トップ 事例を探す 岐阜県 【事例】岐阜県山県市の部活動地域展開 ─ NPO法人TSC認定制度×小学生ニーズ調査による中学生プログラム連動モデル
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 岐阜県

【事例】岐阜県山県市の部活動地域展開 ─ NPO法人TSC認定制度×小学生ニーズ調査による中学生プログラム連動モデル

公開:2026.05.21 更新:2026.05.21
この記事でわかること

・中学校2校規模の小都市が認定制度方式で地域移行を進める仕組み
・NPO法人TSCを第1号認定団体として3年期間で運営する制度設計
・小学4年生からのニーズ調査を中学生年代の活動設計に接続する手法

自治体名 岐阜県山県市
人口規模 約2.5万人(2024年時点)
中学校数 2校
運営形態 NPO法人による認定団体方式(市教育委員会推進)
対象競技 運動部・文化部の地域クラブ活動(種目は中学生プログラムで提示)
保護者負担額 「活動の維持・運営に必要な範囲で、可能な限り低廉な参加費」を認定要件として設定(金額非公開)

取り組みの概要

岐阜県山県市は、少子化により学校部活動が機能しづらくなっている状況を踏まえ、令和5年度から令和7年度にかけてスポーツ庁実証事業を活用し「山県市立中学校部活動の地域展開計画」を策定しました。令和8年度からは実証事業の成果を踏まえた本格実施へ移行し、市内中学生のスポーツ・文化芸術活動を地域全体で支える環境を整備しています。学校部活動が担ってきた役割や機能を地域に移行・展開することで、生徒がやりたい活動に取り組める場を確保することを目的としています。

特徴的な取り組み

  • NPO法人「Team-yamagata Sports Club(TSC)」を地域クラブとして認定: 第1号認定団体として「TSC中学生スクールA」を令和8年4月1日から令和11年3月31日までの3年間認定。総合型地域スポーツクラブまたはこれに準ずる団体を中心とした認定制度を構築しています。
  • 小学4〜6年生を対象としたニーズ調査: 「こんなことをやってみたい」という児童の希望を把握し、中学生年代を見据えた種目検討に反映。中学校入学前から地域クラブへの参加を視野に入れた段階的な接続を意識した制度設計です。
  • 市独自の地域クラブ活動認定制度: 文部科学省ガイドラインに基づき認定要件を整備。安全管理体制・指導者の質保証・低廉な参加費設定を要件化し、複数団体が要件を満たせば認定する仕組みとしています。
  • 実証事業成果報告書の公開: 令和5〜7年度の実証成果報告書(概要版・詳細版)を市公式サイトで公開し、地域・保護者への透明性を確保しています。

課題と解決策

課題 解決策
中学校2校・人口2.5万人規模での種目数と指導者確保 NPO法人TSC(総合型クラブ)を運営主体に据え、複数種目の集約と指導者の一元管理を実現
地域クラブに対する保護者の信頼形成 市独自の認定制度(3年間更新制)で運営品質を担保し、認定団体を公式サイトで明示
小学生〜中学生の活動の連続性確保 小学4〜6年生ニーズ調査で活動希望を把握し、中学校入学前から接続する種目設計

成果・効果

令和7年度時点で認定団体1団体(TSC中学生スクールA)が確定し、令和8年度から3年間の認定期間で本格運営に入ります。実証事業から本格実施への移行を、計画・認定・公開報告の3段階で透明に進めた点が他の小規模都市にも示唆を与えています。

出典

→ 原文: 山県市 部活動の地域展開(生涯学習課)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

山県市の取組の核心は「市直営でも民間委託でもなく、認定制度を媒介に総合型クラブを地域の担い手として位置付けた」点にあります。NPO法人TSCを3年間認定とすることで、運営側に長期的な投資判断が可能となり、行政側も毎年のチェック機能を維持できます。さらに小学4年生からニーズを拾う設計は、中学生年代に入ってから「参加者ゼロ問題」を起こさないための布石として極めて合理的です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

人口2〜3万人規模の自治体で認定制度を導入する際の最大の壁は「認定要件をどこまで厳しくするか」のバランスです。要件が緩いと品質確保ができず、厳しすぎると応募団体がゼロになります。山県市は「低廉な参加費」「安全管理」「指導者要件」など実務に直結する要件に絞り込み、3年認定で運営の安定性も担保しました。応募団体が少ない地域では、まず総合型クラブと事前協議を重ね「認定可能ライン」を共有することが重要です。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

3年認定制と実証成果報告書の公開はガバナンスの透明性を高めています。一方で、認定団体が1団体に限られている現状は競争原理が働きづらく、参加費の妥当性検証や種目選択肢の拡大は中長期的な課題です。第2号認定団体の育成と、認定更新時の保護者・生徒アンケートのフィードバック反映が鍵となります。

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