トップ 事例を探す 大分県 【事例】大分県大分市の部活動地域展開 ─ 7回の検討委員会と3ステップ計画による令和12年度完全移行
全種目 👥 30万人以上 🏫 大規模校(300人以上) 📍 大分県

【事例】大分県大分市の部活動地域展開 ─ 7回の検討委員会と3ステップ計画による令和12年度完全移行

公開:2026.04.28 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・令和12年度完全移行を目標に、3段階・8年間の明確な工程表を設定
・教員の73%が休日指導を望まず、人材バンク拡充で教員に依存しない体制を構築
・生徒・保護者・教員への大規模アンケートを根拠として移行計画を策定

自治体名 大分県大分市
人口規模 約47万人(2024年時点)
中学校数 29校(市立中学校)
運営形態 市区町村運営型(地域団体・人材活用型または任意団体設立型)
対象競技 全種目(運動部17競技・文化部7分野)
保護者負担額 調査時点で未定(R5アンケートでは月1,000〜3,000円未満が最多回答)

取り組みの概要

大分市は令和5年(2023年)10月に「大分市立中学校部活動地域移行検討委員会」を発足させ、令和7年2月までに7回の審議を経て報告書をまとめました。市内29校・12,536人が在籍し、運動部437部・文化部50部を有する中核市として、一律の移行ではなく「複数の道筋」と「多様な方法」を組み合わせた段階的移行を基本方針としています。令和12年度(2030年度)の休日部活動完全移行を最終目標に、3段階のスケジュールを設定しました。中学生世代の人口が令和5年度13,870人から令和17年度には10,724人(22.7%減)に減少する見込みのなか、少子化に対応した持続可能な体制構築を急いでいます。

特徴的な取り組み

  • 3ステップの段階的移行計画:第1期(R5〜R7年度)は体制構築と検証事業、第2期(R8〜R10年度)は学校と地域クラブの連携推進、第3期(R11〜R12年度)は休日部活動の地域クラブ活動への完全移行という明確な工程表を設けています。
  • 2タイプの運営モデル並立:総合型地域スポーツクラブ等の既存団体を活用する「地域団体・人材活用型」と、新たな任意団体を設立する「任意団体設立型」の2つのモデルを地域の実情に応じて選択できる柔軟な体制を採用しています。
  • 人材バンクの拡充と専門部署設置:大学生・公務員・退職教員・民間企業従事者を指導者として登録する人材バンクを拡充し、部活動地域移行に関する専門部署を設置して一元的な管理運営を図ります。経済的困窮家庭・多子世帯への費用支援も検討しています。

課題と解決策

課題 解決策
教員の73%(714人中523人)が休日の地域指導を「したくない」と回答 地域人材の人材バンク拡充を中心に据え、謝礼金制度の整備と並行して教員に依存しない運営体制を構築しています。
地区によって最大60%の中学生世代人口減少が見込まれる(野津原地区等) 地域・競技・文化活動ごとに異なる状況に対応するため、複数の運営モデルを地区の実情に応じて組み合わせる臨機応変な対応を基本方針としています。

成果・効果

令和7年2月に報告書を策定し、令和5年12月に実施した大規模アンケート(生徒6,826人・回答率86%、保護者2,779人、教員714人)の結果を基盤とした移行計画が整備されました。保護者の最多回答は「月1,000〜3,000円未満が妥当」であり、経済的負担を抑制した受益者負担制度の設計が今後の課題となっています。専門部署の設置と人材バンク拡充が令和8年度からの本格稼働に向けた重点施策となっています。

出典

→ 原文: 大分市立中学校部活動地域移行検討委員会 報告書(令和7年2月) ─ 大分市公式ウェブサイト

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

大分市は令和5年10月に検討委員会を発足させ、令和7年2月までに計7回の審議を経て報告書をまとめた。市内29校・12,536人の中学生を抱える中核市として、令和12年度(2030年度)の完全移行を最終目標に掲げ、3段階の工程表を設けている。第1期(R5〜R7年度)で体制構築と検証事業を進め、第2期(R8〜R10年度)で学校と地域クラブの連携を推進し、第3期(R11〜R12年度)で休日部活動を地域クラブ活動へ完全移行する設計となっている。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

大分市のアンケートでは教員714人中73%にあたる523人が休日の地域指導を「したくない」と回答しており、教員への依存を断ち切った体制構築が移行の前提条件となっている。この取り組みでは大学生・公務員・退職教員・民間企業従事者を登録する人材バンクを拡充し、専門部署を設置して一元管理を図る方針を採っている。また、中学生世代人口が令和17年度に令和5年度比22.7%減となる見込みのなか、地域団体・人材活用型と任意団体設立型の2モデルを地域の実情に応じて使い分ける柔軟性を基本方針としている。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

令和5年12月に生徒6,826人(回答率86%)・保護者2,779人・教員714人を対象とした大規模アンケートを実施し、その結果を移行計画の根拠として組み込んでいる。保護者の最多回答が月1,000〜3,000円未満であることを踏まえ、経済的負担を抑制した受益者負担制度の設計が今後の焦点となっている。

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