【事例】愛媛県伊予市の部活動地域展開 ─ 一般社団法人「SASAERU」に事務局を委託し月額3,000円で9種目を休日の地域クラブへ
・既存の総合型地域スポーツクラブ「SASAERU」に事務局を委託した伊予市の役割分担
・月額参加費3,000円+保険料800円と、移行前に金額を確定して公開する合意形成の手法
・モデル事業→プレ実施→本格実施という3段階で指導者交代の摩擦を抑える進め方
| 自治体名 | 愛媛県伊予市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約3万4千人(令和8年5月末現在・住民基本台帳34,509人) |
| 中学校数 | 4校(港南中学校・伊予中学校・中山中学校・双海中学校) |
| 運営形態 | 民間事業者への委託(市教育委員会が総合型地域スポーツクラブ「一般社団法人SASAERU」に事務局を委託) |
| 対象競技 | サッカー、バスケットボール(男女)、バレーボール(男女)、軟式野球、ソフトボール、ソフトテニス(男女)、陸上競技、卓球(男女)、吹奏楽の9種目 |
| 保護者負担額 | 月額参加費3,000円+保険料800円(令和8年4月以降のモデル事業参加者は保険料支払済みのため参加費のみ) |
取り組みの概要
愛媛県伊予市は、令和7年度から一部の部活動を対象に「伊予市地域クラブ活動モデル事業」を実施し、令和8年度から休日部活動が順次地域クラブ活動となることを前に、モデル活動を積み重ねてきました。
運営を担うのは一般社団法人SASAERU(ササエル)です。市内の総合型地域スポーツクラブで、伊予市教育委員会が地域クラブ活動の事務局を同法人に委託しています。入会受付や参加費の収納といった実務を市役所の中に抱え込まず、クラブ側に集約した体制です。
本格実施に先立ち、令和8年8月29日(土)・30日(日)に港南中学校でプレ実施を行い、参加生徒と指導者の顔合わせおよび活動の流れの確認を実施しました。そのうえで令和8年9月から、休日部活動を順次終了し、地域クラブ活動を開始しています。
特徴的な取り組み
- 既存の総合型地域スポーツクラブに事務局機能を委託: 地域展開のために新たな受け皿法人を設立するのではなく、市内で活動していた一般社団法人SASAERUに事務局を委託しました。会員管理・申込受付・参加費収納といった事務が一本化され、市は制度設計と調整に集中できる構造です。
- 参加費を事前に金額で公開: 月額参加費3,000円、保険料800円と具体的な金額を市のホームページで示しています。地域展開の説明時に「費用は未定」と伝える自治体が多い中、移行前に金額を確定して公開している点が特徴です。
- 二重徴収を避ける経過措置: 令和8年4月以降のモデル事業参加者については保険料が支払済みであることを踏まえ、本格実施にあたっては参加費のみの負担としています。モデル事業からの連続性を前提にした細かい配慮です。
- 運動8種目に文化部1種目を加えた構成: サッカー、バスケットボール(男女)、バレーボール(男女)、軟式野球、ソフトボール、ソフトテニス(男女)、陸上競技、卓球(男女)の運動系に加え、吹奏楽を対象としています。文化部を初年度から対象に含めた構成です。
- プレ実施で顔合わせを挟む: 本格実施の直前に2日間のプレ実施を設け、参加生徒と指導者の顔合わせ、活動の流れの確認を行いました。指導者が学校の顧問から外部指導者に代わる局面で、初日にいきなり本番を迎えない設計になっています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 地域クラブ活動の受け皿となる運営団体をどう確保するか | 新規法人を設立せず、市内で活動していた総合型地域スポーツクラブ「一般社団法人SASAERU」に市教育委員会が事務局を委託した |
| 入会受付・会費収納といった事務を誰が担うのか | 事務局機能をSASAERUに集約し、市は制度設計と関係調整に役割を絞った |
| 保護者が負担額を把握できないまま移行時期を迎える不安 | 月額参加費3,000円・保険料800円と金額を確定し、本格実施前に市ホームページで公開した |
| モデル事業の参加者が保険料を二重に負担してしまう恐れ | 令和8年4月以降のモデル事業参加者は保険料支払済みとして扱い、本格実施では参加費のみの負担とした |
| 指導者が学校の顧問から外部指導者に切り替わる際の生徒の戸惑い | 令和8年8月29日・30日に港南中学校でプレ実施を行い、参加生徒と指導者の顔合わせおよび活動の流れの確認を事前に済ませた |
成果・効果
令和7年度のモデル事業を経て、令和8年9月から休日部活動を順次終了し、9種目を地域クラブ活動へ移行する段階に入りました。モデル事業で先行実施した種目から順に本格実施へ切り替える流れです。
保護者負担の設計は明快です。月額参加費3,000円に保険料800円を加えた形で、年度途中の加入者についても保険料の扱いを個別に整理しています。受益者負担の水準を移行前に確定させたことで、保護者は年間費用を事前に見積もることができます。
参加生徒数など実施規模の数値は、市の公式ページでは調査時点で公表されていません。
出典
→ 原文: 伊予市地域クラブ活動モデル事業(伊予市公式ホームページ)
→ 中学校: 学校教育施設(伊予市公式ホームページ)
→ 人口: 人口統計(伊予市公式ホームページ)
CONSULTING / 専門家に相談
受け皿団体の組織整備・経営について
専門家に相談しませんか?
設立手続きの進め方・行政との調整・資金計画など、
総合型地域スポーツクラブ特化のコンサルティングをご提供しています。