トップ 事例を探す 埼玉県 【事例】埼玉県の部活動地域展開 ─ プロクラブ・JTB連携の多様運営モデルと高校入試制度見直しで地域移行を後押し
全種目 👥 30万人以上 🏫 大規模校(300人以上) 📍 埼玉県

【事例】埼玉県の部活動地域展開 ─ プロクラブ・JTB連携の多様運営モデルと高校入試制度見直しで地域移行を後押し

公開:2026.04.30 更新:2026.05.02
この記事でわかること

・プロクラブ・JTB等の大企業が地域クラブ運営に参画する多様な官民連携モデルを実証
・高校入試を「課外活動自己評価面接」に転換予定(令和9年度)。地域クラブ活動も評価対象となる
・6市町村・19校で複数の運営形態モデルを並行実証し、地域ごとの選択肢を比較・評価

自治体名 埼玉県
人口規模 約733万人(2020年国勢調査)
中学校数 356校
運営形態 プロスポーツクラブ・旅行会社・NPO等多様な民間主体が参画する複数モデルを並行実証
対象競技 全種目(実証により異なる)
保護者負担額 運営主体により異なる

取り組みの概要

埼玉県では多様な運営形態モデルの実証と、地域移行を後押しする高校入試制度の見直しという二つの柱で部活動改革を推進しています。JTB(旅行大手)とCOEDO KAWAGOE F.C等のプロスポーツクラブが参画する官民連携モデルを実証し、大企業・プロチームが地域クラブに関わる新しい形を模索。さらに高校入試で「部活動・資格等の実績」を評価してきた制度を「課外活動自己評価面接」へ変更(令和9年度実施予定)し、地域クラブ活動も高校入試に適切に反映される制度設計を進めています。令和5年度時点で6市町村・19校が実証に参加しています。

特徴的な取り組み

  • プロスポーツクラブ・大企業との連携モデル実証: COEDO KAWAGOE F.C等の地域プロスポーツクラブと、JTBのような大企業が地域クラブ運営に関わる新しい運営形態を実証。プロクラブの指導ノウハウ・ブランド力と、大企業の組織力・資金力を地域クラブに活かす取り組みです。
  • 高校入試制度の「課外活動自己評価面接」への転換(令和9年度予定): これまで学校の部活動実績として評価されてきた「部活動・資格等の実績」を「課外活動自己評価面接」という形式に変更し、地域クラブ活動も含めた多様な課外活動を入試に適切に反映できる制度に改革。地域移行後も中学生が安心して地域クラブに取り組める環境づくりの観点から、制度面での大きな改革です。
  • 多様な運営形態の並行実証: 6市町村・19校という実証規模で、複数の運営形態モデルを同時に試行。民間委託・プロクラブ連携・地域NPO等の多様な選択肢を実証データに基づいて比較・評価し、埼玉県全体の移行モデル選定に活かしています。

課題と解決策

課題 解決策
地域クラブへの移行により、中学生の高校入試における部活動評価が不利になる懸念 「課外活動自己評価面接」への入試制度改革(令和9年度予定)で、地域クラブ活動も含めた課外活動全般を適切に評価できる仕組みに転換
地域クラブの持続可能な運営主体・財源の確保 JTB・プロスポーツクラブ等の民間大手を運営に巻き込む連携モデルを実証。民間の経営ノウハウ・資本力を活用して財源・運営の安定化を図る
一律の移行モデルが多様な市町村の実情に合わない 複数の運営形態モデルを6市町村・19校で並行実証し、地域ごとに適した選択肢を提示できる根拠データを蓄積

成果・効果

令和5年度時点で6市町村・19校が実証に参加し、プロクラブ連携・JTB連携等の多様な運営形態の試行が進んでいます。高校入試制度の「課外活動自己評価面接」への転換は令和9年度実施予定で、制度設計の議論が進んでいます。これにより、地域クラブ活動を選んだ生徒が入試で不利にならない環境の整備が、埼玉県という大規模県で前進しています。

出典

→ 原文: スポーツ庁「地域における学校部活動の改革に関する実態調査」地域移行事例集(令和5年度)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

埼玉県は令和5年度時点で6市町村・19校が参加する実証を展開し、COEDO KAWAGOE F.C.等の地域プロスポーツクラブとJTBという旅行大手が地域クラブ運営に関わる官民連携モデルを試行している。プロクラブの指導ノウハウ・ブランド力と大企業の組織力・資金力を地域クラブの運営に活かす取り組みは、地域NPOや総合型クラブ単独では得にくい財源確保と運営安定化を目指している。民間委託・プロクラブ連携・地域NPO等の複数モデルを同時に試行し、実証データに基づいて地域ごとに適した選択肢を比較・評価できる体制を整えている。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

埼玉県が推進するもう一つの柱が、高校入試制度の見直しだ。地域移行により中学生が地域クラブを選んだ場合に生じる「入試で不利になる」という懸念に対し、埼玉県は「部活動・資格等の実績」の評価を「課外活動自己評価面接」という形式に転換する制度改革(令和9年度実施予定)を進めることで制度面から対応している。地域クラブ活動を含む多様な課外活動を入試で適切に評価できる仕組みへの移行により、地域移行後も生徒が入試で不利にならない環境の整備が大規模県として前進している点が特徴だ。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

入試制度の改革は教育委員会・高校長会・中学校長会等の多数の関係者との合意形成が前提となるため、複数年単位の取り組みになる。令和9年度という具体的な実施年度を示しながら制度設計を進める埼玉県のアプローチは、同様の課題を抱える他県の参考になりうる。プロクラブや大企業の参画を継続的に維持するには、双方に持続的なメリットが生まれる事業設計を組み込むことが条件になる。

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