トップ 事例を探す 長崎県 【事例】長崎県長崎市の部活動地域展開 ─ 地域クラブ活動推進室設置・部員充足校は直接移行・部員不足は地域連携経由の2段階モデルで令和9年度休日完全地域展開目標
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【事例】長崎県長崎市の部活動地域展開 ─ 地域クラブ活動推進室設置・部員充足校は直接移行・部員不足は地域連携経由の2段階モデルで令和9年度休日完全地域展開目標

公開:2026.05.03 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・専任組織「地域クラブ活動推進室」が相談・認定審査・情報発信を一元管理
・部員充足校は直接移行・不足校は地域連携経由という2段階設計で廃部リスクを軽減
・3種類の書類申請による認定制度で地域クラブの教育的意義と質を担保

自治体名 長崎県長崎市
人口規模 約41万人(2024年時点)
中学校数 41校(市立中学校)
運営形態 民間クラブ・体育協会・NPO法人等が実施主体(「長崎市地域クラブ活動指針」に基づく認定制度)
対象競技 スポーツ・文化芸術(複数種目対応)
保護者負担額 調査時点未公表

取り組みの概要

長崎県長崎市は人口約41万人の九州有数の中核都市で、41校の市立中学校を抱えている。市は令和9年度(2027年度)の休日の部活動の完全地域展開を目標に掲げ、教育委員会の学校教育部内に専任組織として「地域クラブ活動推進室」を設置した。推進にあたっては「長崎市地域クラブ活動指針」(令和8年4月改訂版)を策定し、部活動の教育的意義を継承・発展させながら地域クラブへの移行を進める枠組みを整備している。令和8〜13年度を「改革実行期間」と位置づけており、まず休日の活動から地域クラブへの移行を進め、その後の平日移行へも見据えた体制整備を行っている。

特徴的な取り組み

  • 「地域クラブ活動推進室」という専任組織の設置: 長崎市教育委員会の学校教育部に「地域クラブ活動推進室」(TEL:095-801-1716)を専任組織として設置した。クラブ認定の審査・管理・相談窓口を一元化し、地域クラブを立ち上げたい団体や移行を検討している学校が「誰に相談すればよいか」迷うことなく接触できる体制を整えている。
  • 部員数に応じた2段階の移行アプローチ: 部活動の状況に応じて移行経路を2段階に設計している。部員が充足している部活動は直接「地域クラブ」へ移行し、部員が不足している部活動はまず「地域連携」(複数校合同等)を経てから地域クラブへ移行する。画一的な移行スケジュールを課すのではなく、各部活の実態に合わせた柔軟な経路を用意することで、廃部リスクを軽減しながら移行を進める設計となっている。
  • 「長崎市地域クラブ活動指針」による認定制度: 「長崎市地域クラブ活動指針」(令和8年4月改訂版)に沿って活動する団体を「長崎市地域クラブ」として認定する。認定には「認定申請書兼誓約書」「認定要件確認書」「活動指導者登録申請書兼誓約書」の3種類の書類提出が必要で、学校と連携しながら部活動の教育的意義を継承・発展させることが条件とされている。
  • 既存民間クラブ・協会への移行も認める多元的な受け皿: 既存の民間クラブや競技協会・ドクター等の専門団体に部活動をそのまま引き渡す形の移行も選択肢として認めている。地域の既存資源を最大限に活用し、新規に地域クラブを立ち上げる負担を軽減する現実的なアプローチをとっている。

課題と解決策

課題 解決策
41校・多数の部活動の移行調整を既存担当者が兼業で対応する難しさ 「地域クラブ活動推進室」を専任組織として設置し、認定審査・相談対応・情報発信を一元管理
部員が少なく単独では地域クラブを維持できない部活の取り扱い 部員充足校は直接移行・部員不足校は地域連携を経由という2段階アプローチで廃部リスクを軽減
地域クラブの質と教育的意義の担保 「長崎市地域クラブ活動指針」に沿った活動を認定の条件とし、3書類による申請審査で要件確認
指導者不足と地域クラブの担い手確保 民間クラブ・競技協会・NPO等の既存団体への移行も容認することで地域の人材資源を活用

成果・効果

長崎市は令和9年度の休日完全地域展開を目標に、令和8年度から「改革実行期間」として本格的な準備を進めている。「地域クラブ活動推進室」という専任組織が相談窓口・認定審査・情報発信を担う体制が整備されたことで、地域クラブを立ち上げようとする団体への支援が組織的に機能するようになった。令和8年4月に改訂された「長崎市地域クラブ活動指針」により、認定要件と申請手続きが明文化され、透明性の高い認定制度の運用が始まっている。部員充足・不足で移行経路を分ける2段階アプローチは、画一的な移行スケジュールを避けながらも令和9年度完全地域展開という目標達成に向けた現実的な工程管理を可能にしている。

出典

→ 原文: 長崎市 中学校部活動の地域移行

→ 参考: 長崎市 中学校部活動の地域展開

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

長崎市は人口約41万人・41校の市立中学校を抱える九州有数の中核都市として、令和9年度(2027年度)の休日部活動の完全地域展開を目標に掲げている。教育委員会の学校教育部内に「地域クラブ活動推進室」を専任組織として設置し、クラブ認定の審査・管理・相談窓口を一元化した。電話番号(095-801-1716)を公開することで、地域クラブを立ち上げたい団体や移行を検討している学校が迷わず接触できる体制を整えている。令和8〜13年度を「改革実行期間」と位置づけ、まず休日の活動から地域クラブへの移行を進め、その後の平日移行も見据えた段階的な準備を進めている。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みの中核は、部活動の状況に応じた2段階の移行経路設計にある。部員が充足している部活動は直接「地域クラブ」へ移行し、部員が不足している部活動はまず複数校合同などの「地域連携」を経てから地域クラブへと移行する。画一的な移行スケジュールを課すのではなく、各部活の実態に合わせた経路を用意することで廃部リスクを軽減する設計となっている。認定を受けるには「認定申請書兼誓約書」「認定要件確認書」「活動指導者登録申請書兼誓約書」の3種類の書類提出が必要で、学校と連携しながら部活動の教育的意義を継承・発展させることが認定の条件とされている。既存の民間クラブや競技協会への移行も受け皿として認めることで、地域の既存資源を最大限に活用する現実的なアプローチをとっている。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

同じ長崎県内では、諫早市も認定制度を整備して地域クラブへの移行を推進している。長崎市が41校という大規模環境で専任組織を設置し、部員数に応じた2段階の移行経路を設計した点は、多数の部活動の調整を組織的に進めるための構造的な解となっている。既存の民間クラブや競技協会を受け皿として認める柔軟な設計が、指導者確保の課題にも対応している。

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