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全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 鳥取県

【事例】鳥取県鳥取市の部活動地域展開 ─ 全17校にコーディネーターを配置し地域連携型から地域移行型へ二段階で進める

公開:2026.04.28 更新:2026.09.08
この記事でわかること

・改革委員会11回を経て第一次方針(R5.3)・第二次方針(R7.3)を策定した二段階の進め方
・全17校にコーディネーター1名+統括2名を配置した推進体制の作り方
・指導者バンクと学校体育館スマート予約で「人」と「場所」を先に整える順序

自治体名 鳥取県鳥取市
人口規模 約18万人(2026年時点)
中学校数 中学校・義務教育学校 計17校(コーディネーター配置校数)
運営形態 市教育委員会(学校教育課・生涯学習スポーツ課)主管。第1段階=地域連携型、第2段階=地域移行型の準備という段階設計
対象競技 令和7年7月時点で種目別の限定は公表されていない
保護者負担額 令和7年7月時点で未公表

取り組みの概要

鳥取市は令和3年2月に「鳥取市部活動改革委員会」を設置し、令和7年7月時点で通算11回の委員会を開催しています。改革委員会は「鳥取市部活動の地域移行の在り方に関する第一次提言」を踏まえて第一次方針を令和5年3月に、「第二次提言」を踏まえて第二次方針を令和7年3月に策定するという二段階の方針づくりを行ってきました。

体制面では、令和7年4月に学校教育課と生涯学習・スポーツ課の兼務者を配置し、教育委員会事務局内に推進体制を整備しています。あわせて部活動地域移行統括コーディネーターを令和5年度に1名、令和6年度から2名配置し、さらに中学校・義務教育学校17校へコーディネーターを1名ずつ配置。各校で部活動改革協議会を開催するとともに、コーディネーター連絡協議会を開いて情報交換を行う体制をつくりました。

受け皿づくりでは、令和5年11月に「鳥取市スポーツ指導者バンク」を開設。活動場所の確保としては、鳥取市立学校体育施設のスマート予約システムを利用した学校体育館の開放を開始しています。情報発信では令和6年9月に市教育委員会ポータルサイトへ「鳥取市の部活動改革」の項目を設置し、中学校部活動改革に関する情報を公開しています。

特徴的な取り組み

  • 「地域連携型」→「地域移行型」の2段階設計: 令和7年度の方向性として、第1段階を部活動指導員・外部指導者による休日の指導の推進(地域連携型)、第2段階を休日の部活動の地域移行が可能なクラブの検討(地域移行型の準備)と明示しています。いきなり地域移行を目指すのではなく、指導者派遣による負担軽減を先に進める順序です。
  • 全17校へのコーディネーター配置と統括2名体制: 中学校・義務教育学校17校それぞれに1名ずつコーディネーターを置き、その上に統括コーディネーター2名を配置しています。各校で部活動改革協議会を開催し、コーディネーター連絡協議会で横断的に情報交換する二層構造です。
  • 認定に向けた要件整備とガイドライン策定: 令和7年度の目標として、地域移行が可能なクラブの認定要件等の整備、認定を受けた地域クラブを対象とするガイドラインの策定、認定クラブへの支援策の検討、そして令和8年度認定分としてのクラブの推薦・認定を掲げています。
  • スポーツ指導者バンクと学校施設のスマート予約: 令和5年11月に指導者バンクを開設して人材を確保する一方、学校体育施設のスマート予約システムで体育館開放を進め、指導者と場所の両面から受け皿の条件を整えています。
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課題と解決策

課題 解決策
令和7年7月時点で市町認定クラブが0団体で、休日活動を担う受け皿が制度上まだ存在しない 地域移行が可能なクラブの認定要件等を整備し、令和8年度認定分としてクラブの推薦・認定を進める
17校それぞれで事情が異なり、市全体の一律移行が難しい 各校にコーディネーターを1名ずつ配置して学校ごとに部活動改革協議会を開催し、統括コーディネーター2名が横断調整する
指導者の確保 令和5年11月に鳥取市スポーツ指導者バンクを開設し、登録指導者を確保する
活動場所の確保 鳥取市立学校体育施設のスマート予約システムを利用した学校体育館の開放を開始する

成果・効果

令和7年7月時点で確認できる実績は、①部活動改革委員会を通算11回開催し、第一次方針(令和5年3月)・第二次方針(令和7年3月)を策定したこと、②統括コーディネーター2名と全17校へのコーディネーター1名ずつの配置を完了したこと、③令和5年11月にスポーツ指導者バンクを開設したこと、④学校体育館のスマート予約による開放と市教委ポータルサイトでの情報公開(令和6年9月)を開始したことです。

一方、市町認定クラブ数は令和7年7月時点で0団体です。同時点の鳥取県教育委員会の一覧では、米子市・倉吉市も0団体で、県内で認定クラブを有するのは境港市(7団体)のみとなっています。鳥取市は令和8年度認定分としてクラブの推薦・認定を目標に掲げており、制度整備から実際の認定へ移る段階にあります。

出典

→ 原文: 鳥取県教育委員会「部活動の地域展開に係る取組状況一覧」(令和7年7月時点)

→ 掲載元: 令和7年度湯梨浜町立湯梨浜中学校部活動在り方検討会(湯梨浜町教育総務課)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域展開・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

鳥取市の設計で注目したいのは、17校すべてにコーディネーターを1名ずつ置き、その上に統括2名を重ねた人的配置です。県庁所在地で学校数が多い自治体では、市の方針を各校の実情に翻訳する担い手がいないと制度が現場に届きません。各校のコーディネーターが学校ごとの部活動改革協議会を回し、連絡協議会で横断的に情報を共有する構造は、規模の大きい市が地域展開を進める際の一つの型といえます。認定クラブ数が0のまま体制整備を先行させている点も、受け皿を急造せず要件整備から入る堅実な順序です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

17校分のコーディネーターと統括2名という配置は人件費を伴うため、同規模の自治体が模倣する際は財源の裏づけが前提になります。予算が確保できない場合は、まず統括役を置いて学校側の窓口を教頭等の兼務にする縮小版から始める方法が考えられます。また鳥取市は指導者バンク(令和5年11月開設)と学校体育館のスマート予約という「人」と「場所」の基盤を先に整えてから認定に進んでおり、この順序は受け皿団体が自力で場所を確保できない地域ほど有効です。認定要件の整備とセットで、施設利用の優先枠や使用料の扱いを決めておく必要があります。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

第一次・第二次の提言と方針を段階的に公表し、市教委ポータルサイトで情報公開している点は透明性が高い運用です。改革委員会11回という開催実績も、意思決定の過程が記録として残ることを意味します。一方、令和7年7月時点で認定クラブ0団体・保護者負担額未公表であり、実際の活動段階での持続可能性はまだ評価できません。令和8年度の認定実績と、認定クラブへの支援策の内容が公表された段階で改めて検証が必要です。

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