トップ 事例を探す 徳島県 【事例】徳島県鳴門市の部活動地域展開 ─ 地域団体の公募認定制でスポーツ+文化2領域の受け皿を整備
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 徳島県

【事例】徳島県鳴門市の部活動地域展開 ─ 地域団体の公募認定制でスポーツ+文化2領域の受け皿を整備

公開:2026.06.14 更新:2026.06.14
この記事でわかること

・鳴門市が採用する「公募×随時×複数団体並行」の認定方式の概要
・スポーツ+文化(吹奏楽・美術)の2領域を同じ仕組みでカバーする運用設計
・既存の総合型地域スポーツクラブを受け皿基盤として活用する段階移行モデル

自治体名 徳島県鳴門市
人口規模 約5.3万人(鳴門市世帯数・人口月報より概算)
中学校数 市立5校+1分校(第一・第二・瀬戸・鳴門・大麻+大麻中広塚分校)
運営形態 市教育委員会学校教育課が管理・地域スポーツ団体/文化団体への公募認定方式
対象競技・分野 スポーツ:徳島県中体連参加特例競技細則対象競技全般/文化:吹奏楽、美術
保護者負担額 市の認定段階では公表なし(団体ごとに会費設計)

取り組みの概要

鳴門市教育委員会は、令和7年度までを改革推進期間と位置付け、市内中学生の部活動機会の確保と教員の働き方改革の両立を目的に、地域スポーツ団体および文化活動団体を「随時公募・認定」する仕組みを構築しました。市内に既存の総合型地域スポーツクラブ「NICE(ナイス)」(平成21年3月設立)・「NARUTO総合型スポーツクラブ」(平成27年3月設立)の2法人が存在することを踏まえ、これらをはじめとする民間の活動団体が国・県のガイドラインに沿って中学生の受け皿となる体制を作るのが本モデルの基本構造です。認定された団体は「徳島県中学校体育連盟主催大会に係る地域スポーツ団体等の参加特例競技細則」に従って中体連大会への参加が可能となり、文化活動団体は全日本吹奏楽コンクール等への参加も可能になります。

特徴的な取り組み

  • 公募・随時受付の認定方式: 募集期間を区切らず随時受け付け、提出された申請書をもとに市教委がヒアリングを実施して可否を判断。年度の途中でも追加認定が可能で、団体側の準備状況に合わせて段階的に拡大できる柔軟性を持たせています。
  • スポーツ+文化の2領域カバー: スポーツ系は徳島県中体連特例細則対象競技全般、文化系は吹奏楽・美術を明示的に対象とすることで、運動部活動だけでなく文化部活動の受け皿確保も同じ仕組みで行います。文化部活動の地域移行を運用上の対象に明示する事例は全国的にも少数派です。
  • 認定要件の明確化と説明会連携: 認定要件として(1)青少年健全育成への理解、(2)責任者・指導者が20歳以上、(3)既存活動実態または見込み、(4)市教委の部活動方針に則った指導、(5)スポーツ団体は県中体連参加特例細則の遵守の5点を明文化。認定団体は中学校の入学説明会で生徒・保護者に紹介する設計です。

課題と解決策

課題 解決策
市立中学校5校+1分校が分散しており、単独団体での全市カバーが困難 団体側の認定要件を満たせば随時参入可能な公募方式とし、複数団体の並行運営を許容
文化部活動(吹奏楽・美術)は地域受け皿が乏しく、運動部優先の制度設計に陥りやすい 募集要項にスポーツと文化の両領域を明示し、市教委として同等の取扱いを宣言
新規参入団体の指導者の質保証 指導者・責任者は20歳以上で「青少年健全育成への十分な理解」を要件化し、ヒアリングで個別確認

成果・効果

鳴門市内には既に「NICE」「NARUTO総合型スポーツクラブ」の2つの総合型地域スポーツクラブが太極拳・ヨガ・健康教室・バドミントン等を運営しており、認定制度の受け皿となる地域基盤がある程度成立しています。鳴門市教育委員会の公募ページでは、認定団体を次年度から市内中学校の生徒・保護者に紹介する運用フローが示されており、団体側の活動実績と中学校側の受講ニーズをマッチングする仕組みが整いつつあります。具体の認定団体数・参加生徒数等の公表は今後のフォローアップ課題で、市の運用透明性の向上が次の焦点です。

出典

→ 原文: 鳴門市「部活動地域移行に係る活動団体を募集します」(学校教育課)

→ 補足: 鳴門市「総合型地域スポーツクラブ」(市公式) / 鳴門市世帯数・人口月報(市民課)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

鳴門市モデルの核は「公募×随時×複数団体並行」の3点セットです。市が単一の運営団体を選定する集約型ではなく、要件を満たした団体が随時参入できる開放型の設計で、地域側の準備スピードに合わせて段階的に拡大できる柔軟性を確保しています。さらに、文化部活動(吹奏楽・美術)を運動部活動と並列で募集対象に明記している点は、文化部の地域移行が後回しになりやすい全国的傾向への対抗策として参照価値が高い設計です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

同モデルの導入時の主な論点は、(1)認定要件の明確化と運用基準のブレ防止、(2)中体連参加特例細則との整合確認、(3)文化部の受け皿団体の発掘、の3点です。認定の可否をヒアリング判断とする仕組みは柔軟である一方、判定基準が属人的になりやすいため、要綱・判定チェックシートを公開して説明可能性を担保することを推奨します。文化部については、吹奏楽連盟・美術関係団体など既存組織との接続を初期段階で図り、ゼロからの団体立ち上げを避けることが現実的な近道です。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

公募要項に認定要件を明文化し、市公式サイトで継続公開している点は透明性が高く、説明責任の取り方は健全です。一方、認定団体数・参加生徒数・1人あたり費用といった運用実績の定量データは現時点で未公表で、運用後のフォローアップ公表(年次レポート等)の整備が持続性確保の次の論点です。複数団体並行モデルは初期は柔軟だが、長期的には市全体の統括機能(指導者の質保証、保険、大会引率責任の整理)が必要になる構造で、市教委内に総括ポジションを置く時期の検討が今後の焦点となります。

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