トップ 事例を探す 大分県 【事例】大分県日田市の部活動地域展開 ─ 剣道連盟の認定地域クラブが先行・令和9年度の休日地域展開へ4つの受け皿パターンを提示
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【事例】大分県日田市の部活動地域展開 ─ 剣道連盟の認定地域クラブが先行・令和9年度の休日地域展開へ4つの受け皿パターンを提示

公開:2026.07.28 更新:2026.07.28
この記事でわかること

・日田市が令和9年度の休日地域展開を目指し剣道連盟の認定地域クラブを先行させた経緯
・既存団体・連盟新設・合同拠点・保護者会型という受け皿4パターンの整理方法
・「休日に部活動ができなくなる」と明示した保護者向け情報提供の進め方

自治体名 大分県日田市
人口規模 約6.3万人(2020年国勢調査)
中学校数 市立12校
運営形態 行政主導(日田市立中学校部活動検討委員会で検討)・競技団体設立クラブの市認定制度
対象競技 剣道(認定地域クラブ先行)、柔道・野球・サッカー(試験的取組)ほか全般
保護者負担額 調査時点で未公表

取り組みの概要

日田市は、スポーツ庁・文化庁の総合的なガイドライン(令和4年12月)と大分県教育委員会の方針(令和5年3月)に基づき、「日田市の学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する方針」を策定し、休日の部活動から地域展開を進めています。令和8年3月には保護者向けチラシを発行し、「令和8年度はこれまで通り平日・休日に通常の学校部活動を実施し、令和9年度から休日の部活動を地域展開することを目指して準備している」というスケジュールを明示しました。

受け皿の確保状況を把握しながら、日田市立中学校部活動検討委員会等でスケジュールを含めた地域展開の在り方を継続協議しています。

特徴的な取り組み

  • 剣道連盟による認定地域クラブの先行スタート: 日田市剣道連盟が地域クラブを設立し、市の認定を受けて令和8年度から認定地域クラブとして活動を開始し、中体連の大会に参加する予定です。市内の中学生が希望すれば、どの中学校からも参加できます。
  • 柔道・野球・サッカーの試験的取組: 休日の練習機会の確保を目的に、課題を検証するための試験的な合同活動を令和8年度に実施予定。チーム編成等の大会参加には影響させず、参加校は合同活動日以外の休日は自校で通常の部活動を行います。
  • 受け皿4パターンの明示: ①既存クラブ・団体が受け皿となる形、②協会・連盟等が新しく作るクラブが受け皿となる形、③複数の学校部活動が合同で活動する拠点クラブの形、④保護者会や地域が練習機会を確保するクラブの形──の4類型を保護者に提示し、①〜③は複数校対象、④は単独校対象(平日と同じメンバーでの活動)と整理しています。
  • 保護者への早期・具体的な情報提供: 「今後、中学校部活動は休日に活動ができなくなる方向です」と明確に伝えた上で、休日の選択肢(地域クラブ・公民館教室・クラブチーム・休養)を本人の希望で選ぶ姿勢を示しています。

課題と解決策

課題 解決策
受け皿となる地域クラブの確保 既存団体・競技団体新設・合同拠点・保護者会運営の4パターンを提示し、競技ごとに望ましい形を学校と協議
大会参加資格の取り扱い 剣道は連盟設立クラブが市の認定を受けて中体連大会に参加予定。試験的取組はチーム編成等の大会参加に影響させない設計
保護者・生徒の不安 令和8年3月にチラシを配付し、スケジュール・想定パターン・休日の選択肢を事前に周知。詳細は令和8年4月にプリント配付予定

成果・効果

令和8年度時点では通常の学校部活動を維持しながら、剣道の認定地域クラブ開始と柔道・野球・サッカーの試験的取組という「先行事例づくり」の段階にあります。認定地域クラブは市内全12中学校の生徒が学校の枠を超えて参加できる仕組みであり、平日と同じメンバーで活動したい場合は保護者会運営型クラブという選択肢も残されています。参加者数等の定量的な成果は調査時点で未公表です。

出典

→ 原文: 中学校部活動の地域展開について(日田市教育委員会・令和8年3月チラシ)
→ 参考: 日田市の中学校部活動の地域展開について(日田市公式サイト)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

日田市の事例で注目すべきは、保護者向けチラシで「休日に部活動ができなくなる方向」という結論を包み隠さず伝えた情報公開の姿勢です。多くの自治体が方針文書を公表しても保護者まで届かない中、日田市は受け皿の4パターンと年度別の見通しをA4チラシに落とし込み、家庭の意思決定に必要な情報を先回りで提供しています。また、市剣道連盟による認定地域クラブを先行させ、「競技団体がクラブを作り、市が認定し、中体連大会に出る」という一連の流れを実例として示したことは、後続競技への強力なモデルケースになります。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

受け皿4パターンの提示はどの自治体でも応用できますが、実際に手を挙げる団体が現れるかは別問題です。日田市では剣道連盟が最初の一歩を踏み出しましたが、これは競技団体側に運営意欲と組織力があったためです。移植する際は、まず地元の競技団体・連盟に個別にヒアリングし、意欲のある1団体を「認定第1号」として集中的に支援する進め方が現実的です。また、試験的取組を「大会参加に影響させない」設計にした点は、保護者の反発を避けながら課題検証を進める工夫として参考になります。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

検討委員会での継続協議を軸に、国・県の方針に準拠した市方針を策定した上で段階的に進める手堅い設計です。認定制度により市がクラブの質を担保する枠組みも整っています。一方、認定基準の詳細や運営財源・保護者負担の在り方は公表資料からは確認できず、令和9年度の休日展開に向けてこれらの制度設計が今後の焦点となります。中山間地を含む市域で12校の生徒の移動手段をどう確保するかも持続可能性の鍵です。

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