この記事について
令和7年度(2025年度)から、全国中学校体育大会(全中)ハンドボールにおいて、部活動以外の地域クラブ活動に所属する生徒も大会参加が認められるようになりました。
ハンドボールでは、日本ハンドボール協会への登録、全国クラブ大会との二重参加禁止、学校長への連絡・承諾、大会運営への協力など、他の競技と比べて詳細な条件が明記されています。また、参加地区はクラブの登録所在地で決定する点も特徴的です。
この記事では、公益財団法人日本中学校体育連盟(日本中体連)が定めた競技部細則を根拠に、全国共通のルールを詳しく解説します。
ハンドボールの大会構成
全国中学校ハンドボール大会は1種類で構成されており、地区→都道府県→ブロック→全国の流れで進みます。
| 大会名 | 細則の特徴 |
|---|---|
| 全国中学校ハンドボール大会 | 日本ハンドボール協会への登録が必要。参加地区はクラブ登録所在地で決定。全国クラブ大会との二重参加禁止 |
根拠文書
令和7年度(R7)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 文書名 | 令和7年度全国中学校体育大会 地域クラブ活動の参加資格の特例競技部細則 |
| 発出機関 | (公財)日本中学校体育連盟 会長 青海 正 |
| 文書番号 | 令6日中体発第305号 |
| 発出日 | 令和6年(2024年)10月11日 |
| 適用開始 | 令和7年度(2025年度)から |
令和8年度(R8)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 文書名 | 令和8年度全国中学校体育大会 地域クラブ活動の参加資格の特例 各競技細則等 |
| 発出機関 | (公財)日本中学校体育連盟 |
| 文書番号 | (なし・一覧表形式) |
| 適用開始 | 令和8年度(2026年度)から |
競技部細則 原文(令6日中体発第305号)
日本中体連が定めたハンドボールの細則は以下の通りです(第5項)。ハンドボールは全国共通の参加資格特例に加えて、以下の競技固有細則が適用されます。
1 各大会および予選大会(地区大会含む)への参加申し込み時にはチーム・選手共に日本ハンドボール協会への登録が完了していること。(二重登録は認めない。)2 参加地区は、日本ハンドボール協会への登録の際にチームの所在地とした場所とする。(例):代表者が神奈川県横浜市で登録するとチーム登録は横浜地区となる。3 チームは日常継続的に代表者もしくは指導資格を有する指導者のもとに適切に行われていること。また、指導者は(公財)日本ハンドボール協会の競技者及び役員倫理規定に基づく処分を受けていない者であること。4 日本ハンドボール協会が主催する全国クラブ大会および予選大会(地区大会含む)に参加した場合は中学校体育連盟が主催する全国中学校体育大会および予選大会(地区大会含む)への出場は認めない。5 地域クラブ活動で各都道府県中学校体育連盟が主催する大会に出場する場合、必ず代表者は、生徒の在籍する学校長に参加することを連絡し、承諾を得ること。(書面通知・書式の指定なし)6 予選への参加のタイミング(地区・都道府県より)は各地区で異なるが、各都道府県中体連ハンドボール専門部の規則・運営方法に準ずること。(大会参加打合せ等に必ず参加し状況に応じて大会運営にも協力すること)
7 移籍について移籍に関しては、日本ハンドボール協会の規定に基づいて可能だが、全中及び全国クラブ大会およびそれぞれの予選大会(地区大会含む)にエントリーした時点で他方の大会への出場は認めない。(例)予選に負けた時点でチーム移籍した場合、チームでの活動は認めるが、移籍先のチームが勝ち上がっていても大会にエントリー不可。
※1 上記の条件を満たさない、または参加条件に虚偽があった場合は参加を取り消す場合もある。※2 この細則は、スポーツ庁、日本中体連、および日本ハンドボール協会より通達等があった際に、通達内容に合わせ加筆・修正・見直しを行い、その都度公表する。※3 チーム、選手の大会参加について疑義が生じた際は、日本中体連ハンドボール競技部において審議し、決定及び通達をする。
全国共通ルールの詳細解説
① 日本ハンドボール協会への登録
ハンドボールで地域クラブ活動として参加するには、日本ハンドボール協会への登録(チーム・選手の両方)が必要です。この登録は大会の申込時までに完了していることが条件とされています。
| 登録対象 | 内容 |
|---|---|
| チーム登録 | 日本ハンドボール協会への登録(二重登録不可) |
