トップ 事例を探す 沖縄県 【事例】沖縄県うるま市の部活動地域展開 ─ 「うるま市モデル」6つの柱と財源多様化
全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 沖縄県

【事例】沖縄県うるま市の部活動地域展開 ─ 「うるま市モデル」6つの柱と財源多様化

公開:2026.04.28 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・庁内横断プロジェクトチームが教育委員会・経済産業部・企画政策課を統合し、教育予算以外の財源確保を組織的に可能にした。
・移行期間中の保護者負担ゼロと企業版ふるさと納税・企業協賛による財源多様化を並行して設計している点が独自性を持つ。
・救命救急・防犯など7テーマのeラーニング研修と認証制度により、指導者の基礎力を体系的に担保する仕組みを整備している。

自治体名 沖縄県うるま市
人口規模 約12万人(2024年時点)
中学校数 不明(調査時点で未確認)
運営形態 地域スポーツクラブ(スポーツデータバンク沖縄株式会社等との連携)
対象競技 全種目(80以上の部活動が対象)
保護者負担額 市独自予算充当により現在は無料(移行完了後の継続検討中)

取り組みの概要

うるま市は「うるま市モデル」として全国的に注目される部活動地域移行の先進事例です。経済産業省「未来のブカツ」実証事業(2022年度)に採択され、スポーツデータバンク沖縄株式会社と2017年から協力関係を構築してきた経緯を持ちます。市内80以上の部活動のうち約30が地域連携・移行に取り組んでおり、教育委員会だけでなく経済産業部・企画政策課など複数の市長部局が連携する「全庁的アプローチ」で推進しています。企業版ふるさと納税・クラウドファンディング・企業協賛など多様な財源を確保し、移行完了まで市独自予算で保護者負担ゼロを実現しています。

特徴的な取り組み

  • 「うるま市モデル」6つの柱:①横断的組織連携(庁内プロジェクトチーム)②保護者満足度向上(ICTツール活用)③指導者研修・認証制度(7テーマのeラーニング)④施設の指定管理者制度⑤多様な財源確保⑥企業協賛型アクティベーション、の6柱で総合的に推進しています。
  • 庁内横断「地域移行推進プロジェクトチーム」:教育委員会・経済産業部・企画政策課など複数部署が一体となったプロジェクトチームを設置し、縦割り行政を超えた連携体制を構築しています。
  • 企業版ふるさと納税・クラウドファンディングの活用:企業版ふるさと納税を活用した外部資金確保と、三井住友海上火災保険など企業の直接支援を実現し、持続可能な財源構造を構築しています。
  • ICTによる保護者満足度向上:ICTツールを活用して保護者への連絡・情報共有を強化し、「連絡がスムーズ」との評価を得て参加者増加につなげています。

課題と解決策

課題 解決策
保護者の約5割が費用負担増加に不安 市独自予算による移行期間中の無料化と、企業版ふるさと納税等による財源多様化で中長期的な費用抑制を目指す
市独自予算終了後の自走財源確保 企業版ふるさと納税・クラウドファンディング・企業協賛の活用で受益者負担に頼らない財源構造の検証を進める
指導者の質の担保 救命救急・防犯・メンタルヘルスなど7テーマのeラーニング研修と認証制度で、指導者の基礎力を体系的に保証

成果・効果

指導者の専門性向上により生徒のスポーツ技術力が向上し、部活参加者数も増加しています。ICTツール活用による保護者連絡の効率化で、参加継続率が改善しています。沖縄県主催の検討会議でも「うるま市モデル」が積極的に情報共有され、県内の複数自治体が同モデルを参考に地域移行準備を加速化しています。企業版ふるさと納税の活用可能性の検証が進み、持続可能な財源モデルの先行事例として全国的な注目を集めています。

出典

→ 原文: ReseEd 「持続可能な部活動「未来のブカツ」の実現を目指す「うるま市モデル」とは」(2024年7月)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

うるま市は2017年からスポーツデータバンク沖縄株式会社との協力関係を構築し、その積み重ねを基盤として2022年度の経済産業省「未来のブカツ」実証事業に採択された。市内80以上の部活動のうち約30が地域連携・移行に取り組んでいる。この取り組みを支えるのが「全庁的アプローチ」と称される推進体制で、教育委員会のみに委ねるのではなく、経済産業部・企画政策課を含む複数の市長部局が一体となった庁内横断プロジェクトチームを設置している。この設計により、地域スポーツの管轄部署と企業版ふるさと納税の活用窓口を同じ推進体制に組み込むことが可能となり、教育予算以外の外部資金へのアクセスを組織的に確保する構造を実現している。企業版ふるさと納税・クラウドファンディング・三井住友海上火災保険など企業の直接支援を組み合わせた多元的な財源設計は、沖縄県主催の検討会議でも積極的に情報共有され、全国的な注目を集めている。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

うるま市は保護者の約5割が費用負担増加に不安を抱えるという実態に対し、移行完了まで市独自予算による保護者負担ゼロを設計した。この参加ハードルの引き下げと並行して、企業版ふるさと納税・企業協賛という外部財源の確保をセットで機能させることで持続可能性を担保する構造としている。ICTツールを活用した保護者への連絡・情報共有の強化は「連絡がスムーズ」との評価を得て参加者増加に直結しており、参加継続率の改善にも寄与している。指導者育成においては、救命救急・防犯・メンタルヘルスなど7テーマのeラーニング研修と認証制度を整備し、指導者の基礎力を体系的に保証する仕組みを構築している。これらの取り組みにより生徒のスポーツ技術力の向上と部活参加者数の増加が報告されており、施設の指定管理者制度も含めた6つの柱が相互に機能する設計となっている。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

うるま市が抱える構造的課題は、市独自予算の終了後に保護者負担ゼロを継続できるかどうかという自走財源の確保である。現時点では移行完了後の継続について検討中とされており、企業版ふるさと納税・クラウドファンディング・企業協賛の活用可能性の検証を進めている。企業版ふるさと納税については、「子どもの未来への投資」「地域スポーツ振興」といった社会的インパクトを可視化したプロジェクト設計が企業の共感を得るうえで重要であることが示唆されており、財源の継続性をどう制度設計に組み込むかが今後の焦点となる。

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