【事例】愛媛県松山市の部活動地域展開 ─ 令和3年から5年の実証積み重ね・令和7年度全28校43部活動で実証実施・令和9年9月地域クラブ活動開始予定
・松山市が令和3年から5年かけて28校43部活動の実証を積み重ね令和9年9月1日始動を目指す経緯
・「松山市の地域クラブ活動の在り方等に関する方針」策定とパブリックコメントによる合意形成
・9月1日という具体的な始動日設定と段階的実証アプローチの設計ポイント
| 自治体名 | 愛媛県松山市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約49万人(2024年時点) |
| 中学校数 | 28校(市立中学校) |
| 運営形態 | 地域クラブ(スポーツ団体・文化団体等が実施主体)への移行推進 |
| 対象競技 | スポーツ・文化芸術(複数種目対応) |
| 保護者負担額 | 調査時点未公表(各クラブが設定) |
取り組みの概要
愛媛県松山市は人口約49万人・市立中学校28校を有する四国最大の都市で、令和3年度(2021年度)から部活動の地域移行に向けた実証に着手し、5年間にわたって段階的な準備を積み重ねてきた。令和7年度(2025年度)には全28校・43部活動で実証実施が行われ、令和9年9月1日(2027年9月)から休日の運動部活動を「地域クラブ活動」として正式に活動開始することが計画されている。「松山市の地域クラブ活動の在り方等に関する方針」および「松山市立中学校部活動地域移行推進計画」を策定し、地域クラブ活動の在り方と具体的な工程を明文化した。令和3年度から令和7年度に至る5年間の実証の積み重ねにより、現場での課題と解決策の知見が蓄積されており、令和9年9月の本格始動に向けた準備が進んでいる。
特徴的な取り組み
- 令和3年から5年間の段階的実証アプローチ: 松山市は令和3年度(2021年度)という早期から実証事業を開始し、5年間にわたって段階的に実証規模を拡大してきた。令和7年度(2025年度)には全28校・43部活動で実証を実施するに至っており、「実証→課題抽出→改善→拡充」のサイクルを繰り返した積み上げがある。性急に全面移行するのではなく、実証による検証を経た確実な移行プロセスを踏んでいる点が特徴的である。
- 「松山市の地域クラブ活動の在り方等に関する方針」の策定: 松山市は地域クラブ活動の方向性を示す「松山市の地域クラブ活動の在り方等に関する方針」を策定し、具体的な取り組みを記した「松山市立中学校部活動地域移行推進計画」と合わせて公表した。意見募集(パブリックコメント)を経て策定された方針は、市民・保護者・指導者が計画の方向性を確認・参照できる透明性の高い制度設計となっている。
- 令和9年9月1日という明確な本格始動日の設定: 「令和9年9月1日から休日の運動部活動は地域クラブ活動として活動開始」という具体的な日付を設定している。多くの自治体が「令和○年度を目途に」という曖昧な目標設定をする中、松山市が年月日レベルで始動日を明示したことは、関係者への具体的な見通しを提供し、準備の進捗管理を容易にする。
- 28校43部活動という大規模実証による現場知見の蓄積: 令和7年度(2025年度)に全28校・43部活動という大規模な実証を実施することで、制度を本格始動させる前に、多様な種目・学校規模・地域事情を踏まえた実践的な知見を蓄積している。実証終了後に課題を整理し、令和9年9月の本格始動に向けて制度を最終調整できる設計となっている。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 28校規模での地域クラブ活動体制整備の複雑さ | 令和3年から5年間かけて段階的に実証を拡大し、令和7年度に全校全種目の実証を行う段階的アプローチで課題を事前に把握 |
| 地域クラブ活動の方向性について市民・保護者への周知と合意形成 | 「松山市の地域クラブ活動の在り方等に関する方針(案)」への意見募集(パブリックコメント)を実施し、透明性の高い政策策定を実現 |
| 指導者確保と大会参加機会の確保 | 「松山市立中学校部活動地域移行推進計画」でスケジュールと手順を明示し、関係団体との早期調整を促進 |
| 休日のみ先行移行後の平日移行への対応 | 「松山市の地域クラブ活動の在り方等に関する方針」に平日移行も視野に入れた長期的な方向性を明示 |
成果・効果
松山市は令和3年度(2021年度)から開始した段階的な実証を積み重ね、令和7年度(2025年度)には全28校・43部活動という大規模実証を実現した。「松山市の地域クラブ活動の在り方等に関する方針」と「松山市立中学校部活動地域移行推進計画」という2つの公式文書を策定・公表し、市としての政策的な方向性を明文化している。5年間の実証を通じて、地域クラブ活動の担い手・指導者・費用・大会参加についての現場知見が蓄積されてきており、令和9年9月1日という具体的な始動日に向けた準備体制が整いつつある。
出典
→ 原文: 松山市 中学校部活動の地域移行(展開)について
→ 参考: 松山市の地域クラブ活動の在り方等に関する方針・推進計画
💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント
松山市で特に注目したいのは「令和9年9月1日」という日付レベルでの始動日設定です。行政の計画では「令和○年度を目途に」という曖昧な表現が一般的ですが、「9月1日」という具体的な日付を設定することで、関係者全員が同じ日程を共有し、逆算した準備スケジュールを組みやすくなります。また、新年度(4月)でなく「9月」という中間時期を始動日にしているのは、3年生が各種大会を終えて引退するタイミングに合わせた設計であり、新チームとして移行するという考え方を採用しています。
令和3年から5年間の実証を経て28校43部活動規模での確認を経てから本格始動するという松山市のアプローチは、「失敗を許さない確実な移行」を優先する自治体に参考になります。一方でその分、地域移行の開始が他の先進自治体より遅れるというトレードオフも存在します。「確実性を優先した段階的実証」対「スピードを優先した早期実施」というバランスの取り方は、各自治体の状況や教育委員会の方針によって異なります。パブリックコメントを経て策定された方針は、市民への説明責任を果たすという観点からも重要な制度設計です。
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