【事例】東京都品川区の部活動地域展開 ─ 令和6年度予算76,967千円×全15校民間委託×しながわ地域部活動3種目(ラグビー・ホッケー・ダンス)実証
・品川区の令和6年度76,967千円大規模予算による4施策同時展開
・全15校での学校部活動一部民間委託+しながわ地域部活動3種目実証(ダンス・ラグビー・ホッケー)
・教員兼業希望率約3割という現実認識に基づく東京特別区型の改革モデル
| 自治体名 | 東京都品川区 |
|---|---|
| 人口規模 | 約42万人(2025年時点・東京23区南部) |
| 中学校数 | 区立中学校・義務教育学校15校(東海中・大崎中・浜川中・鈴ケ森中・冨士見台中・荏原第一中・荏原第五中・荏原第六中・戸越台中・日野学園・伊藤学園・八潮学園・荏原平塚学園・品川学園・豊葉の杜学園) |
| 運営形態 | 区教育委員会主導・「しながわ地域部活動」3部設置/学校部活動の一部民間委託(株式会社リーフラス等)/部活動指導員拡充/学校部活動アシスタントコーディネーター配置 |
| 対象競技 | 地域部活動:ダンス・ラグビー・ホッケーの3種目/民間委託:バスケットボール・サッカー・卓球・吹奏楽・陸上・硬式テニス・ソフトテニス・バレーボール・クッキング・ダンス・囲碁将棋・野球・バドミントン・演劇など多種目 |
| 保護者負担額 | 令和6年度予算 76,967千円(協議会416千円・地域部活動5,400千円・部活動指導員67,563千円・アシスタントコーディネーター3,588千円) |
取り組みの概要
東京都品川区は、人口約42万人の23区南部の特別区として、令和5年度から令和7年度までを部活動地域移行推進期間と位置付け、「品川区における部活動の地域移行に向けたロードマップ」(令和6年度)を策定して総合的な改革を進めています。改革の柱は2本立てで、①「しながわ地域部活動」(ダンス・ラグビー・ホッケーの3種目)の実証事業設置と、②全15校(区立中学校・義務教育学校)での学校部活動の一部民間委託(各学校2部活動程度)です。令和6年度予算76,967千円を投入し、教員アンケート(232名回答)で「土日の兼業・兼職を希望しない」が約7割(158名)という現実を踏まえ、教員依存型から多様な担い手による持続可能な体制への転換を図っています。
特徴的な取り組み
- 「しながわ地域部活動」3部実証: ダンス部(株式会社ウェーブマスター委託・御殿山小学校・5〜7月全10回・80名程度)、ラグビー部「品川ドラゴンズ(仮)」(一般社団法人品川区ラグビーフットボール協会委託・JR東日本東京総合車両センター/荏原平塚学園/オンライン・9〜11月全20回・50名程度)、ホッケー部(一般社団法人東京都ホッケー協会委託・大井ホッケー競技場・12〜2月全16回・50名程度)の3部活を年間通じてリレー形式で実施。
- 全15校での学校部活動の一部民間委託: 区立中学校・義務教育学校全15校で各2部活程度を民間委託。例:東海中バスケ・サッカー、浜川中音楽・卓球、冨士見台中バレー・サッカー、荏原第六中バスケ・ダンスなど、学校ごとに対象部活動を明示。委託先には株式会社リーフラスなどが入る。
- 4階建ての推進体制: 協議会(416千円)・地域部活動(5,400千円)・部活動指導員拡充(67,563千円)・学校部活動アシスタントコーディネーター配置(3,588千円)の4施策を予算上明確化し、複層的な改革を同時進行。
- 教員兼業意向に基づく現実主義設計: 教員アンケート(令和5年3月・232名回答)で「土日の部活動兼業・兼職を希望しない」が約7割(158名)という結果を踏まえ、教員依存型からの脱却を明確に方針化。
- 校区を超えた参加機会の創出: しながわ地域部活動は経験の有無・性別問わず、どの区立小学校・中学校・義務教育学校からでも参加可能(5〜9年生対象)。学校外活動として運動・文化機会を拡張。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 教員の土日兼業希望率の低さ(約7割が希望せず) | 学校部活動の一部民間委託(各校2部活動程度・15校全校で実施)と部活動指導員拡充により、教員以外の担い手を体系的に確保 |
| 学校だけでは提供できない多様な活動機会 | 「しながわ地域部活動」としてホッケー・ラグビーなど学校部活動にない種目を実証設置し、専門協会(東京都ホッケー協会・品川区ラグビーフットボール協会)と連携 |
| 学校と部活動指導員・地域団体の連絡調整 | 学校部活動アシスタントコーディネーター(1校当たり1名程度)を予算3,588千円で配置 |
| 費用負担の懸念(生徒会長ヒアリングで指摘) | 令和6年度予算76,967千円の公費投入により、地域部活動の参加費を抑制 |
| 持続可能な指導者確保 | 部活動指導員拡充(予算67,563千円)と人材リスト(部活動の指導協力名簿)作成・各校への情報提供 |
成果・効果
品川区は東京23区の中で部活動改革を積極的に進める先行事例で、令和6年度に76,967千円という大規模予算を投じて4つの施策(協議会・地域部活動・部活動指導員拡充・アシスタントコーディネーター)を同時並行で進めています。特に学校部活動の一部民間委託を全15校で実施した点は、23区の中でも体系的なアプローチとして注目されます。生徒アンケートでは「現在の部活動に肯定的」が92%、「合同部活動や地域での活動機会を増やした場合参加したい」が75%と高い参加意向が示されており、ニーズに合った選択肢拡大という方向性が支持されています。令和5年度の地域部活動参加者の感想からは「信頼できるスタッフ」「競技で使う動きを根拠から教えてもらえた」など、専門指導者の質の高さが評価されています。
出典
→ 原文: 品川区部活動の地域移行等推進について(品川区公式サイト・指導課)/品川区における部活動の地域移行に向けたロードマップ[令和6年度](品川区議会文教委員会資料・令和6年4月16日)
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