【事例】島根県雲南市の部活動地域展開 ─ 合同部活動を前段階に・80名の指導者人材バンクで段階移行
この記事でわかること
・合同部活動を「前段階」に活用し、生徒・保護者・教員が地域指導者の指導に段階的に慣れる期間を確保する二段階移行モデルを採用
・設立前にスポーツ少年団・体育協会・総合型地域スポーツクラブへの事前合意形成を経て、約80名が登録する指導者バンクを設立
・市内全校の合同部活動で10種目を一体提供し、学校規模による部活選択格差を解消している
| 自治体名 | 島根県雲南市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約35,000人(令和5年時点) |
| 中学校数 | 7校(生徒数875人・部活30部活) |
| 運営形態 | 合同部活動を前段階に活用・段階的地域移行(㈱キラキラ雲南が業務委託先) |
| 対象競技 | 10種目(バレーボール・剣道など全運動部30部活対象) |
| 保護者負担額 | 不明(調査時点で未公表) |
取り組みの概要
島根県雲南市は令和4年度にスポーツ庁の実証事業を受託し、合同部活動の実施を通じた段階的な地域移行を進めています。市内7校の中学校が抱える30部活動の全種目で合同部活動を実施し、生徒・学校・地域の指導者の3者が合同部活動を通じて「地域の指導者による指導に慣れ親しむ」段階を経てから、本格的な地域移行へと移行する手順を採用しています。令和5年2月には「雲南市指導者バンク」を設立し、スポーツ少年団やスポーツ協会への事前説明・協力依頼の結果、約80名の指導者が登録されています。
特徴的な取り組み
- 合同部活動を地域移行の「前段階」として位置づけ: いきなり地域クラブ活動へ移行するのではなく、全市内中学校の全運動部で合同部活動を実施し、生徒・保護者・教員が地域指導者の指導に段階的に慣れ親しめる環境を整備。令和4年度から10種目に拡大しています。
- 約80名の独自指導者人材バンク: 令和5年2月に設立した「雲南市指導者バンク」にスポーツ少年団・スポーツ協会・総合型地域スポーツクラブの指導者約80名が登録。各スポーツ少年団・市体育協会・総合型地域スポーツクラブとの事前説明・協力体制を整えた上で設立しました。
- 小学生から高校生まで対象にしたスポーツ機会の整備: 中学生年代だけでなく、小学生年代から高校生年代も含めた地域全体のスポーツ機会を整備することを重視。活動内容はスポーツ少年団や高校の部活動の種目と整合が取れるように設定しています。
- 学校関係者との合意形成を丁寧に実施: 地域連携・地域移行の取り組みでは学校関係者の協力が特に重要と判断し、校長会での説明だけでなく、校長が各中学校の職員会議で使用できる説明資料を教育委員会にて作成するなど、現場教員への丁寧な説明を実施。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 中学校の規模により選択できる部活動の種類に差がある | 市内全校が参加する合同部活動で10種目を一体提供し、規模格差を解消 |
| 関係者が市の部活動改革の方針を共通認識して地域移行を進めるためのガイドラインが必要 | 市独自のガイドライン策定に向けて、検討・運営会議を複数回実施(令和5年6月・令和6年2月) |
| 合同部活動の運営事務の効率化(連絡・出欠対応・謝金支払い等の事務量が多い) | バックオフィス機能の効率化を図るためICTツールの活用を検討中 |
成果・効果
令和4年度から令和5年度にかけて、市内全7校の中学校が参加する合同部活動を実施。令和5年度は10種目・30部活動で展開し、1か月あたり平均1回の活動で1回あたり約17人が参加しています。指導者謝金は時給1,000円で、活動場所は社会体育施設および学校施設を活用しています。指導者説明会・懇談会も令和5年6月・8月・令和6年1月に実施し、関係者間の合意形成を丁寧に積み上げることで、地域クラブ活動への本格移行に向けた土台を構築しています。
出典
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