トップ 事例を探す 鳥取県 【事例】鳥取県湯梨浜町の部活動地域展開 ─ 部活動加入率77.1%・非加入97人の数値を起点に令和9年4月の認定クラブ開始へ
全種目 👥 1~5万人 🏫 大規模校(300人以上) 📍 鳥取県

【事例】鳥取県湯梨浜町の部活動地域展開 ─ 部活動加入率77.1%・非加入97人の数値を起点に令和9年4月の認定クラブ開始へ

公開:2026.09.08 更新:2026.09.08
この記事でわかること

・湯梨浜中学校の部活動加入率が令和元年度101.0%から令和8年度77.1%へ低下した8年間の推移
・国ガイドラインの認定制度を町の要綱に落とし込み、現地確認を経て認定証を交付する仕組み
・令和8年度中に要綱整備・申請受付・審査を行い令和9年4月に認定クラブ活動を始める工程

自治体名 鳥取県湯梨浜町
人口規模 約1万5千人(2026年時点)
中学校数 1校(湯梨浜中学校・全校生徒424人/令和8年度)
運営形態 町教育委員会による認定制(令和9年4月に認定クラブ活動開始予定)
対象競技 運動部12種目(卓球・野球・バスケットボール・柔道・剣道・水泳・バドミントン・バレーボール・サッカー・テニス・ソフトボール・陸上)、文化部5部(美術・科学・吹奏楽・家庭・ダンス)
保護者負担額 令和8年9月時点で未公表(認定要件に「可能な限り低廉な参加費等」を明記)

取り組みの概要

湯梨浜町は、町内唯一の中学校である湯梨浜中学校を対象に「部活動在り方検討会」を設置し、令和8年度中に地域クラブ活動の認定制度を整備しています。令和8年6月18日の第1回検討会で認定要綱案を審議し、8月の第2回で認定クラブへの支援策を検討、令和9年2月の第3回で認定状況と今後の推進策を確認するという3回構成です。

特徴的なのは、制度づくりの土台に部活動加入率の8年間の推移データを置いている点です。令和元年度に101.0%(全員加入制のため転入等で100%超)だった加入率は、令和8年度に77.1%まで低下しました。全校生徒424人のうち97人が部活動に加入していない状態です。町は令和5年度から「学校外のクラブや習い事で大会・発表の場がある場合は部活動に代わる活動と認める」運用に切り替え、令和6年度以降は保護者の同意があれば加入しなくてもよい仕組みへと段階的に緩和してきました。

令和8年度は町教育委員会が認定要綱を作成し、11月に認定申請の受付、12月に認定要綱の告示、令和9年1月に認定審査会と現地確認・ヒアリング、2月に認定証交付と生徒説明会を経て、令和9年4月に認定クラブ活動を開始するロードマップを公表しています。

特徴的な取り組み

  • 加入率データを起点にした制度設計: 部活動別・年度別の加入者数を令和元年度から令和8年度まで一覧化し、運動部合計304人→245人、文化部合計118人→82人という減少と、非加入生徒97人という現実を検討会の初回資料として共有しています。テニス(硬式)とソフトボールは令和7年度・8年度とも加入者0人で、実質的に活動が成立していない部があることも数値で明示されています。
  • 国ガイドライン準拠の認定要綱7要件: 令和7年12月の文部科学省「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」の認定制度に基づき、①教育的意義の継承と活動機会の保障、②適切な活動時間・休養日、③可能な限り低廉な参加費、④適切な指導実施体制、⑤安全確保体制、⑥運営体制、⑦学校等との連携、の7要件を要綱案に明記しています。
  • 認定審査に現地確認とヒアリングを組み込む: 書類審査だけでなく、町教育委員会が申請クラブの現地確認・ヒアリングを令和8年12月〜令和9年1月に実施する工程をロードマップに明記しています。申請は運営団体が各実施主体の申請をとりまとめて誓約書兼申請書・認定要件確認書を提出する方式です。
  • 移行期間中の指導者配置を継続: 令和8年度は部活動指導員をバスケットボール(女子)・ソフトテニス・家庭部(2名)に、外部指導者を柔道・ダンス・バレーボール・バドミントン・卓球に配置しています。認定クラブへの移行を進める一方で、移行が完了するまでの指導体制を学校側に維持する構成です。
スポンサーリンク