| 選手登録 | 参加選手全員の登録が必要 |
二重登録は認められません。すでに別のチームで登録している場合は手続きが必要です。
② 参加地区の決定(クラブ登録所在地が基準)
ハンドボールでは、参加地区はクラブのチーム登録時に指定した所在地で決定します。
(例)代表者が神奈川県横浜市で登録するとチーム登録は横浜地区となる。
これは、選手の在籍校の所在地ではなく、クラブの登録所在地が参加地区を決定するという重要なルールです。登録時に正確な所在地を申告することが必要です。
③ 全国クラブ大会との二重参加禁止
ハンドボールでは、日本ハンドボール協会主催の全国クラブ大会(および予選大会)と、中体連主催の全国中学校体育大会(および予選大会)は、いずれか一方にしか参加できません。
| 参加状況 | 他方の大会 |
|---|---|
| 全国クラブ大会の予選に参加した | ✗ 中体連大会には参加不可 |
| 中体連大会の予選に参加した | ✗ 全国クラブ大会には参加不可 |
いずれかの大会にエントリーした時点で、他方の大会への参加権を失います。大会系列の選択は事前に十分検討することが重要です。
④ 移籍後の取り扱い
移籍は日本ハンドボール協会の規定に基づいて可能ですが、以下の制限があります。
エントリー後の移籍について:
| 状況 | 移籍先での参加可否 |
|---|---|
| 全中予選または全国クラブ大会にエントリー後に移籍 | ✗ 移籍先のチームが勝ち上がっていても参加不可 |
予選で敗退後に移籍しても、移籍先チームが全国大会に勝ち上がっていたとしても、そのチームとして大会に出場することはできません。
⑤ 学校長への連絡・承諾
都道府県中体連が主催する大会に地域クラブ活動として出場する場合、クラブの代表者は生徒の在籍する学校の学校長に参加することを連絡し、承諾を得ることが義務付けられています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 連絡者 | クラブの代表者 |
| 連絡先 | 生徒の在籍校の学校長 |
| 内容 | 大会への参加を連絡し、承諾を得る |
| 書式 | 書面通知・書式の指定なし |
口頭でも可能ですが、後のトラブルを避けるために書面での記録が推奨されます。
⑥ 大会運営への協力
ハンドボールの細則は、大会参加打合せ等への必須参加と大会運営への協力を定めています。
これは単に「大会に出場する」だけでなく、大会を円滑に運営するための一員として参加することが求められる点がハンドボールの特徴です。
指導者資格要件
地域クラブ活動から大会に参加する場合、大会においてベンチ入りできる指導者は(公財)日本スポーツ協会(JSPO)公認「コーチ1」以上の資格保有者に限られます。
ハンドボールの細則(第5項第3号)では「代表者もしくは指導資格を有する指導者のもとに適切に行われていること」および「(公財)日本ハンドボール協会の競技者及び役員倫理規定に基づく処分を受けていない者であること」が追加条件として定められています。
| 資格名 | ベンチ入り |
|---|---|
| JSPO公認コーチ1(ハンドボール) | ✅ 可 |
| JSPO公認コーチ2以上 | ✅ 可 |
| 未資格・取得中(R8以降) | ✗ 不可 |
また、指導者が日本ハンドボール協会の倫理規定に基づく処分を受けている場合は、ベンチ入り要件を満たしていても参加できません。
R7とR8の違い(指導者資格)
| 年度 | 取得中の者のベンチ入り |
|---|---|
| 令和7年度(R7) | ✅ 経過措置として可 |
| 令和8年度(R8)以降 | ✗ 不可(経過措置終了) |
R7→R8 主な変更点
| 変更内容 | R7 | R8 |
|---|---|---|
| 資格取得中のベンチ入り経過措置 | あり | 廃止 |
| 「認定地域クラブ活動」カテゴリ | なし | 新設(競技部細則は適用外) |
| 文科省ガイドライン遵守 | 任意 | 新要件として追加 |
ハンドボールの細則は「スポーツ庁・日本中体連・日本ハンドボール協会より通達があった際に加筆・修正を行い公表する」と明記されており、随時更新の可能性があります。日本ハンドボール協会の公式サイトも併せて確認してください。
「認定地域クラブ活動」について: 令和8年度から新設されたカテゴリです。ただし、競技部細則(地域クラブ活動の出場特例)は「認定地域クラブ活動」には適用されず、別途の規定が設けられています。詳細は日本中体連の公式サイトの公式発表をご確認ください。
