【事例】和歌山県橋本市の部活動地域展開 ─ 県立中学校×市内地域クラブ連携で月1,000円ソフトテニスを休日実証
・県教育委員会が運営主体・市内既存地域クラブが受け皿となる「二層型」地域展開モデル
・月会費1,000円・週1回・既存クラブ活用でイニシャルコストゼロの設計
・県立中学校と市立中学校が混在する地域での先行事例の参考
| 自治体名 | 和歌山県橋本市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約5.8万人(2024年6月時点・推計人口57,941人) |
| 中学校数 | 市立5校(橋本中央・隅田・紀見東・紀見北・高野口)+ 県立古佐田丘中学校 |
| 運営形態 | 和歌山県教育委員会教育支援課が運営主体・既存地域クラブと連携する休日移行モデル |
| 対象競技 | ソフトテニス(橋本ジュニアソフトテニスクラブ)/陸上競技(紀の国アスリートクラブ) |
| 保護者負担額 | 月会費1,000円(ソフトテニス)/月会費2,000円(陸上競技)。スポーツ安全保険 生徒800円/年・指導者1,850円/年 |
取り組みの概要
和歌山県は令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業(スポーツ庁実証事業)で、県教育委員会教育支援課が運営主体となり、県内に5校ある県立中学校のうち2校・2部活動で休日活動の地域移行を開始しました。橋本市内では、県立古佐田丘中学校のソフトテニス部(男女)が、市内の既存地域クラブ「橋本ジュニアソフトテニスクラブ」と連携する形で2024年12月から週1回の休日活動を実証しています。和歌山県全体の出生数推計では令和18年度に中学生年代の人口が令和6年度比で約69%に減少する見込みで、市町村単独で中学生のスポーツ環境を維持することが困難になると見込まれており、橋本市での実証は広域連携モデルの先行事例として位置付けられます。
特徴的な取り組み
- 県教委×市内地域クラブの役割分担モデル: 県立古佐田丘中学校のソフトテニス部は、平日活動を学校(中体連大会出場も学校部活動として)、休日活動を橋本ジュニアソフトテニスクラブが担当(その他大会は地域クラブとして出場)。同一生徒が平日・休日で運営主体を切り替える「並走型」を採用しています。
- 既存クラブ活用でイニシャルコストゼロ: 既存の地域スポーツクラブと連携したため、クラブの立ち上げ費用は発生せず。県教育委員会の実証報告では「イニシャルコストを公費補助なく受益者が負担することは考えにくい」と明記し、既存資源活用の重要性を強調しています。
- 低額・短時間で持続性を意識: 月会費1,000円・週1回(土曜9:00〜12:00、学文路スポーツパーク使用)・指導者2人+運営スタッフ2人で運営。県保護者アンケートでは「1回500〜1,000円が上限」と回答した保護者が79%を占め、月2,000〜4,000円が現実的な上限として想定されています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 県教育委員会が運営主体となると、指導者謝金・会場使用料・消耗品購入等の支払い方法に行政会計上の制約が生じる | 運営団体(既存地域クラブ)への業務委託を今後研究。実証段階では既存クラブとの連携で支払いスキームを最小化 |
| 県立中学校生徒の生活圏と学校が離れているケース・高等学校との関わりなど県立校特有の課題 | 橋本市の事例では市内既存クラブ(学文路スポーツパーク)を活用することで通学導線と整合。今後は市町村単位の検討と県の広域連携を併走 |
| 大学・県スポーツ協会等との連携による指導者派遣が今年度は実現しなかった | 令和7年度以降、和歌山大学等との連携プログラム・人材バンク機能の創設について継続研究 |
成果・効果
橋本ジュニアソフトテニスクラブは、古佐田丘中学校の2年生2名・1年生2名の参加で2024年12月にスタート。同時期に九度山町でも「九度山ジュニアソフトテニスクラブ」(2年生8名・1年生14名)、和歌山市で「紀の国アスリートクラブ」(陸上競技・2年生3名・1年生3名)が同じ枠組みで開始し、和歌山県全体で3クラブ・3部活が地域移行型として運用に乗りました。県教育委員会は橋本市・九度山町を含む2025年2月時点で約50%の市町村で協議会を設置済み、30%が令和6年度内、17%が令和7年度設置予定としており、橋本市での実証成果が市町村協議会の運営設計に直接反映される構造です。
出典
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