課題と解決策

課題 解決策
部活動加入率が8年で101.0%から77.1%に低下し、非加入生徒が97人に達している 学校外のクラブ・習い事を部活動に代わる活動と認める運用に段階的に切り替え、令和9年度からは認定地域クラブ活動を選択肢として整備する
加入者0人の部(テニス硬式・ソフトボール)が生じ、単独校では選択肢を維持できない 町教育委員会が認定制度を設け、学校外の運営団体による活動を「認定地域クラブ活動」として位置づけることで活動機会を確保する
認定クラブの質をどう担保するか 国ガイドラインの7要件を要綱に落とし込み、書類審査に加えて現地確認・ヒアリングを実施したうえで認定証を交付する
移行期間中の指導体制が不安定になる 令和8年度も部活動指導員4名・外部指導者5名を配置し、令和9年度に向けた指導員・外部指導者の募集を令和8年10月から並行して行う

成果・効果

令和8年9月時点では認定クラブの活動が始まっていないため、参加人数や満足度といった成果はまだ公表されていません。現時点で確認できるのは、①令和8年6月18日に第1回検討会を開催し認定要綱案の検討に着手したこと、②令和8年度部活動指導員・外部指導者として合計9名を配置していること、③令和9年4月の認定クラブ活動開始までの工程を月単位で公表していることです。

制度設計の過程で公表された部活動別加入者数の年次推移は、単独中学校を抱える小規模自治体が地域展開を検討する際の基礎資料として参考になります。特に、加入率の低下が「全員加入制の緩和」という制度変更と同時期に進んでいる点は、地域展開の必要性を判断する材料として他自治体でも検証しやすいデータです。

出典

→ 原文: 令和8年度湯梨浜町立湯梨浜中学校部活動在り方検討会(湯梨浜町教育総務課)

→ 参考: 令和7年度湯梨浜町立湯梨浜中学校部活動在り方検討会(湯梨浜町教育総務課)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域展開・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

この事例の価値は、地域展開の議論を「理念」ではなく「加入率77.1%・非加入97人」という自校の数値から始めている点にあります。多くの自治体では検討会の初回資料が国ガイドラインの解説から入りますが、湯梨浜町は令和元年度からの部活動別加入者数を一覧で示し、加入者0人の部が2つあるという現実を関係者全員で共有したうえで制度設計に入っています。単独中学校の町では「部が成立しなくなる」ことが地域展開の最大の動機になり得ます。数値を先に開示する進め方は、保護者や地域団体との合意形成にも効きます。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

認定制度は要綱を作れば動くものではなく、認定を受ける側のクラブが地域に存在していることが前提になります。湯梨浜町は令和8年11月に申請受付、12月〜1月に現地確認・ヒアリングという工程を組んでいますが、この期間に申請クラブが集まらなければ令和9年4月の活動開始は形骸化します。他地域で同じ工程を組む場合は、要綱作成と並行して受け皿候補(総合型クラブ・競技団体・スポーツ少年団)への説明と意向確認を進め、申請受付の開始時点で「誰が申請するか」の見通しを立てておく必要があります。要綱に「可能な限り低廉な参加費」と定めるだけでは費用は下がらないため、支援策の検討を第2回検討会に置いた設計は妥当です。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

認定要綱が国ガイドラインの7要件を条文化し、書類審査に加えて現地確認・ヒアリングを経て認定証を交付する二段構えになっている点は、質の担保として実効性があります。一方、令和8年9月時点では参加費の水準・認定クラブ数・移行後の指導者確保策がいずれも未確定です。会議録と資料を検討会ごとに公開している姿勢は透明性が高く、令和9年2月の第3回検討会で認定状況が公表される見込みのため、制度が計画どおり機能したかを外部から検証できます。

スポンサーリンク

CONSULTING / 専門家に相談

受け皿団体の組織整備・経営について
専門家に相談しませんか?

設立手続きの進め方・行政との調整・資金計画など、
総合型地域スポーツクラブ特化のコンサルティングをご提供しています。

🏢 クラブ立ち上げ
🤝 行政調整・仲介
📊 事業計画策定

HOW TO START

3ステップで
相談を始められます

  • 01フォームから状況を送信
  • 02オンラインで初回ヒアリング
  • 03最適な支援プランを提示
専門家に相談する →
企業の方へ
部活動地域展開の市場・本サイトの読者層に関心のある企業向けのご案内ページをご用意しています。
FOR BUSINESS →