トップ 事例を探す 群馬県 【事例】群馬県前橋市の部活動地域展開 ─ 県庁所在地が5年計画で休日完全移行宣言・令和9年8月末ゴール×3類型受け皿モデル
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【事例】群馬県前橋市の部活動地域展開 ─ 県庁所在地が5年計画で休日完全移行宣言・令和9年8月末ゴール×3類型受け皿モデル

公開:2026.05.21 更新:2026.05.21
この記事でわかること

・前橋市の5年間段階展開ロードマップ(令和8〜12年度・休日完全移行は令和9年8月末)
・スポーツ少年団・競技協会・有志団体の3類型による地域クラブ実施主体の設計
・県庁所在地32万人が「休日学校部活動を実施しない」と明文化したリーダーシップ事例

自治体名 群馬県前橋市
人口規模 約32万人(2025年時点・群馬県県庁所在地)
中学校数 市立中学校 全校が対象
運営形態 市教育委員会主導・地域クラブ(スポーツ少年団・競技協会・有志団体)が実施主体・「前橋市学校部活動の地域展開に向けた推進計画」(令和8〜12年度)
対象競技 運動部・文化部全般(学校施設利用は既存部活動種目に限定)
保護者負担額 月額4,000円までが可能と回答した保護者が約7割(アンケート結果)

取り組みの概要

群馬県前橋市は、少子化による生徒数減少で部活動の存続が困難となっている状況を踏まえ、令和5年度から部活動の地域移行に向けた取組をスタートし、令和7年度から地域展開を開始しました。文化庁・スポーツ庁「部活動改革実行会議」の令和6年12月中間報告を踏まえ、市教育委員会は「前橋市学校部活動の地域展開に向けた推進計画」を策定。令和8年度から令和12年度までの5年間を計画期間とし、令和9年8月末までに休日の部活動を完全に地域クラブ活動へ展開、令和12年度末までに平日にも地域クラブが活動できる体制整備を目指すロードマップを公表しています。推進計画案には17名から18件のパブリックコメントが寄せられ、市民意見を反映した計画として確定しました。

特徴的な取り組み

  • 5年間の段階展開ロードマップ: 令和8〜12年度を計画期間として、令和9年8月末までに休日完全移行、令和12年度末までに平日体制整備を完了させる中期計画を県庁所在地として明示。
  • 3類型の地域クラブ主体: スポーツ少年団・競技協会・有志団体の3類型を地域クラブ実施主体として位置付け、既存地域資源を活用した受け皿形成を推進。
  • パブリックコメントを反映した推進計画: 推進計画案について市民から意見募集を実施し、17名から18件のコメントを反映して計画を確定。県庁所在地として透明性ある合意形成プロセスを採用。
  • 保護者の支払い意向に基づく費用設計: アンケート調査で「月額4,000円までが可能」と回答した保護者が約7割であることを把握し、現実的な参加費水準を計画に反映。
  • 休日学校部活動の停止宣言: 令和9年9月以降は大会参加等特別な場合を除き休日の学校部活動を実施しない方針を明確化し、教員の働き方改革と地域クラブへの完全移行を両立。

課題と解決策

課題 解決策
多様な地域クラブ主体の確保(県庁所在地として全市的に多種目の受け皿が必要) スポーツ少年団・競技協会・有志団体の3類型を実施主体として位置付け、既存組織からの受け皿転換を推進
保護者の費用負担への理解形成 事前アンケートで支払い意向を把握し(4,000円/月までが約7割)、参加費上限の目安を計画に反映
学校施設利用の調整(地域クラブ活動は社会教育に位置付けられる) 学校施設利用は既存部活動種目に限定する形でルール化し、安定的利用を確保
市民・保護者の合意形成 推進計画案のパブリックコメント(17名・18件意見)を反映して計画を確定し、透明性ある策定プロセスを採用

成果・効果

前橋市は群馬県の県庁所在地(人口約32万人)として、5年間の中期計画で休日完全移行(令和9年8月末)と平日体制整備(令和12年度末)の2段階ゴールを明確化したことが大きな特徴です。県庁所在地クラスの大都市が「令和9年9月以降は休日学校部活動を実施しない」と明文化することは、群馬県内35市町村への波及効果が期待されます。また、保護者の支払い意向アンケートに基づく費用設計や、パブリックコメントによる市民意見反映など、合意形成プロセスを丁寧に踏んだ点で、同規模自治体への参考性が高い事例となっています。

出典

→ 原文: 「前橋市学校部活動の地域展開に向けた推進計画(案)」に関するパブリックコメント実施結果(前橋市公式サイト)前橋市部活動の地域移行(教育委員会事務局学校教育課)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

前橋市の事例で特筆すべきは、県庁所在地クラス(人口32万人)が「令和9年9月以降は休日学校部活動を実施しない」と明文化した点です。多くの中核市・県庁所在地が「段階的に検討」と曖昧な表現にとどまる中、前橋市は5年間のスケジュールで休日完全移行(令和9年8月末)と平日体制整備(令和12年度末)の2段階ゴールを明確化しました。また、保護者の支払い意向(月額4,000円までが約7割)を事前アンケートで把握して計画に反映した点も、現実的な費用設計として合理的です。県庁所在地が地域移行に踏み込むことは、群馬県内35市町村への波及効果が期待されるリーダーシップ事例です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

前橋市方式を他の県庁所在地・中核市が導入する際の最大のハードルは、「令和9年9月以降は休日学校部活動を実施しない」という強い宣言に対する学校現場・保護者からの不安です。前橋市は5年間の計画期間と段階展開を明示し、パブリックコメントを通じて市民意見を反映するプロセスを取りましたが、他地域では事前のアンケート調査・複数回の説明会・パブコメ実施を組み合わせ、合意形成に少なくとも1〜2年を確保することが必要です。また、スポーツ少年団・競技協会・有志団体の3類型の地域クラブ主体を立ち上げるため、既存スポーツ協会・文化協会との早期連携体制構築が成否の分かれ目となります。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

前橋市の制度は、5年間の中期計画として段階展開のマイルストーンを明示し、パブリックコメントで市民意見を反映した点でガバナンスは高水準です。一方、財源面では受益者負担額(月額4,000円目安)の妥当性と、生活困窮世帯への支援策の具体性が今後の論点となります。県庁所在地として群馬県内への波及効果を担う立場として、令和8〜9年度の実証フェーズで運営団体の確保・指導者の質保障・参加費の柔軟設計をどこまで実現できるかが持続可能性の鍵となります。

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