地域クラブが参加するための要件チェックリスト
- ✅ チーム・選手ともに日本ハンドボール協会への登録が完了していること(二重登録不可)
- ✅ クラブの登録所在地が参加地区と一致していること
- ✅ 都道府県中体連への地域クラブとしての登録が完了していること
- ✅ 日常継続的に代表者または指導資格を有する指導者のもとで活動していること
- ✅ 指導者が(公財)日本ハンドボール協会の倫理規定に基づく処分を受けていないこと
- ✅ 日本ハンドボール協会主催の全国クラブ大会(および予選)に参加していないこと(エントリー後の移籍も、移籍先チームとしての参加は不可)
- ✅ 都道府県中体連主催大会出場の際は、生徒の在籍校長へ参加を連絡し承諾を得ること
- ✅ 大会参加打合せ等に参加し、大会運営に協力すること
- ✅ クラブの設立目的が「地域における継続的なスポーツ活動の確保」であること(大会出場のみを目的として設立されていないこと)
- ✅ 大会でベンチ入りする指導者がJSPO公認コーチ1以上の資格保有者であること(令和8年度からは経過措置終了。有資格者であることが原則必要)
- ✅ 学校部活動との二重参加(同一系列大会での)をしていないこと
- ✅ 都道府県・ブロックの追加細則がある場合は、それにも従うこと
各都道府県ブロックの追加細則について
全国共通ルールに加えて、各都道府県・ブロックが独自の要件を上乗せする場合があります。
| 層 | 発出主体 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 国 | 日本中体連 | 本記事・R7細則PDF参照 |
| ブロック | 各ブロック中体連(九州・東北・関東等) | 各ブロック中体連の公式発表を確認 |
| 都道府県 | 各都道府県中体連ハンドボール専門部 | 各専門部の規則・運営方法に準ずること(細則に明記) |
よくある質問(FAQ)
Q. 地域クラブがハンドボールの予選に参加するには、何の団体に登録が必要ですか?
A. 日本ハンドボール協会へのチーム・選手の登録が必要です。また都道府県中体連への登録も必要です。大会の申込時までに両方の登録を完了させてください。
Q. 参加地区はどうやって決まりますか?
A. 日本ハンドボール協会への登録時に申告したチームの所在地(代表者の登録住所)によって参加地区が決まります。例えば神奈川県横浜市で登録すると横浜地区となります。登録時に正確な所在地を申告することが重要です。
Q. 全国クラブ大会とはどちらに出場すべきですか?
A. 全国クラブ大会の予選と中体連大会の予選はどちらか一方しか参加できません。どちらか一方にエントリーした時点で、他方への出場権を失います。大会系列の選択は事前に十分検討した上で決定してください。
Q. 学校にハンドボール部がある場合でも、クラブから参加できますか?
A. 参加できます。ただし、同一の大会系列で学校所属とクラブ所属の両方から参加することはできません。どちらから参加するかは、生徒と保護者の意向を尊重して決めてください。
Q. 学校長への連絡は書面が必要ですか?
A. 細則では「書面通知・書式の指定なし」と明記されています。ただし後のトラブルを防ぐため、書面で記録を残すことが推奨されます。
Q. 予選で負けた後にチームを移籍した場合、移籍先チームの大会には参加できますか?
A. 全中または全国クラブ大会の予選にエントリーした選手は、移籍先のチームが勝ち上がっていても、そのチームとして大会に参加することはできません。
Q. 令和8年度から変わることはありますか?
A. 主な変更として、指導者資格の経過措置(取得中でもベンチ入り可)が令和7年度限りで終了します。令和8年度以降は、ベンチ入りする指導者がJSPO公認コーチ1以上の資格を保有していることが原則必要です。ハンドボールの細則はスポーツ庁・日本中体連・日本ハンドボール協会の通達があった際に随時更新されるため、日本中体連の公式サイトおよび日本ハンドボール協会の公式発表もご確認ください。
出典
- (公財)日本中学校体育連盟「令和7年度全国中学校体育大会 地域クラブ活動の参加資格の特例競技部細則」(令6日中体発第305号、令和6年10月11日)
- (公財)日本中学校体育連盟「令和8年度全国中学校体育大会 地域クラブ活動の参加資格の特例 各競技細則等」
- 公益財団法人 日本中学校体育連盟(nippon-chutairen.or.jp)
- 公益財団法人 日本ハンドボール協会(handball.or.jp)
- 公益財団法人 日本スポーツ協会(JSPO)