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【事例】新潟県阿賀野市の部活動地域展開 ─ 大会参加費全額補助・施設無償貸出で保護者負担を軽減

公開:2026.04.29 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・下越大会・県大会の交通費・宿泊費を全額市が補助し、部活動時代と同水準の支援を維持している
・市外の地域クラブに参加する在住生徒にも同様の補助を適用し、クラブ選択の自由を制度で保障
・活動備品の貸出規定を文書化し、学校と地域クラブ間のトラブルを防ぐ仕組みを整備

自治体名 新潟県阿賀野市
人口規模 約39,100人(令和6年度時点)
中学校数 4校
運営形態 地域クラブ(種目別・複数団体)
対象競技 女子バレーボール、ソフトテニス、女子バスケットボール、卓球(指導者クラブ)/剣道、軟式野球、陸上長距離、バドミントン、柔道(生徒参加クラブ)
保護者負担額 大会参加費(交通費・宿泊費)を全額市が補助(令和6年度実績)

取り組みの概要

新潟県阿賀野市では、休日の部活動の地域クラブ活動への移行に伴い、これまでの部活動と同様に家庭の大きな費用負担なく大会へ参加できるよう、行政や学校が地域クラブ活動を支える仕組みを構築しました。令和5年度から地域クラブ活動を開始し、令和6年度には中体連主催・共催大会への参加費(交通費・宿泊費)の全額補助を開始。令和6年3月には「阿賀野市中学校部活動の地域移行にかかる活動備品の貸出規定」を策定し、学校は備品を無償で貸し出すことを定めました。令和7年度からは生徒だけでなく指導者の大会参加費も支援対象に拡大しています。

特徴的な取り組み

  • 大会参加費の全額補助: 中体連が主催・共催する下越大会(1人あたり18,649円)および県大会(1人あたり40,128円)の交通費・宿泊費を市が全額補助。他自治体の地域クラブ活動に参加する市内在住の生徒も同様に支援の対象としている。
  • 学校施設・備品の無償貸出: 市内全施設における施設使用料の全額免除を実施。令和6年3月策定の「活動備品の貸出規定」に基づき、学校は地域クラブ活動に対して備品を無償で貸し出す。
  • 指導者の大会参加費支援への拡充: 令和7年度からは指導者が大会に出場する際の交通費・宿泊費も支援対象とし、指導者の負担軽減も図っている。

課題と解決策

課題 解決策
地域クラブへの移行後も、生徒が経済的負担なく大会に参加できる仕組みが必要 市が交通費・宿泊費を全額補助し、部活動時代と同水準の支援を継続
地域クラブ活動の会場費・備品費など運営経費を抑える必要があった 市内全施設の使用料を全額免除し、学校備品の無償貸出規定を策定
大会参加費への支援は市の自主財源が原資で、財源確保が継続課題 令和7年度に支援対象を生徒から指導者まで拡充しつつ、今後の財源確保方策を検討中

成果・効果

中体連が主催する下越大会では1人あたり18,649円、県大会では40,128円の経済的支援を実施し、保護者からの感謝の声が届いています。他自治体の地域クラブ活動に参加する阿賀野市在住の生徒にも同様の支援を行っているため、「阿賀野市に在住していれば、市内外を問わず地域クラブ活動に参加する生徒を支援する」という考え方が保護者にも浸透しています。また、施設使用料の減免や備品の貸出により、地域クラブ活動の運営経費を抑えることができ、各地域クラブ活動が新たに備品等を購入しなくても活動できる体制が整いました。

出典

→ 原文: スポーツ庁「令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 事例集」pp.54-55

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

阿賀野市は令和5年度から地域クラブ活動を開始し、令和6年度には中体連が主催・共催する大会への参加費(交通費・宿泊費)の全額補助を実施した。補助額は下越大会で1人あたり18,649円、県大会で1人あたり40,128円にのぼる。令和6年3月には「阿賀野市中学校部活動の地域移行にかかる活動備品の貸出規定」を策定し、学校から地域クラブへの備品無償貸出を文書で明確化した。令和7年度からは指導者の大会参加費も支援対象に拡充している。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みの特徴は、市内クラブへの参加を問わず、阿賀野市に在住する生徒であれば補助の対象となる点にある。他自治体の地域クラブ活動に参加する生徒も支援を受けられる仕組みであり、「居住地に基づく支援」という考え方を制度として確立している。市内全施設の使用料を全額免除し、備品の無償貸出と組み合わせることで、地域クラブの運営経費を抑える体制を整えた。保護者からは感謝の声が届いており、部活動時代と同水準の支援を地域クラブ活動でも継続するという方針が浸透している。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

大会参加費の全額補助は市の自主財源を原資としており、財源の持続可能性が今後の課題として明示されている。同様の制度を検討する自治体では、スポーツ振興くじ助成や国・都道府県の補助金との組み合わせが選択肢となる。また、阿賀野市が策定した貸出規定のように、備品の取り扱いを文書化しておくことで、地域クラブと学校との間の認識のずれを未然に防ぐことができる。

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