合わせが安定していることが確認されています。個別相談会の実施や事務の手引き・通信の発行など丁寧な情報提供により、新規クラブを立ち上げようとする市民のニーズに応えています。令和7年3月末をもってコールセンターを閉鎖し、問い合わせフォームによる対応に一本化するなど、業務効率化も進めています。

出典

→ 原文: 令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 事例集|スポーツ庁・文部科学省

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

松本市は公立中学校19校・生徒5,645名(令和6年度)の規模で、市が地域クラブを直接運営するのではなく、市民団体が主体となる「まつもと子どもチャレンジクラブ(まつチャレ)」の創設・運営を行政が側面から支援する中間支援モデルを採用している。令和4年度のアンケート調査で生徒が「楽しむこと」「自分に合った指導」「活動を主体的に選択できること」を求めていることを確認し、令和5年度には民間スポーツ教室・部活動指導員・スポーツ少年団・合同部活動という4タイプの運営主体でモデル事業を実施した。この実証を通じて「1会場1種目の小規模活動でも、適切な支援と創意工夫で充分な活動が可能」という知見を得て、令和6年度からポータルサイト「まつチャレサポートデスク」を設置。令和7年3月時点で47件の創設を支援し、そのうち41件が活動を開始している。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

まつチャレサポートデスクは、届出・補助金申請の受付から相談対応・支援制度の申請サポート・生徒が参加できる地域クラブ活動の紹介まで一元対応し、毎月「まつチャレ通信」を発行するとともに年2回の住民説明会も実施している。地域クラブ創設補助金は、市内在住中学生5人以上・週1回以上活動・年1回の指導者研修受講などの条件を満たすまつチャレに対し、1年目10万円・2年目5万円を上限に補助する段階設計で、令和6年度は13件が活用した。2年目以降は受益者負担による自立運営を前提とすることで補助金依存を防ぐ仕組みになっている。指導者育成面では、日本スポーツ協会の公認スポーツ指導者資格取得への費用補助(受講料2分の1・上限2万円、登録料8分の1・上限2,500円)と人材バンクを組み合わせ、令和7年3月時点でバドミントン・卓球・サッカーを中心に計10名が資格を取得している。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

松本市の課題として、任意団体である運営主体の運営ノウハウ不足、サポートデスクの問い合わせ対応職員の不足、コーディネーターの不足の3点が指摘されている。令和6年度の相談件数は1日10件程度に達しており、対応体制の強化が求められている。オンライン対応の強化・FAQ公開による自己解決促進・令和7年3月末のコールセンター閉鎖と問い合わせフォームへの一本化など業務効率化を進める一方、令和7年度に向けてコーディネーターの追加配置も検討している。

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