トップ 事例を探す 茨城県 【事例】茨城県高萩市の部活動地域展開 ─ ウエイトリフティングを目玉に早稲田大学連携・国民スポーツ大会レガシー活用
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 茨城県

【事例】茨城県高萩市の部活動地域展開 ─ ウエイトリフティングを目玉に早稲田大学連携・国民スポーツ大会レガシー活用

公開:2026.05.13 更新:2026.05.19
この記事でわかること

・学校部活動にないウエイトリフティングを地域クラブの目玉に据えた
・市職員が早稲田大学監督とクラブ指導者を兼任する三役兼任体制
・日立市・いわき市からも参加を受け入れる広域型運営で競技人口を確保

自治体名 茨城県高萩市
人口規模 約2.7万人
中学校数 市内中学校(高萩市教育委員会生涯学習課が一括管理)
運営形態 市教育委員会主導・競技団体連携型/市職員コーディネーター制
対象競技 ウエイトリフティング(目玉)・軟式野球・サッカーほか(学校部活動にない競技を意図的に拡大)
保護者負担額 各クラブで設定(高萩ウエイトリフティングクラブ等)

取り組みの概要

茨城県高萩市は、令和5年度から段階的に休日中学校部活動の地域移行を開始し、令和8年度(2026年度)からは休日部活動を完全に廃止する計画です。同市の特徴は、学校部活動にはない「ウエイトリフティング」を地域クラブの目玉に位置付け、2019年の国民スポーツ大会開催レガシーを活かして全国中学生選手権大会(2021年~)を継続誘致している点です。

「高萩ウエイトリフティングクラブ」は週3日の活動を実施し、参加者は小中高生23人。市内児童生徒が過半数を占めるほか、日立市・いわき市など隣接地域からも参加が集まり、人口2.7万人の小規模都市の枠を超えた広域型運営となっています。市職員でクラブ指導者を兼ねる吉岡史生氏(早稲田大学監督兼任)がコーディネートを担い、令和7年1月31日~2月1日には早稲田大学ウエイトリフティング部と合同練習を実施するなど、大学アスリートとの連携を制度化しています。

特徴的な取組

  • ウエイトリフティングを目玉に「学校部活動にない競技」を拡大: 学校部活動にはないウエイトリフティングを地域クラブの中核に位置付け、生徒の選択肢を学校部活動の枠を超えて拡大。
  • 2019年国民スポーツ大会レガシーの戦略的活用: 2019年の国民スポーツ大会開催をきっかけに整備された競技基盤を、地域クラブ活動の土台として継続活用。全国中学生選手権大会(2021年~)誘致でも継続的に活用。
  • 市職員+早稲田大学監督の二足の草鞋コーディネーター: 市職員の吉岡史生氏が早稲田大学監督を兼任しクラブ指導者も担当。行政・大学・競技の3つのネットワークを一人で接続する希少な体制。
  • 大学アスリートとの合同練習: 早稲田大学ウエイトリフティング部と合同練習を実施し、中学生チャンピオンと大学生がマンツーマン指導を受ける機会を創出。
  • 高浜スポーツ広場本館の多目的室改修: 床補強・バーベル(0.5~25kg)など必要用具を完備した専用施設を整備し、年間を通じた継続活動の場を確保。
  • 広域からの参加者受入: 市内中高生に加え、日立市・いわき市など隣接地域の小中高生も参加する広域型クラブ運営。人口2.7万人の自治体では成立しにくい競技でも、広域参加で活動の質と量を確保。

課題と解決策

課題 解決策
人口2.7万人の小規模自治体で多様な競技を維持する難しさ ウエイトリフティングのような専門競技は広域参加(市内+日立市・いわき市)を受け入れ、競技人口を確保
専門競技の指導者確保 市職員でクラブ指導者を兼ねる吉岡氏が早稲田大学監督も兼任し、行政・大学・競技を一人で接続
専門競技の活動場所と用具 高浜スポーツ広場本館の多目的室を床補強し、バーベル(0.5~25kg)等の用具を完備した専用施設として改修
競技継続のモチベーション維持 早稲田大学ウエイトリフティング部との合同練習を制度化し、中学生チャンピオンと大学生のマンツーマン指導機会を提供
休日部活動の完全廃止に向けた段階移行 令和5年度から段階移行を開始し、軟式野球・サッカーなどでも令和5・6年度に地域クラブ活動を立ち上げ、令和8年度の完全廃止に向け順次拡大

成果・効果

高萩ウエイトリフティングクラブは週3日活動・参加者23人(小中高生)という規模で運営され、市外からの参加者も含む広域型クラブとして定着。早稲田大学との合同練習や全国中学生選手権大会の継続誘致により、競技経験の質を担保しています。令和6年度版の周知チラシでは申込用QRコードを記載し、登録手続きの簡便化も実現。令和8年度の休日部活動完全廃止に向け、軟式野球・サッカーを含む複数競技で受け皿団体の整備が進行中です。

出典

→ 原文: 高萩市公式ホームページ「休日部活動の地域移行」(高萩市教育委員会生涯学習課)
→ 原文: 教育新聞「【部活動地域移行の現場】目玉はウエイトリフティング 茨城・高萩」

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

高萩市の事例で最も注目すべきは、学校部活動にない競技をあえて地域クラブの目玉に据える発想です。多くの自治体が既存部活動の受け皿確保に注力する中、高萩市は2019年の国民スポーツ大会開催レガシーをウエイトリフティングという形で地域に残し、地域クラブ活動を新しい選択肢を提供する場へと進化させました。生徒は学校部活動の枠を超えて競技を選べるようになり、地域移行が単なる代替ではなく拡張として機能しています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

市職員の吉岡史生氏が早稲田大学監督を兼任しクラブ指導者も担う三役兼任体制は、人材確保が困難な小規模自治体における実用的なモデルです。一人の人物が行政・大学・競技の3つのネットワークを束ねることで、組織間の調整コストを大幅に圧縮しています。さらに広域参加の設計により、市内児童生徒に加え日立市いわき市からの参加者も受け入れ、人口2.7万人の枠を超えた競技人口を確保している点も注目に値します。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

国民スポーツ大会レガシー競技を地域クラブに転換する設計は、過去に同大会を開催した自治体であれば応用可能で、施設・用具・指導者ネットワークが既に存在するためコスト圧縮効果が大きい点が強みです。広域参加を許容する設計は、競技人口が確保できない小規模自治体に有効ですが、保険・大会出場資格・連絡体制の整備を予め整理しておく必要があります。

CONSULTING / 専門家に相談

受け皿団体の組織整備・経営について
専門家に相談しませんか?

設立手続きの進め方・行政との調整・資金計画など、
総合型地域スポーツクラブ特化のコンサルティングをご提供しています。

🏢 クラブ立ち上げ
🤝 行政調整・仲介
📊 事業計画策定

HOW TO START

3ステップで
相談を始められます

  • 01フォームから状況を送信
  • 02オンラインで初回ヒアリング
  • 03最適な支援プランを提示
専門家に相談する →