トップ 事例を探す 香川県 【事例】香川県東かがわ市の部活動地域展開 ─ スクールバス12台+ICカード乗降確認で遠距離移動と安全管理を同時解決
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 香川県

【事例】香川県東かがわ市の部活動地域展開 ─ スクールバス12台+ICカード乗降確認で遠距離移動と安全管理を同時解決

公開:2026.04.30 更新:2026.05.02
この記事でわかること

・市有スクールバス12台を部活動送迎に転用し、新規車両調達なしで移動インフラを整備した。
・ICカード乗降確認により、学校・教委・保護者の三者が生徒の乗降状況をリアルタイムで把握できる。
・1日約60人が利用する安定した移動体制が、生徒の地域クラブ参加継続を支えている。

自治体名 香川県東かがわ市
人口規模 約2万7千人(2020年時点)
中学校数 3校
運営形態 行政主導・学校部活動からの地域移行(スクールバスで複数校の生徒を集約)
対象競技 全種目(28部活)
保護者負担額 記事作成時点で未公表

取り組みの概要

香川県東かがわ市は、人口約2万7千人・中学校3校・生徒520人・28部活という小規模自治体でありながら、地域移行に伴う最大の実務課題「生徒の移動手段」を市有スクールバスの活用で解決しました。市内に既存のスクールバス12台(外部委託のワゴン3台含む)を平日・休日の部活動送迎に活用。さらにICカードを使った乗降確認システムを導入し、学校・教育委員会・保護者がリアルタイムで乗車状況を把握できる安全管理体制を整えています。1日あたり約60人の生徒がバスを利用しています。

特徴的な取り組み

  • 市有スクールバスの部活動転用(12台体制): 通学用に整備していたスクールバスを部活動の送迎にも活用。外部委託のワゴン車3台を加えた計15台体制で、市内3校の生徒が複数の練習拠点に移動できる体制を確保しています。新規に車両を調達するのではなく既存資産を活かした点がコスト効率の面で注目されます。
  • ICカード乗降確認システム(三者リアルタイム監視): 生徒がバスに乗降する際にICカードを使用し、乗降データを学校・教育委員会・保護者の三者が同時にリアルタイムで確認できる仕組みを構築。「子どもがバスに乗ったか」「目的地に到着したか」を即座に把握でき、保護者の安心感と事故対応の迅速化につながっています。
  • 拠点間の効率的なルート設計: 大川地区(旧大川町)から白鳥地区まで約4.4km・8分、白鳥地区から引田地区まで約6.4km・10分という拠点間ルートを設計。生徒が無理なく移動できる時間・距離に収まるルートを確保することで、部活動参加の心理的ハードルを下げています。

課題と解決策

課題 解決策
小規模自治体で地域クラブへの移動手段が生徒・保護者の負担になる 市有スクールバス12台(外部委託ワゴン3台含む)を平日・休日の部活動送迎に転用。1日約60人が利用する移動インフラを整備
生徒のバス乗降状況を保護者がリアルタイムで把握できない ICカード乗降確認システムを導入。学校・教委・保護者の三者がリアルタイムで乗降情報を確認でき、安全管理と保護者の安心感を両立
複数の練習拠点に生徒を効率よく振り分けるルート設計が難しい 大川・白鳥・引田の3拠点間を最大10分以内で結ぶルートを設計。生徒の移動時間を最小化し、練習時間を最大化

成果・効果

市内3校・520人の生徒を対象に28部活での地域移行を推進する中、スクールバス活用と安全確認システムの整備により、生徒の移動課題を制度的に解決しました。1日あたり約60人が利用する安定した移動インフラが確立し、地域クラブへの参加継続率の向上にも貢献しています。ICカード乗降確認システムは保護者からの信頼確保にも有効で、地域移行への理解促進につながっています。

出典

→ 原文: 文部科学省「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」関連事例集(令和6年度)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

東かがわ市は人口約2万7千人・中学校3校・生徒520人という小規模自治体でありながら、28部活での地域移行を推進するにあたり、生徒の移動手段という実務課題を行政インフラで解決した。通学用に整備していた市有スクールバス12台に外部委託ワゴン3台を加えた計15台体制を構築し、平日・休日の部活動送迎に活用している。新規車両を調達するのではなく既存資産を転用した点が、コスト効率の面で注目される。大川地区から白鳥地区まで約4.4km・8分、白鳥地区から引田地区まで約6.4km・10分という拠点間ルートを設計し、生徒が無理なく3つの練習拠点を移動できる体制を整えた。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みでは、移動課題と安全管理の2つの課題を一体的に解決している点が特徴的だ。ICカード乗降確認システムを導入し、生徒がバスに乗降するたびに取得されるデータを、学校・教育委員会・保護者の三者がリアルタイムで共有できる仕組みを構築した。子どもの乗車状況や到着可否を即座に把握できるため、保護者の安心感の確保と事故発生時の迅速な対応を両立している。1日あたり約60人が安定してバスを利用しており、地域クラブへの参加継続率の向上にも寄与している。地域移行への反対意見の多くが安全への不安に根ざすなか、乗降データの三者共有は理解促進の手段としても機能している。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

東かがわ市の事例は、通学用スクールバスの転用という発想の転換によって、小規模自治体でも移動インフラを整備できることを示している。新規車両を調達せずに既存資産を活用したことで追加コストを最小限に抑えた点は、財源が限られる自治体への示唆になる。ICカード乗降確認システムについても、既存の通学用カード機能の転用や民間の送迎管理サービスの活用によってコストを抑えた導入が可能とされており、移動支援と安全管理を一体的に整備する手法として他地域での活用が期待される。

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