トップ 事例を探す 愛知県 【事例】愛知県豊橋市の部活動地域展開 ─ 「どのびるんdeスクール」と2タイプ認定クラブで令和7年9月から土日部活を全廃
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【事例】愛知県豊橋市の部活動地域展開 ─ 「どのびるんdeスクール」と2タイプ認定クラブで令和7年9月から土日部活を全廃

公開:2026.05.02 更新:2026.05.02
この記事でわかること

・豊橋市が令和7年9月に実施した土日部活全廃の具体的な受け皿整備の中身
・既存の小学生事業「のびるんdeスクール」を活用した低コスト横展開モデル
・文化部(吹奏楽)と運動部で異なる受け皿設計のポイント

自治体名 愛知県豊橋市
人口規模 約37万人(2024年時点)
中学校数 22校
運営形態 教育委員会主体・市認定地域クラブ制度(2種類)
対象競技 全運動部活動・全文化部活動(休日)
保護者負担額 「どのびるんdeスクール」1回300円(各認定クラブは別途)

取り組みの概要

愛知県第2の都市・豊橋市(人口約37万人)は、令和7年(2025年)9月から市内22校すべての市立中学校において、土日祝日の部活動を全廃することを決定しました。運動部308、文化部62の計370の部活動が対象となります。市は既存の小学生向け放課後事業「のびるんdeスクール」を発展させた「DoのびるんdeスクールΔ(どのびるんdeスクール)」を新設し、月1〜2回・1回300円で多様な活動の場を提供します。また、市地域クラブ協議会を立ち上げ、要件を満たすクラブを「市認定地域クラブ」として認定する制度を整備しました。令和6年12月時点で19クラブが認定済みとなっています。

特徴的な取り組み

  • 「どのびるんdeスクール」の新設:既存の小学生放課後事業「のびるんdeスクール」を発展させた受け皿。月1〜2回(土曜日)に開催し、野球を除く球技全般・陸上・武道・吹奏楽・美術・ダンスなど13講座を提供。小学5年生から中学3年生まで参加可能で、1回あたり300円(学期末清算)。市は約1,400人の参加を見込む。
  • 市認定地域クラブ制度(2種類):「市認定地域クラブ(仮称)」は国の要件・認定手続きに基づき市が認定、「市運営地域クラブ(仮称)」は地域教育推進室が運営主体となり部活動で実施している種目を担う。市は認定クラブに保険料や指導員謝金を予算から支援する。
  • 市吹奏楽団によるユースクラス設置:文化部の受け皿として、歴史ある豊橋市吹奏楽団が「ユースクラスⅠ・Ⅱ・Ⅲ」を設置。吹奏楽団の指導者が直接指導し、令和6年12月時点で51名が参加。演奏会への出演機会も設け、段階的な技術向上を図る。
  • 全市一斉のアンケート調査:令和7年度中に、中学生全員を対象に部活動地域展開に向けた実態・希望に関するアンケートを実施予定。生徒のニーズを把握したうえで受け皿の設計に反映させる方針。

課題と解決策

課題 解決策
少子化による生徒数減少(令和18年に約7,200人と予測、現在比約3,000人減) アンケートでニーズを可視化し、受け皿の数・規模を定期的に見直す方針
指導者の確保(現在138名の外部指導者はボランティア・謝金0円) 認定クラブへの謝金支援制度を整備し、有償化への移行を検討中
運営体制の組織作り(コーディネーター0人) 中学校部活動検討特別委員会で議論を続け、教育委員会主体の体制を構築する
吹奏楽など文化部の施設・楽器管理 市内の吹奏楽関係団体と面談し、活動場所・楽器保管・修繕の課題を整理中

成果・効果

令和6年12月時点で19クラブが市地域クラブとして認定され、受け皿整備が着実に進んでいます。文化部については、豊橋市吹奏楽団ユースクラスに令和6年12月時点で51名が参加し、休日の部活廃止に伴う入会者の増加が確認されています。「どのびるんdeスクール」の参加見込みは約1,400人であり、小学生と中学生が同じ場所で活動することで多世代交流の機会も生まれる設計となっています。令和7年9月の土日部活全廃に向け、中学校部活動検討特別委員会で平日を含む地域展開の在り方についての協議も始まっています。

出典

→ 原文: 愛知県部活動の地域移行・地域連携協議会 改革推進期間報告書(愛知県)

→ 参考: 東愛知新聞「豊橋市 『ど』のびるんdeスクール新設へ」

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

豊橋市の最大の特徴は、新しい受け皿を「ゼロから作る」のではなく、既存の仕組みを横展開した点にあります。小学生向けの放課後事業「のびるんdeスクール」は市内で広く認知されており、そのブランドと運営ノウハウを活かして「どのびるんdeスクール」を立ち上げることで、保護者・生徒の安心感と参加しやすさを確保しました。先行する小学生事業があるからこそ、施設・スタッフ・申し込み手続きのすべてを流用できるという強みがあります。

文化部については、豊橋市吹奏楽団が「ユースクラスⅠ・Ⅱ・Ⅲ」という段階制を採用している点が注目されます。初心者から経験者まで受け入れるだけでなく、演奏会への出演機会という具体的なモチベーションを設けることで、継続参加率の向上が期待できます。ただし、吹奏楽以外の文化活動(美術・演劇など)については、楽器や施設の確保が難しく受け皿が整備途上であるため、今後の課題といえます。

一方で、豊橋市はコーディネーターが0人であり、138名の外部指導者がボランティアで活動しているという構造的な脆弱性を抱えています。人口約37万人の中核市として生徒数は多いですが、令和18年(2036年)には現在より約3,000人減少すると予測されており、受け皿の数・規模を定期的に見直す柔軟性が求められます。アンケートをもとにニーズを可視化し、ボランティア頼みの指導体制から有償化へ移行するロードマップを策定することが次のステップになるでしょう。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

「のびるんdeスクール」のような小学生向けの既存事業がない自治体では、豊橋市モデルをそのまま流用することはできません。ただし、「既存の居場所事業・放課後事業を中学生にも開放する」という発想は転用可能です。学童保育や子ども食堂など地域に根づいたインフラを起点に、段階的に中学生の受け皿へと拡張することで、ゼロからの立ち上げコストを削減できます。また、吹奏楽団や文化協会など地域に根づいた文化団体との連携は、人口10万人規模の中都市でも応用できるアプローチです。認定クラブへの保険料支援という最低限の財政的バックアップがあれば、ボランティア指導者の参加ハードルも下がります。

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