トップ 事例を探す 新潟県 【事例】新潟県見附市の部活動地域展開 ─ 「共創郷育」理念×まちづくり課が窓口×R8.8休日完全停止×種目別段階展開(卓球・ソフトテニス→野球・バレー→サッカー・バスケ・陸上)
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 新潟県

【事例】新潟県見附市の部活動地域展開 ─ 「共創郷育」理念×まちづくり課が窓口×R8.8休日完全停止×種目別段階展開(卓球・ソフトテニス→野球・バレー→サッカー・バスケ・陸上)

公開:2026.05.22 更新:2026.05.22
この記事でわかること

・「共創郷育」理念と「まちづくり課」窓口による横断的ガバナンスモデル
・R5卓球→R6野球→R7サッカー等の種目別段階展開とR8.8休日完全停止ロードマップ
・20年で475人減(H14:1,446人→R7:918人)の縮小トレンド下での地域クラブ展開

自治体名 新潟県見附市
人口規模 約3.7万人(2024年時点)
中学校数 市立中学校4校(中学生数918人/R7.5.1時点)
運営形態 「共創郷育」理念のもと、市まちづくり課が地域クラブを管理。地域指導者・活動サポーターが運営主体。地域クラブ人材バンクで人材確保
対象競技 R5:卓球・ソフトテニス/R6追加:野球・バレーボール/R7検討:サッカー・バスケットボール・陸上/R7.4文化:美術(平日)/既存地域クラブ:見附Blue Bird(女子バスケ)・つるぎFC(サッカー)
保護者負担額 スポーツ安全保険料を団体ごとに徴収(具体額は各クラブで設定)

取り組みの概要

見附市(人口約3.7万人)は、令和4年6月に「見附市部活動の在り方検討委員会」を設置し、令和5年3月に「見附市地域スポーツ・文化クラブ活動環境整備方針」を策定した、新潟県内で計画策定の早期着手を実現した自治体です。最大の特徴は「共創郷育」(学校・家庭を含めた地域全体で子どもを育てる「人づくり」)という独自理念を掲げ、令和8年8月から休日部活動を完全に停止する明確な方針を打ち出している点です。中学生数は20年間で1,446人→918人(H14→R7)と475人減少しており、野球部がある中学校は4校中2校、サッカー部は1校のみという深刻な部活動継承課題に対応する地域クラブ展開モデルです。

特徴的な取り組み

  • 「共創郷育」独自理念の明文化: 単に指導者を学校から地域に変えるのではなく、「学校・家庭を含めた地域全体で子どもを育てる人づくり」を理念に据えた地域協働型モデル。教育委員会ではなく「まちづくり課」が窓口となるユニークな組織配置。
  • R8.8から休日部活動完全停止の明確方針: 「令和8年8月から休日の部活動を実施しない」という明確な期限設定。平日学校部活動は当面継続しつつ、休日活動の完全地域移行を実現。
  • 年度別・種目別の段階展開: R5:卓球・ソフトテニスから開始→R6:野球・バレーボール追加→R7:サッカー・バスケ・陸上検討→R7.4:美術(文化分野・平日)開始。種目ごとに段階的に地域クラブを立ち上げる現実的ロードマップ。
  • 20年で475人減の深刻な現実への対応: 平成14年1,446人→令和7年918人と中学生数が3分の1減少。野球部設置校が4校中2校、サッカー部1校という状況下で地域クラブ化が「やりたい活動の体験機会喪失」を防ぐ唯一の手段に。
  • 「地域クラブ人材バンク」登録制度: 指導者と活動サポーターを地域から募集する人材バンクを整備。市役所まちづくり課が登録を受け付け、専門的指導者の確保と多様性を担保。
  • 既存クラブの活用(見附Blue Bird・つるぎFC): 女子バスケ「見附Blue Bird」、サッカー「つるぎFC」など既存の地域クラブを部活動受け皿として正式に位置付け、ゼロからの団体設立を回避。
  • 美術部の文化分野「平日」先行: R7.4から美術部の地域クラブ活動を平日に開始。文化分野での平日地域クラブは全国でも珍しく、運動部の休日移行と並行する文化先行モデル。

課題と解決策

課題 解決策
20年で475人減(H14:1,446人→R7:918人)、野球部設置校2/4・サッカー部1/4の深刻な状況 地域クラブで複数校横断のチーム編成を可能にし、競技継続の道を確保
R8.8休日部活動完全停止に向けた急速な体制整備 R5から年度別・種目別に段階展開し、卓球・ソフトテニス→野球・バレー→サッカー・バスケ・陸上と順次拡大
地域指導者・活動サポーターの確保 「地域クラブ人材バンク」登録制度で指導者・サポーター両層を募集
文化部(特に美術等)の少人数対応 R7.4から美術部の地域クラブを平日先行で開始し、文化部の継承を実現
長時間勤務・専門外指導など教員負担 「共創郷育」理念に基づき、教員の働き方改革と地域育成を同時達成

成果・効果

見附市は、R4.6の検討委員会設置からR5.3の環境整備方針策定、R5の卓球・ソフトテニス先行開始、R6の野球・バレーボール追加、R7.4の美術部(文化分野・平日)開始と、年次的に地域クラブを拡大してきました。20年間で中学生数が475人減少という深刻な縮小トレンドの中、「共創郷育」理念のもと「まちづくり課」が窓口となる独自のガバナンス構造は、教育委員会単独の取組では到達困難な地域全体での協働を実現しています。令和8年8月の休日部活動完全停止という明確な期限設定は、関係者の合意形成と段階展開を加速する駆動力となっており、行政視察受け入れも公開する透明性の高い運営が継続中です。

出典

→ 原文: 部活動地域移行(地域展開)に関する情報(見附市公式)

→ 参考: 見附市が目指す部活動の地域移行とは?(見附市・見附市教育委員会パンフレット)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

見附市モデルの最大の特徴は「共創郷育」という独自理念と、それを体現する「まちづくり課」窓口体制です。多くの自治体が教育委員会主導で進める中、見附市は「学校・家庭・地域全体で人づくり」という地域開発の文脈で部活動地域移行を位置付け、まちづくり課が中心となることで地域全体の合意形成と人材ネットワーク活用が容易になっています。R8.8休日完全停止という明確な期限設定と、種目別の段階展開ロードマップ(R5卓球→R6野球→R7サッカー)は、進捗管理がしやすい優れた設計です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

「まちづくり課」窓口モデルの最大のハードルは、教育委員会との役割分担の整理です。見附市は教育委員会と連名で広報資料を作成することで、両組織の連携を明示しています。他地域導入時は、教委ではなく市長部局を窓口にする場合、両者の連絡会議体を制度化することが必須です。R8.8休日完全停止という強い期限設定は、種目別段階展開と組み合わせないと「予定通り進まないクラブ」の生徒が活動機会を失うリスクがあるため、見附Blue BirdやつるぎFCのような既存クラブの活用が成功の鍵となります。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

「まちづくり課」が窓口となる組織配置は、教育・社会教育・スポーツ振興の3部門を統合的に動かす横断的ガバナンスとして高く評価できます。地域クラブ人材バンクによる指導者・サポーター登録制度は、人材確保の持続性を担保する重要な仕組み。一方、R8.8完全停止後に新規地域クラブが軌道に乗らない場合の「セーフティーネット」(拠点校方式の併用等)は今後の検討課題です。20年で475人減という深刻な縮小トレンド下では、地域クラブの統廃合や複数校横断化も視野に入れた柔軟運用が継続的に必要となります。

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