【事例】愛知県清須市の部活動地域展開 ─ 合唱地域クラブ「Kiyosu Chorus Group」を市教委直営で試行し文化部から着手
・市制20周年記念式典の合唱隊を母体に合唱の地域クラブを立ち上げた清須市の着手の仕方
・市教委生涯学習課が運営母体となり指導員費211,200円を市費で負担する試行運用の設計
・運動部ではなく文化部から地域展開に着手する利点と、無償期間の出口設計という論点
| 自治体名 | 愛知県清須市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約6.9万人(69,068人・令和8年4月1日現在) |
| 中学校数 | 4校 |
| 運営形態 | 試行運用期間中は市が運営主体(教育部生涯学習課が担当) |
| 対象競技 | 合唱(文化部からの地域展開) |
| 保護者負担額 | 当面は傷害保険料等の実費のみ。講師謝金・活動場所費用・著作権料等は市費負担 |
取り組みの概要
清須市の地域クラブは、市制20周年記念式典がきっかけで生まれました。市内4中学校で構成された合唱隊が式典で合唱を披露して大好評で終わり、市教育委員会は「参加した生徒の達成感が冷める前に次の提案を行い、部活動地域展開(地域クラブ)への足がかりとする」として、この合唱隊の活動をベースにした地域クラブを立ち上げることにしました。
立ち上げたのは合唱の地域クラブ「Kiyosu Chorus Group」です。試行的運用であるため、当分の間は市教育委員会(生涯学習課)が運営の母体となり、必要な費用は市費で負担します(一部、保険代等は実費徴収)。令和9年度以降の費用負担は、国の動向と市の地域クラブのあり方を検討していく中で方針を決定するとしています。
市は部活動改革に対する考え方として、学校部活動への外部指導員の導入と地域クラブの導入の2つを目標に掲げています。地域クラブ活動は生涯学習の一環として取り組むものとしつつ、学校と連携し、部活動の教育的意義を継承・発展させながらスポーツ・文化の振興の観点からも充実を図る位置づけです。
特徴的な取り組み
- 成功体験が冷めないうちに制度へつなげた: 市制20周年記念式典での合唱という一度限りの行事を、その熱量が残っているうちに常設の地域クラブへ接続しました。受け皿を制度から考えるのではなく、すでに動いている生徒の集まりを出発点にした設計です。
- 運動部ではなく文化部から着手した: 地域展開は運動部から始める自治体が多いなか、清須市は合唱という文化部領域で最初の地域クラブを立ち上げました。大会参加資格の調整が運動部ほど複雑でない分、試行の立ち上がりが早くなります。
- 4中学校合同で1クラブにまとめる: 活動形態の検討では「4中合同か、分割か」が課題に挙がり、4中合同とする判断がなされました。活動場所は清洲市民センター等の社会教育施設で、ピアノがある部屋を使います。活動は土日のいずれか2時間程度、月2日を目途としています。
- 平日の部活動との兼務を認める: 参加対象は市内中学校に在籍する中学1〜3年生で保護者の承諾を得た者とし、平日の部活動と兼ねることも可としています。学校の部活動を離れなくても参加できる設計です。
- 試行期間の費用を市費で負担し、金額も公表している: 令和8年度当初予算案には生涯学習課予算として、地域クラブ活動指導員費(2名×3時間×22日=211,200円)と楽譜代等30,000円を計上する予定を示しています。指導者は合唱隊指導者2名を想定した地域クラブ活動指導員です。
- 施設使用料は公用予約で減免する: 市が運営主体となるため、活動場所は公用使用として予約し、施設使用料は減免対応とする整理をしています。
- 発表の場を年間計画に組み込む: 練習成果の発表の場として、11月上旬(11月3日想定)に定期発表会を実施する計画です。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 令和8年度以降を見据えた「地域クラブ」(市教委が認めたクラブ)の位置づけが定まっていない | 地域クラブの要綱・ガイドラインを整備する |
| 指導者の確保 | 合唱隊の指導者2名を地域クラブ活動指導員として想定する |
| 4中合同か分割かという活動形態の判断 | 4中合同とし、活動場所は清洲市民センター等の社会教育施設を使う |
| 参加者負担金(保険料含む)と徴収方法 | 当面は保険料のみとし、現金で徴収する |
| 試験運用中の施設使用料を減免するか | 市が運営主体となるため公用使用として予約し、施設使用料は減免対応とする |
| 参加者・指導者と生涯学習課の連絡方法 | 保護者のメールアドレス等を徴収し、緊急連絡の仕組みを構築する |
| テスト期間や学校行事と活動日程が重なる | 各校と市教委で情報共有し調整する |
| 練習成果の発表の場がない | 11月上旬頃(11月3日想定)に定期発表会を実施する |
成果・効果
市が公表しているスケジュール案では、方針決定(4中調整・予算調整・活動拠点)から始まり、合唱隊参加生徒への地域クラブ立ち上げ告知、講師調整(活動内容調整・雇用形態確認)、参加生徒募集(生徒・保護者周知/1月下旬仮締切)、参加生徒・保護者説明会(保険加入)、3月の練習会2日間を経て、地域クラブ活動開始(月2日間の活動・新1年生の募集)へと進む流れが示されています。あわせて市長報告と、地域クラブ活動への課題の整理も工程に組み込まれています。
清須市ではこれと並行して、令和7年10月7日開催の令和7年度第2回清須市立中学校部活動検討委員会で、次年度の部活動の地域連携・地域展開の試行が議題となりました。令和8年度に地域連携と地域展開の両方の形を試し、検討を進める方針です。地域クラブについては、運営主体を多様な団体(登録制)とし、参加者は市内在住の中学生、費用は月会費等とする案が比較表の形で示されています。
出典
→ 原文: 清須市「きよす コーラスグループ 地域クラブへの展開(令和8年1月27日 資料1)」(PDF)/清須市「令和7年度第2回清須市立中学校部活動検討委員会 資料(令和7年10月7日)」(PDF)
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