【事例】茨城県土浦市の部活動地域展開 ─ 推進協会主導「Blue Ocean」5地区拠点・年会費26,000円で6種目43部を令和8年全面移行
・市教育委員会が「土浦市地域クラブ活動推進協会」を直接設立し、運営事務局を行政内製化した点が最大の特徴です。
・5地区拠点に独自ブランド名を付与し、対象生徒546人のうち約9割にあたる490人が参加する高い参加率を実現しました。
・指導者バンク88名のうち兼職兼業教員が58名を占め、平日と休日の指導の連続性を確保しています。
| 自治体名 | 茨城県土浦市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約14万2千人(2024年時点) |
| 中学校数 | 公立中学校8校(生徒数3,164人) |
| 運営形態 | 市区町村運営型(任意団体設立型)― 土浦市地域クラブ活動推進協会「Blue Ocean」 |
| 対象競技 | 軟式野球・サッカー・バスケットボール(男女)・バレーボール(男女)の6種目43部活 |
| 保護者負担額 | 年会費26,000円+スポーツ安全保険料800円/年 |
取り組みの概要
土浦市では、令和5年度に茨城県の運動部活動地域移行実証事業を受託し、市教育委員会が主導して任意団体「土浦市地域クラブ活動推進協会」を設立。地域クラブの愛称を「Blue Ocean(ブルーオーシャン)」とし、市内全8中学校を対象に休日部活動を地域クラブへ段階的に移行する取組を進めています。令和6年度には茨城県の「重点地域における政策課題への対応」事業の対象自治体にも選定され、土浦市・高萩市・つくば市・守谷市・神栖市の5市が県内モデル地域として共同で課題解決に取り組んでいます。最終目標は令和8年10月までに全ての休日部活動を地域クラブ活動へ完全移行することです。
特徴的な取り組み
- 5地区拠点制(北・東・西・南・中央): 隣接する中学校を組み合わせて5地区に分割し、それぞれにNexus(絆)・Epics(素晴らしい)・Wish(希望)・Spirits(魂)・Courage(勇気)という名前を付与。各拠点の主会場校を中心に複数校の生徒が集まる仕組みで、単独校では維持困難な部活動を広域でカバーします。
- 指導者バンク(登録88名)の構築: 兼職兼業を希望する教員58名・部活動指導員6名・部活動外部指導者11名・管理職や小学校教員8名・行政職員5名で計88名を登録。各拠点に複数名を配置することで物理的・心理的安全を確保しています。
- 情報システム会社と共同開発した連絡用ツール: クラブ参加申込・出欠確認・緊急連絡をデジタル化。CDC情報設計株式会社と連携して保護者・生徒・指導者間の情報伝達を一元化しました。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 少子化により生徒数が令和10年に約2,900人(30年前の約2/3)に減少する見込みで、単独校での部活動維持が困難 | 市内全8校を5地区に再編成し、隣接校の生徒が同一拠点で活動できる枠組みに転換 |
| 部活動と地域クラブで指導者が変わることに対する生徒・保護者の不安 | 兼職兼業を希望する教員・部活動指導員を地域クラブ指導者バンクに登録し、平日と休日の指導の連続性を確保 |
| 受け皿となる民間スポーツ・文化芸術団体の供給に限界 | 市教育委員会が直接「土浦市地域クラブ活動推進協会」を起ち上げ、行政主導で運営事務局を整備 |
成果・効果
対象部活動に参加する546人の生徒(令和5年5月調査)のうち、約9割にあたる490人が地域クラブ活動「Blue Ocean」にも参加しました。参加生徒へのアンケートでは約8割が地域クラブ活動に満足しており、うち約3割は「指導者の指導内容や複数体制での安心感」を理由に挙げています。また、活動時間(土日いずれか3時間程度)について56.6%が「ちょうどよい」と回答。休日部活動の指導から外れた教員からは「土日に余裕ができた」との声があがり、学校の負担軽減にも寄与しました。
出典
→ 原文: 茨城県教育委員会「令和5年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 運動部活動の地域移行に向けた実証事業 成果報告書(土浦市)」
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