【事例】愛知県豊山町の部活動地域展開 ─ 教委直営で陸上クラブを新設・愛知駅伝参加を目標に未就学児から60歳超が多世代で参加
・「愛知駅伝」参加目標の設定が未就学児〜60歳超の多世代参加を実現
・町内ランニングチームを活用し、外部招聘コストなしで指導者4名体制を確保
・生涯学習課が兼務でコーディネートし、専任担当不要の小規模自治体モデルを構築
| 自治体名 | 愛知県豊山町 |
|---|---|
| 人口規模 | 約15,979人 |
| 中学校数 | 1校(生徒数490名) |
| 運営形態 | 豊山町教育委員会事務局生涯学習課(地方自治体直営) |
| 対象競技 | 陸上(長距離走) |
| 保護者負担額 | 無料(スポーツ安全保険料も自己負担なし) |
取り組みの概要
豊山町は愛知県北部に位置する人口約15,979人の小さな町です。公立中学校1校に490名の生徒が在籍し、部活動はサッカー・野球・女子バスケットボール・ソフトボール・男女バレーボール・軟式テニス・男女卓球の7種目9クラブが活動しています。少子化による部員減少と指導者不足が課題となっている中、スポーツ庁の実証事業として令和6年度から地域クラブ活動の整備に取り組みました。
豊山町が新設した地域クラブ活動は「愛知駅伝に向けた練習会」と名付けられた陸上(長距離走)クラブです。運営主体は豊山町教育委員会事務局生涯学習課で、町内で活動するランニングチームの指導者を活用し、監督1名・コーチ1名・サブコーチ2名の計4名体制を整備しました。参加費は無料で、スポーツ安全保険料も参加者自己負担なしという設定です。
このクラブの最大の特徴は参加対象の広さです。中学生だけでなく、未就学児から60歳以上まで多世代が参加できる設計になっており、「愛知駅伝」という地域に根ざした目標を掲げることで、世代を超えた参加動機づけを実現しています。令和7年4月にはプロジェクトチームを始動させ、中学校を含む地域移行全体の方針策定に着手する予定です。
特徴的な取り組み
- 「愛知駅伝」参加を目標にした多世代型地域クラブの設立:愛知駅伝という具体的な目標を掲げた陸上クラブを新設。未就学児から60歳以上まで参加でき、中学生の部活動地域移行の枠を超えた地域スポーツ活動として機能しています。目標が明確なことで継続的な参加動機を生み出しています。
- 町内ランニングチームを指導者として活用した低コスト体制:既存の地域資源である町内のランニングチーム(指導者保持者)を活用し、外部からの指導者招聘コストなしで4名体制を整備。地域に根差した指導者が参加することで、継続性の高い体制が構築されています。
- 生涯学習課コーディネート・学校教育課連携の庁内2課体制:教育委員会内の生涯学習課が地域クラブ全体のコーディネートを担い、学校教育課が部活動指導員の派遣・指導を担う2課連携体制を構築。学校と地域クラブの橋渡し役として機能しています。
- 多世代参加によるスポーツ少年団との連携モデル:野球部に関しては令和6年度以前から、豊山町スポーツ少年団が中等部として野球部員のみを対象に活動を実施し、部活動の顧問との連携も実現。この少年団連携が豊山町における地域移行のモデルケースとなっています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 受け皿として同じ種目の団体がない競技(サッカー・バレー等)の存続 | 令和7年4月のプロジェクトチーム始動後に種目別の受け皿整備を検討。総合型地域スポーツ・文化クラブ「わくわくくらぶ」との連携も候補の一つとして協議中 |
| 「わくわくくらぶ」との種目のミスマッチ(中学部活動と異なる種目中心) | 生涯学習推進審議会での検討を継続し、種目拡充や協力体制の整備について生涯学習課が働きかけ |
| 中学校全体の地域移行方針が未策定 | 令和7年4月に学校関係者を含むプロジェクトチームを発足し、中学校側も含めた方針決定プロセスを整備予定 |
| 指導者不足(特に部活動に対応できる専門指導者の確保) | 既存の地域ランニングチームを活用し、まず1クラブを軌道に乗せた実績を基に他種目の指導者確保を検討 |
成果・効果
令和6年度から「愛知駅伝に向けた練習会」として陸上(長距離走)クラブを設立・運営。活動場所は豊山グランドで、令和6年5月から翌3月まで、6〜8月・12〜翌3月は週1回(19:00〜21:00)、9〜11月は週2回という体制で実施しました。未就学児から60歳以上まで幅広い世代が参加し、指導者4名・運営スタッフ4名という最小限の体制で地域クラブ活動を軌道に乗せました。
また、令和6年9月の第1回生涯学習推進審議会、令和7年2月の第2回審議会を経て地域クラブのあり方に関する議論を深め、令和7年4月のプロジェクトチーム始動につなげています。野球ではスポーツ少年団による既存連携モデルを参考に、他種目への地域移行拡大に向けた体制整備を進めています。
出典
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