トップ 事例を探す 福岡県 【事例】福岡県宗像市の部活動地域展開 ─ 民間委託「むなかたアカデミークラブ」による全市一体運営モデル
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 福岡県

【事例】福岡県宗像市の部活動地域展開 ─ 民間委託「むなかたアカデミークラブ」による全市一体運営モデル

公開:2026.04.05 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・民間事業者への全市一括委託により、11種目13クラブを一体的に運営する先進モデルを構築。
・部活動管理アプリ「Sgrum」を全クラブで一括導入し、保護者・指導者双方の事務負担をデジタルで軽減。
・令和8年度末・令和9年度末という具体的な完了期限を明示し、「学校部活動ゼロ」を最終目標に掲げる。

自治体名 福岡県宗像市
人口規模 約9.7万人(2024年時点)
中学校数 6校(市立中学校)+義務教育学校1校
運営形態 民間委託(株式会社グローバルアリーナ)
対象競技 サッカー、バスケットボール、バレーボール、野球、テニス、卓球、バドミントン、陸上、柔道、水泳、吹奏楽 ほか(11種目13クラブ)
保護者負担額 月額約4,000円(保険料・アプリ利用料含む)

取り組みの概要

福岡県宗像市は2023年9月(令和5年9月)、市立中学校の休日部活動を地域クラブ活動へ移行させる取り組みとして「むなかたアカデミークラブ」を発足させました。運営は市内にスポーツ施設「グローバルアリーナ」を持つ株式会社グローバルアリーナに民間委託し、11種目13クラブ(+吹奏楽)を一体的に運営しています。同社は施設管理のノウハウと専属指導者ネットワークを活かし、単なる外部指導者派遣にとどまらない、クラブ運営全般の管理・運営を担っています。2023年度の参加生徒数は約405名に達し、令和8年度末(2027年3月)を目標に休日部活動の完全移行、さらに令和9年度末(2028年3月)には平日を含めた全面的な地域移行を目指しています。

特徴的な取り組み

  • 部活動管理アプリ「Sgrum」の全面導入: 株式会社スポーツコミュニケーションジャパンが提供する部活動・クラブ管理アプリ「Sgrum(スグラム)」を全クラブで採用しました。出欠管理・連絡・集金・保険申請といった事務手続きをアプリ上で完結させることで、保護者・指導者双方の負担を大幅に軽減しています。全国の部活動地域移行事例の中でも専用アプリを全市一括導入した先進事例として注目されています。
  • 東海大学付属福岡高校との高大連携による文化部支援: 吹奏楽部門については、東海大学付属福岡高校との連携協定を結び、高校の専門指導者が中学生の吹奏楽クラブを指導する「高大連携モデル」を実現しました。運動部だけでなく文化部の受け皿整備にも取り組んでいる点が特徴です。
  • 段階的な完全移行ロードマップ: 休日の地域移行(令和8年度末)と平日を含む完全移行(令和9年度末)を明確にロードマップ化し、教員・保護者・生徒に対して移行時期の見通しを事前に提示しています。移行完了後は「学校部活動ゼロ」を目指す明確な目標を掲げている自治体として、全国的にも先進的な取り組み事例として位置づけられています。

課題と解決策

課題 解決策
事務連絡・出欠管理・集金など保護者・指導者の事務負担が大きい 部活動管理アプリ「Sgrum」を全クラブで一括導入し、コミュニケーションと事務手続きをデジタル化・一元化
吹奏楽など文化部の専門的指導者確保が困難 東海大学付属福岡高校と連携協定を締結し、高校の専門指導者が地域クラブとして中学生を指導する高大連携モデルを構築
移行への不安や合意形成に時間がかかる 令和8年度末・令和9年度末という具体的な移行完了時期を明示したロードマップを公表し、関係者全員が見通しを持てる体制を整備

成果・効果

2023年度の参加生徒数は約405名に達し、スポーツ庁の令和6年度実証事業報告においても生徒・保護者・教員の満足度が高水準であることが確認されています。教員からは休日の部活動指導から解放されたことによる教育業務への集中や、ワーク・ライフ・バランスの改善が報告されています。また、株式会社グローバルアリーナが保有する施設(グローバルアリーナ)を練習場所として活用できることで、学校施設に依存しない安定した活動環境が整備されました。全国的に珍しい「民間企業による全市一括運営+アプリ完全導入」モデルとして、他自治体からの視察も相次いでいます。

出典

→ 原文: 学校部活動の地域クラブ活動への移行について | 福岡県宗像市公式サイト

→ 参考: Sgrumによるコミュニケーション革命と地域スポーツ機会の拡大|むなかたアカデミークラブ(福岡県)| Sgrum公式サイト

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

宗像市は2023年9月、市内にスポーツ施設「グローバルアリーナ」を保有する株式会社グローバルアリーナへの民間委託により「むなかたアカデミークラブ」を発足させた。サッカー・バスケットボール・水泳・柔道・吹奏楽など11種目13クラブを一体的に運営し、2023年度の参加生徒数は約405名に達した。月額約4,000円(保険料・アプリ利用料含む)の参加費のもとで、部活動管理アプリ「Sgrum」を全クラブに一括導入し、出欠管理・連絡・集金・保険申請をアプリ上で完結させている。また、東海大学付属福岡高校との連携協定により、吹奏楽クラブでは高校の専門指導者が中学生を指導する高大連携モデルを実現した。令和8年度末を期限とする休日の完全移行、令和9年度末を期限とする平日を含む全面移行という段階的ロードマップを公表し、最終目標として「学校部活動ゼロ」を掲げている。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みでは、施設管理ノウハウと専属指導者ネットワークを持つ株式会社グローバルアリーナが、13クラブの運営全般を一括受託している。民間事業者を活用した地域移行は大阪市など各地でも見られるが、宗像市では専用アプリの全市一括導入を同時に実現し、保護者・指導者双方の事務負担をデジタルで一元化した点が際立つ。スポーツ庁の令和6年度実証事業報告においても生徒・保護者・教員の満足度が高水準であることが確認されており、教員からは休日の部活動指導から解放されたことによるワーク・ライフ・バランスの改善が報告されている。運動部だけでなく吹奏楽部門の受け皿を高大連携で整備した点も、この取り組みの特徴のひとつだ。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

宗像市の事例は、施設管理ノウハウを持つ民間事業者が地域に存在する場合、行政が指導者を個別に確保・調整するコストを抑えながら複数種目の一体運営を実現できることを示している。月額約4,000円という参加費水準とアプリによる事務一元化の組み合わせは、保護者・指導者の負担軽減モデルとして参考になる。具体的な移行完了期限を明示した段階的ロードマップの公表は、関係者の合意形成を促す手法として他自治体でも応用しやすい。

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